ロイター
米国財務省は2024年9月中旬、ロシアによるウクライナへの一方的な戦争と北朝鮮の違法な武器計画を支援するために、北朝鮮とロシア間の支払いを可能にしたとして、5つの団体と1人の個人に制裁を課したと発表した。
これまでの制裁からの回避を狙った試みを対象としたこの措置は、北朝鮮の「違法な大量破壊兵器(WMD)および弾道ミサイル計画への資金調達を促進し、ロシアによるウクライナへの違法な戦争を支援する」ネットワークを破壊するという米国の決意を示すものであると、米国財務省は述べた。
米国国務省のマシュー・ミラー(Matthew Miller)報道官は、権威主義体制間の金融協力の拡大は、「国際安全保障と世界金融システムを直接的に脅かすものである」と語る。
またミラー氏は、北朝鮮(公式名称は朝鮮民主主義人民共和国)について言及し、「ロシアは戦場での損失が増大し、国際社会からの孤立が深まる中で、北朝鮮への依存度をさらに高めている」とも述べた。
米国財務省は、新たな制裁措置により、ロシアのウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)大統領率いる政府が、国連安全保証理事会の決議に違反して、北朝鮮の国際金融システムにアクセスできるよう違法な金融計画を利用している実態が明らかになったと指摘している。
北朝鮮の国営メディアが報じたところによると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記とロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相が政権間の戦略対話を深めることを話し合った数日後、米国がこの措置に踏み切った。
ウクライナと米国の当局者、およびアナリストらは、金総書記が経済的および軍事的な支援の見返りとして、ロシアにロケットやミサイルを供給していると述べている。
この制裁は、北朝鮮の国営外国貿易銀行(FTB)と韓国光善銀行による金融共謀を対象としており、両銀行は以前にも米国による制裁を受けていた。
ロシア中央銀行が画策した計画で、ジョージアに拠点を置くMRB銀行は、指定されたロシアの銀行に代わり、FTBと秘密の銀行取引関係を結ぶ役割を担った。
これとは別の計画では、同じく米国の制裁対象となっているロシア金融公社銀行(JSC)が、FTBと協力してモスクワに拠点を置く企業を設立し、ロシアの破綻した銀行に保管されている凍結された北朝鮮の資金を管理することになっていた。