EU、中国による台湾への威嚇停止を要請：自由で開かれたインド太平洋に向けさらなる協力を求める

FORUMスタッフ

欧州連合（EU）は、中国による台湾への軍事的挑発行為を非難し、その違法かつ強圧的、攻撃的、欺瞞的な戦術はインド太平洋地域およびその他の地域の安全保障を脅かすものであると述べた。

EUの加盟国27か国を代表する立法機関である欧州議会は、2024年10月下旬、中国による嫌がらせや、歴史および国際法を歪めようとする継続的な試みを非難する決議を採択した。 圧倒的多数で可決されたこの決議により、世界貿易の重要な航路である台湾海峡の現状を一方的に変更しようとする試みを拒否する欧州の姿勢を改めて表明した。 1971年の国連決議では、中国を国連における正当な代表国として認めたが、台湾の主権については立場を明らかにしていないことを強調した。

中国共産党は台湾を武力で併合すると脅しているが、その台湾の自治権を国連決議が承認したと虚偽の主張をしている。 2024年10月中旬、中国政府の人民解放軍は台湾周辺で、港湾攻撃や海上封鎖を想定した大規模な軍事演習を実施した。 台湾の領海侵犯を行う中国海警局の配備は、「現状の関係を壊そうという中国側の意図を最も具体的に示すもの」のひとつであると、EUの決議は述べている。

中国はまた、国連決議を引用し、世界保健機関（WHO）、国際民間航空機関、国連気候変動枠組条約などの国際機関との台湾の関与を妨害することで、台湾を国際機関から疎外しようとしている。 例えば、2022年には中国は台湾がWHOの年次総会にオブザーバーとして参加することを妨害した。 米国に拠点を置くシンクタンク、ドイツ・マーシャル財団（German Marshall Fund）によると、中国は資金調達計画や国連職員の戦略的採用など、さまざまな手法を用いて台湾を国際機関から締め出そうとしている。

「これらの行動は、既存の多国間国際秩序を変更し、国際法を弱体化させようとする中国の野望を浮き彫りにしており、組織的な対立の表れと見なすことができる」とEU決議は述べている。

同決議は、「我々が、政治情勢が特定の方法で一方的に誤解されることを望んでいないという、団結と幅広い理解の象徴」を表していると、投票後に台湾を訪問した欧州議会のミヒャエル・ガーラー（Michael Gahler）議員（ドイツ）は述べている。

中央通信社のフォーカス台湾によると、同議員は、1971年の国連決議には、国家であることが国際関係の要件であることを示唆する文言は含まれていないが、台湾はオブザーバーまたは参加者として国際フォーラムに参加する機会を活用すべきであると述べたという。

「中国がこの（国連の）決議にないものを台湾に対して解釈する理由はない。それが彼らの試みだ」と同議員は述べている。

EU決議は、中国に対して台湾への経済的強要、サイバーおよび情報操作活動の中止を求めている。 同決議はまた、台湾の人々の「勇気」と、「中国からの脅威と活動の激化に直面した台湾当局および諸機関の均衡のとれた威厳のある対応」を称賛している。

同時に、新型コロナウイルス感染症の大流行時における台湾の役割に感謝の意を表し、世界的なサプライチェーン、特にハイテク分野における台湾の重要性を認識し、フランス、ドイツ、オランダをはじめとするEU諸国による航行の自由作戦の増加を称賛し、自由で開かれたインド太平洋を確保するための地域パートナーとの協力と調整を呼びかけている。