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米国のミサイル迎撃実験、自由で開かれたインド太平洋を強化

FORUMスタッフによる配信記事

米国ミサイル防衛庁(MDA)は初めて、グアム沖での実験中に空中発射の中距離弾道ミサイル標的を撃墜し、米国領土の防衛能力における画期的な出来事となった。

西太平洋に浮かぶこの島は、米軍にとって戦略的に重要な場所である。 中華人民共和国から3,000キロメートル以内に位置するグアムは、潜在的な敵対勢力の抑止、危機への対応、自由で開かれたインド太平洋の強化などのため、米国がこの地域に存在し続けるのに不可欠な場所である。

2024年12月10日の実験は、米国国防総省が国土防衛と、進化するミサイルの脅威に対するグアムの防衛力強化に尽力していることを示すものである。

この試験では、新型のAN/TPY-6レーダーと垂直発射システムを統合したイージス・グアム・システムが、アンダーセン空軍基地からスタンダードミサイル3ブロックIIAを発射した。 ミサイルはグアム北東沖370キロメートル以上の目標を撃墜した。 目標は米国空軍のC-17グローブマスターIIIから発射された。

「これは、国防総省内の組織が現在および将来にわたり、わが国の領土であるグアムを守るために団結した姿を垣間見ることができる、素晴らしいグループの努力の結晶だ」MDAのディレクターであるヒース・コリンズ(Heath Collins)中将は、ニュースリリースで伝えた。 「我々はこれを基盤として、グアムのための統合追跡アーキテクチャと統合防空・ミサイル防衛能力を構築し、検証する」

このテストは、米軍の戦闘能力の向上と国土防衛作戦の再訓練を目的として、米国インド太平洋軍が実施した1週間にわたる能力演習スリングストーン(Sling Stone)の一環として行われた。 ミクロネシア合同任務部隊(JTF-M)と共同で実施されたスリングストーンには米国空軍、陸軍、海軍、および同盟軍から人員と資産が結集し、多領域訓練の一環としてミサイル迎撃テストが行われた。

2024年12月、米国インド太平洋軍のスリングストーン演習の一環として、アンダーセン空軍基地から試験発射されたスタンダードミサイル-3ブロックIIAは、グアム北東沖370km以上の地点で、空から発射された弾道ミサイルの標的を迎撃した。
画像提供:米国ミサイル防衛庁

「スリングストーンの成功は、インド太平洋地域における強固な防衛態勢を維持するために、我々の統合サービスチームが日々行っている素晴らしい活動の証である」と、JTF-Mの司令官である グレッグ・ハフマン(Greg Huffman)米国海軍少将は述べた。 「MDAのミサイル迎撃テストを活用し、我々の戦い方を訓練することは理にかなっている。 我々は学んだ教訓を生かし、進化する敵のミサイルの脅威に対するグアムの防衛体制を強化し続けるだろう」

演習は、空、陸、海におけるマルチドメイン作戦をシミュレートするライブ、バーチャル、建設的な訓練環境を含んでいた。

グアム沖で活動する米国海軍誘導ミサイル駆逐艦USSミリウスは、標的を探知、追跡し、交戦シミュレーションを行い、防空支援を提供した。

グアムを拠点とする米国陸軍の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)部隊であるタスクフォース・タロンも、ミサイルの追跡情報を受信した。 THAAD砲兵隊は弾道ミサイル防衛を提供する。

日本の海上自衛隊の誘導ミサイル駆逐艦「はぐろ」は防空支援を提供し、相互運用性を高め、部隊間の情報共有を促進した。

スリングストーンはまた、軍、国土安全保障、民間防衛の担当者が、地域により良いサービスを提供するために、通知と危機対応の手順を磨くことを可能にした。

このミサイル迎撃テストは、空軍、陸軍、MDA、海軍の各コンポーネントを組み合わせたグアム防衛システムを開発、設置、運用し、島に統合的な防空・ミサイル防衛を提供するという、より広範な構想に活用される。

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