
FORUMスタッフ
インドネシアは、オーストラリア、米国、およびインド太平洋地域の同盟国やパートナーとの安全保障協力の強化を背景に、2025年8月に憲法制定80周年を迎える。
2025年5月中旬、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー(Anthony Albanese)首相は、ジャカルタでインドネシアのプラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)大統領と会談した後、「私がインドネシアを訪れたのは、オーストラリアにとってこれほど重要な関係はないからだ」と述べた。
2024年8月に署名された両国の防衛協力協定は「防衛協力を強化し、共通の安全保障上の課題に対処するための、インドネシアの史上最大のコミットメント」であると、ジャカルタを拠点とするシンクタンク、インド太平洋戦略インテリジェンス( Indo Pacific Strategic Intelligence ‐ ISI)の研究者アイシャ・クスマソマントリ(Aisha Kusumasomantri)氏とベネディクタ・ナタニア(Benedicta Nathania)氏は指摘している。
インドネシアにとって、この協定は「互いの領土内での軍事演習と相互軍事作戦を可能にする歴史的なものである。 オーストラリアにとっては、この協定により、南シナ海などの潜在的な紛争地域への作戦上の接近性が向上する」と、両氏は2025年3月にオーストラリア戦略政策研究所の「The Strategist」で述べている。
2024年11月に外交関係樹立75周年を迎えたインドネシアと米国は、「より繁栄し、安全で、民主的なインド太平洋地域における永続的な共通の利益を共有している」と米国国務省は言う。
スーパー・ガルーダ・シールド演習は、その相互のコミットメントを象徴している。 この演習は2007年にインドネシア軍と米国軍の二国間交流として始まり、2022年に多国間演習へと発展した。 2024年の演習には、オーストラリア、カナダ、フランス、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、英国が参加した。 ブラジル、ブルネイ、フィジー、ドイツ、インド、マレーシア、オランダ、パプアニューギニア(PNG)、フィリピン、サウジアラビア、タイ、バヌアツからはオブザーバーが派遣された。
ジャカルタの米国大使館によると、参加国の一覧は、インドネシアと米国のパートナーシップが地域の安定を強化し、自由で開かれたインド太平洋を支援する上で効果を発揮していることを強調しているという。
インドネシアと米国のその他の協力事業には、1989年に開始されたコープ・ウエスト(Cope West)合同演習が含まれ、この演習ではインドネシア空軍と米国太平洋空軍が戦術や訓練手順の交換を行なっている。 インドネシアはまた、米国国家パートナーシップ・プログラムを通じてハワイ州兵とも協力し、協力海上即応訓練(Cooperation Afloat Readiness and Training ‐ CARAT)や環太平洋演習などの二国間および多国間演習に参加している。
「自由で積極的な」外交政策の下、インドネシア政府はパートナーシップのバランスを図りつつ戦略的自主性を維持することを目指しており、多国間演習への参加はその原則を体現していると、アナリストらは指摘している。
2023年11月、インドネシアと米国は両国の関係を「包括的戦略的パートナーシップ(Comprehensive Strategic Partnership ‐ CSP)」へと強化し、テロ対策、サイバーセキュリティ、海洋領域認識における協力を拡大するとともに、軍事医療、宇宙、大量破壊兵器対策などの分野における防衛協力を深めることを決定した。
2025年に創立50周年を迎えるFORUMは、特にインドネシアが同盟国およびパートナーとの連携を数十年にわたり継続してきた以下のことに焦点を当ててきた。