日本の海上部隊、地域の安全保障強化で重要な役割へ

フェリックス・キム(Felix Kim)
アナリストによると、日本の水陸機動団(ARDB)は、国家と地域の安全保障を強化する上で重要な役割を果たすという。
2018年に創設された水陸機動団は、日本が戦後初めて配備した海上部隊だ。 離島を防衛し、必要であれば奪還する水陸両用作戦を想定して設計され、訓練されている。
2024年3月、陸上自衛隊は水陸機動団の第3連隊を長崎県の竹松駐屯地で始動させた。 同団は現在、3連隊、旅団司令部、支援部隊で構成され、総勢約3,000人が所属している。 米国海軍研究所(USNI)によれば、旅団が九州に位置することで、日本の南西部の島々の近くに部隊を展開する能力が高まるという。 水陸機動団の本部は同県の相浦駐屯地にある。
水陸機動団は、豪州と米国が隔年で主催するタリスマン・セーバー演習などの多国間演習への参加を通じて、インド太平洋地域の同盟国・パートナー間の相互運用性を高めている。
2024年11月、日豪米の国防相は、水陸機動団、オーストラリア国防軍部隊、オーストラリア北部を拠点とする米海兵隊ダーウィン巡回部隊が参加する三国間作戦の拡大を発表した。 活動拡大は、2025年7月にオーストラリアで予定されている次回タリスマン・セーバーから始まる。
東シナ海の日本領海への侵入を含め、中国の軍事的プレゼンスや領土侵犯に対する地域的な懸念が高まる中、水陸機動団を演習に組み込むことは「戦略的な対抗措置として機能する」と、シドニー大学米国研究センター(United States Studies Centre of the University of Sydney)のガイ・ボーケンスタイン(Guy Boekenstein)研究員は指摘する。
「日本の水陸機動団が多国間演習に参加することで、特に海洋問題や領土問題が発生する可能性がある中で、強力で統一的な防衛態勢を示すことができる」と、かつてオーストラリア国防相の国際政策・情報・作戦担当上級顧問を務めていたボーケンスタイン氏はFORUMに語った。
オーストラリアのノーザン・テリトリーを含むさまざまな環境での水陸両用作戦の共同訓練は、重要な場所を確保するための部隊の迅速な展開と調整能力の強化につながると、ボーケンスタイン氏は言う。 水陸機動団は、「島や沿岸地域の占領を伴う脅威への対応に特に適している」という。
マレーシアのクアラルンプールを拠点とする国防アナリスト、ジルハン・マハジル(Dzirhan Mahadzir)氏はFORUMの取材に対し、水陸機動団の参加は戦術レベルでの相互運用性を高めるだけでなく、同盟国軍間の親近感と結束力を育むと指摘した。 分隊や小隊レベルの作戦に重点を置くことで、より大規模な共同作戦の基礎が築かれ、同盟諸国は作戦能力に磨きをかけることができる。
陸上自衛隊の長谷川和紀一等陸佐は、航空・海上輸送能力の限界など、迅速な展開の有効性を制限しかねない兵站上の課題を克服するために、水陸機動団は、装備品の前置、強固な兵站の開発、同盟軍との訓練サイクルの統合によって即応態勢を強化しなければならない。
このような取り組みは、水陸機動団の作戦の柔軟性を高め、その能力を、迅速な対応能力で知られる米国海兵遠征部隊の能力に近づけるだろう、と米海軍の出版物「プロシーディングス(Proceedings)」の2024年11月号に寄稿している。
フェリックス・キムは韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。