フェリックス・キム(Felix Kim)
韓国国防大学は先ごろ、在韓米軍(USFK)の将校や外国の外交官、ジャーナリストを対象とした国際安全保障アカデミー(Academy for International Security)を開設し、国際的な情報発信の伝統を守り続けている。 2024年6月には、NATO国防大学代表団が韓国国防大学との協力強化を目的として同大学を訪問している。
10 週間に渡るこのアカデミーは、「我が国の国防政策に対する同盟国の関係者の理解を深め、大韓民国と米国の同盟関係の強化にさらに貢献することを目的として運営される」と、韓国の国防部は自国の正式名称を用いて述べた。
2024年12月まで続くこのアカデミーは、日韓米の安全保障協力などのテーマが含まれている、と国防部は述べている。 過去18か月間の重大な展開は、三国間協力の重要性を浮き彫りにしている。その主な要因は、北朝鮮と中国による新たな安全保障上の課題と、多国間防衛協力の重視の高まりだ。
「地域の安定を目的とした三国間の防衛関係がますます重視される中、このテーマに焦点を当てることは極めて重要だ」と、退役陸軍中将の全仁釩(チョン・インボム)氏はFORUMに語った。 同氏はさらに、「このようなセッションに参加することで、在韓米軍の将校は、中国の台頭や北朝鮮の脅威など、三国間の協力を促す政治的・戦略的動機を理解することができる。 合同軍事演習や情報共有メカニズムを通じた三国間協力の制度化に向けた最近の動きを考えれば、これは特に重要なことだ」と述べた。
その他にも、韓国の安全保障戦略、長年にわたる韓米同盟、外交、国連軍、韓国政府の防衛科学技術政策などのテーマが扱われる。
講師陣には、金 暎浩(キム・ヨンホ)国防大学副学長や朴栄濬(パク・ヨンジュン)同大学国家安全保障研究所所長といった専門家が名を連ねている。
「これは韓国が行っている素晴らしい取り組みだと思う」と全仁釩(チョン・インボム)氏は言う。 同氏はまた、「国際社会がこのような活動に参加することは、特に韓国をより深く理解する必要がある人々にとって極めて重要なことだ。
「在韓米軍将校が参加することで、韓国側との調整だけでなく、日本軍を含むより広範な三国間の枠組みでの調整にも十分対応できるようになり、相互運用性と集団安全保障の取り組みが強化される」と語った。
NATO国防大学によれば、6月に開催されたNATO関係者向けのコースでは、中国を地域的にも世界的にも新たな戦略的課題として位置づけている32の加盟国からなる安全保障同盟NATOの戦略コンセプトに基づいて行われた。 このコンセプトは、世界の安全保障を強化するために、特にインド太平洋に焦点を当て、地域の提携国との対話と協力を強化することの重要性を強調している。
参加者たちは、非武装地帯、国連軍司令部警備大隊-共同警備区域、在韓米軍や国連軍司令部、統合軍司令部のあるキャンプ・ハンフリーズ(Camp Humphreys)基地など、朝鮮半島の代表的な施設を視察した。
NATO国防大学校長のマックス・A・L・T・ニールセン(Max A.L.T. Nielsen)中将と国防大学長のイム・ギフン(Lim Ki-hoon)中将が会談し、連携を強化するとともに、研究やその他のプロジェクトにおける協力の拡大について話し合った。
フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。