
フェリックス・キム(Felix Kim)
日本の防衛産業基盤は急速に変貌を遂げようとしている。それを加速しているのは政府予算の記録的な増額、急増するパートナーシップ、インド太平洋で高まる戦略上の緊急性だ。 防衛に関して長らく輸入に頼っていた日本政府は、自国の能力に重点を置いた投資に注力し、世界の軍事防衛においてその存在感を拡大している。
2025年度の防衛予算は約8兆7千億円(610億米ドル)と、第2次大戦後の史上最高額を記録し、防衛体制と防衛産業の復活において新しい時代の到来を告げた。 2022年に開始された5か年防衛力強化計画の一環として、この支出計画は、米国製トマホークミサイルの取得や多機能型護衛艦の建造など、さまざまな取り組みを支援している。
この変化で中心となっているのが国内産業の製造能力拡大を後押しすることである。 政府は、デュアルユース技術の統合に注力しており、最新の技術革新を活用するとともに、同盟国およびパートナー国の協力を得ることを目指している。
動画提供: タイラー・アンドリュース(TYLER ANDREWS)三等軍曹/ 米国海兵隊
「日本は、防衛支出と生産を中心に産業成長を大幅に強化し、より積極的な武器輸出へと転換していく必要がある」と、国際基督教大学の国際関係学教授スティーブン・ナギ(Stephen Nagy)氏はFORUM誌に語った。
主だった企業は、自律システムや海洋領域認識などの分野におけるイニシアチブにその戦略を合わせているとナギー教授は言う。
自治国の台湾を併合するとの脅しや東シナ海および南シナ海における領海侵犯など、中国政府の攻撃的かつ威圧的な行動がインド太平洋全体で緊張を高めている。
「我々は、日本およびこれら特定の産業が、台湾海峡をめぐる単独の有事や複数の有事にどのように対処すべきかを模索し始めるのを目にすることになるだろう」とナギ氏は述べた。
日本の戦略の進化は、最近の英国のエンジニアリング企業BMTとの協力によって端的に示されている。 ジャパン・タイムズ紙によれば、防衛装備庁が締結した契約のもと、ジャパン マリンユナイテッド株式会社とBMTは、日本が部隊や装備を島嶼間で展開する能力を強化するために、高速上陸用舟艇の開発を行うという。
「日本は迅速に増援と水陸両用作戦を展開できること、そして中華人民共和国が万一島々を占拠した場合でもこれらを取り戻すことができるようにすることを望んでいる」とナギー教授は続けた。 こうした即応態勢の整備は同時に、抑止力を高めてパートナー各国への潜在的後方支援能力を強化することになり、地域の安定に寄与する。
日本はまた、英国とイタリアと組んで、2035年を目途に次世代ジェット戦闘機を開発することを目指している。
世界各国への働きかけが日本の防衛態勢の柱となる 日本政府はオーストラリア、インドネシア、フィリピン各国と武器およびサブシステムの輸出について話し合っているが、これはインド太平洋全体で産業提携を深める戦略に沿ったものだとウェブサイト、ブレーキング・ディフェンス(Breaking Defense)は報告した。
「日本は、国益を共有する国々への防衛関連装備の輸出が重要であることを理解している」とナギー教授は言う。
フェリックス・キムは韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。