ロイター
オーストラリアとナウルは2024年12月、経済および安全保障条約を締結した。これに伴い、オーストラリア政府は5年間にわたって約97億円(6,400万ドル)の直接予算支援を行うほか、約39億円(2,600万ドル)を拠出してブルー・パシフィック諸国の安全保障を強化することを約束した。
この協定により、中華人民共和国がナウルと治安維持関係を結ぶことが事実上阻止され、オーストラリアは同国の安全保障、銀行、通信における中国の関与を拒否できるようになった。 これに先立ち、オーストラリア政府はブルーパシフィック国ツバルとの間で同様の協定を結んでいる。
2022年、ソロモン諸島が中国と秘密裏に安全保障協定を結んだことで、この広大な地域における中国の野望に対する懸念が高まった。 2024年9月、中国は太平洋に向けて、ダミー弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルの発射実験を行った。 打ち上げ当時、中国の宇宙船追跡船がナウル島の北西を航行していた。
オーストラリアのリチャード・マールズ(Richard Marles)国防長官は2024年12月初旬、長距離攻撃能力による抑止力強化計画の一環として、同国が初めてトマホーク巡航ミサイルの発射実験を行ったことを発表した。 射程距離が2,500キロメートルに拡張されたミサイルは、米国西海岸から発射された。
この協定により、ナウルは、最近中国の国有企業によって拡張された同国の主要港を中国共産党軍の船舶が利用する前に、オーストラリアの同意を得なければならない。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー(Anthony Albanese)首相とナウル共和国のデビッド・アデアン(David Adeang)大統領は記者会見で、この協定により、安全保障上の理由から第三国がナウルの重要なインフラにアクセスすることができなくなる、と述べた。
アルバニージー首相は「ナウルの中長期的な安定性と経済的回復力の強化に繋がるだろう」と述べた。 「また、平和で安全かつ経済的に強靭な太平洋地域は、オーストラリアにとっても確実に利益となる」
世界で3番目に面積の小さい国であるナウルは、2024年1月に外交関係を台湾から中国に切り替えた。 アルバニージー首相は、オーストラリアは引き続きナウル共和国の主要な安全保障パートナーであり続けると述べ、治安維持と国家安全保障のための追加投資を約束した。
「我が国は、経済の多様化、革新的な機会の模索、地域の平和と安定の確保を継続しながら、独自の開発課題に取り組もうとしている中、オーストラリアの揺るぎない支援に感謝している」とアデアン大統領は述べた。