多国籍パートナーがインド太平洋陸軍訓練演習に参加
FORUMスタッフ
米国陸軍の統合太平洋多国籍即応センター(JPMRC)は、2024年10月7日から16日にかけて、アラスカからハワイ、パラオにまたがる演習で、これまでで最大規模の戦闘訓練センター(CTC)のローテーションを実施した。
この訓練では、オーストラリア、カナダ、インドネシア、日本、マレーシア、モルディブ、ニュージーランド、タイ、英国の軍関係者が米国軍に加わり、複雑な課題をシミュレートするマルチドメインの共同訓練、ライブ訓練、バーチャル訓練、建設的訓練を行った。
モルディブ国防軍(MNDF)のアリ・シャリーフ(Ali Shareef) 大尉(海兵隊特殊作戦部隊)は、「相互運用性は、この訓練から学べる最も重要なことのひとつだ」と述べ、 「だからこそ、相互運用性は、今回の訓練で最大限の効果を発揮するだろう」と語った。
統合太平洋多国籍軍即応センターのローテーションは、米国陸軍のたゆまぬ卓越性の追求と、米国とその同盟国・提携国がいかなる困難にも対応できる態勢を確保することへの決意を示すものだった。 これまで統合太平洋多国籍即応センターは、ハワイの熱帯地域やジャングル、アラスカの北極圏、オーストラリア、インドネシア、フィリピンなどの提携国に多国籍部隊を派遣してきた。
米国陸軍が2022年に設立した統合太平洋多国籍即応センターは、米国本土以外では50年ぶりの戦闘訓練センターとなる。 統合太平洋多国籍即応センターは、米国陸軍屈指のインド太平洋訓練センターとして、ジャングルから高地の火山砂漠、群島に至るまで、この地域の困難な地形を模倣した現実的な訓練環境を提供することで、軍の即応性の確保に役立っている。 こうした訓練により、米国とその同盟国および提携国は、インド太平洋地域およびそれ以外の地域でも、戦闘に耐えうる部隊を動員できる。
2022年、米太平洋陸軍(USARPAC)司令官のチャールズ・フリン(Charles Flynn)大将は、「これによって、訓練された部隊をこの地域に待機させ、前進させておくことができる」とし、 「作戦を実施する可能性が最も高い環境や条件で準備を整えられる。 … 多くの合同パートナーや多国籍パートナーと予行演習を行える」と語った。
統合太平洋多国籍即応センターは、部隊が厳しい環境で訓練を行い、地域の能力を高めるリーダー、システム、プロセスを開発するための重要な機会となる。
先のローテーションでは、多国籍の提携国と米国陸軍の部隊がシミュレーション環境に取り組み、実戦で結束して活動するための態勢を整えた。
統合太平洋多国籍即応センターでは、敵対勢力として訓練に参加する部隊に大幅な独立性を与える形式を採用している。
「統合太平洋多国籍即応センターでは、可能な限り独立した形で活動していく。 これにより、他のどの訓練よりも現実的なシナリオと環境で訓練する機会を得ることができる」とモルディブ国防軍のシャリーフ大尉は語った。
訓練では、リアルタイムの高度なプレッシャーのかかる環境下で、戦闘用と平時用のコンストラクトを検証した。 参加部隊は、他のローテーションから得た教訓を取り入れ、戦闘準備態勢と危機や紛争への対応能力を向上させるための技術やシステムをテストした。
「現地に赴くことで、コンセプトの実証ができる」と、整備小隊長のネイサン・モーガン(Nathan Morgan)米国陸軍中尉は語り、 「適切な計画と訓練があれば、どんな環境でも重要な任務を遂行することができる」と述べた。
ハワイで統合太平洋多国籍即応センター最大のローテーションを実施するにあたり、作戦スタッフは極めて重要な役割を果たした。 彼らは、大隊全体の作戦・訓練活動を計画、調整、監督することで、部隊の備え、同機、実効性を徹底させた。
「統合太平洋多国籍軍即応センターのタイムラインでは、旅団司令官への作戦命令ブリーフを実行する」と、軽旅団戦闘団の作戦担当官を務める米国陸軍のクリストファー・オノラト(Christopher Onorato)大尉は言う。 「統合太平洋多国籍即応センターの作戦を成功させるという目標達成のために、すべての下部組織が……効果的に波長を合わせ、協力し合うことが可能となる。