![](https://ipdefenseforum.com/wp-content/uploads/2024/08/Hanoi-Tokyo-deepen-cooperation-with-new-defense-agreements-equipment-transfers-780x470.jpg)
フェリックス・キム(Felix Kim)
日本とベトナムは、主に中国による海洋領域侵犯を伴う共通の安全保障上の脅威を踏まえ、防衛関係を強化している。
新たな防衛協定と2台の捜索救助車両の移転は、2023年末の包括的戦略的パートナーシップ締結以来の進展を示すものである。 2024年8月初旬にハノイで行われた、日本の木原稔防衛大臣とベトナムのファン・ヴァン・ジャン(Phan Van Giang)防衛大臣との会談では二国間関係の強化が誓われ、その絆の強さが示された。
木原防衛相は「安全保障・防衛分野における国際協力の必要性がこれまでになく高まってきている中、昨年末に策定された(日本の)国家防衛戦略にも明記されているように、できるだけ多くの国々と協力関係を強化していくことが極めて重要である。 我々はハイレベル交流、部隊間交流、教育交流、能力構築支援など、さまざまな分野でベトナムとの安全保障および防衛協力関係を強化してきた」と述べた。
ベトナム国防省の発表によると、ジャン防衛相は、両国のパートナーシップにおける重要な柱となるべく、防衛関係の着実な拡大と深化を強調した。
戦争の遺産への対応、訓練、軍事医療、捜索・救助活動、国連平和維持活動、地域フォーラムにおける定期的協議などにおいて、大きな進展が見られた。 ベトナムと日本ではまた、国防政策に関する次官級協議や空軍、陸軍、海軍の将校による協議も行われている。
ジャン防衛相と木原防衛相は、捜索・救助任務に投入する車両の日本からベトナムへの移転を歓迎した。これは、両国の2021年の防衛装備・技術移転協定に基づく初の事例であると当局者は述べた。
「今回の会談を踏まえ、ベトナムとの二国間防衛協力や、日本とASEANを含む多国間協力をさらに深めていきたい」と木原防衛相は述べた。ASEANは東南アジア諸国連合の略称で、ベトナムはその加盟10か国のうちの1つである。
日本とベトナムは近年、東シナ海と南シナ海における中国政府の信用を失墜させた領有権主張に端を発する、中国との重大な海洋紛争に直面している。
中国は、日本が実効支配する尖閣諸島周辺で、海警局の船舶や軍用機の存在感を強めており、これを受けて、日本政府は海上監視と防衛態勢の強化に乗り出している。
一方、南シナ海では、中国政府がベトナムの排他的経済水域(EEZ)の大部分、特に西沙諸島と南沙諸島周辺で主権を不法に主張している。 例えば2017年には、中国はベトナムの排他的経済水域(EEZ)内での石油掘削プロジェクトの中止をベトナム政府に圧力をかけ、ベトナムは石油会社への約1,450億円(10億ドル)以上の罰金を支払うことになった。
2023年、日本とベトナムはサイバーセキュリティ、軍事訓練、防衛装備移転における協力拡大で合意した。 このイニシアチブは、自由で開かれたインド太平洋を維持するために、東南アジア諸国との安全保障関係を強化するという日本政府の戦略に一致する。
ベトナム人民軍新聞によると、8月の会談中において、ジャン防衛相は、国際法および地域的な約束、特に国連海洋法条約と2002年にASEANと中国が署名した南シナ海における関係国の行動宣言に基づき、紛争を平和的に解決するというベトナムの確固たる立場を再確認した。
ジャン防衛相はまた、世界的な貿易航路である資源豊富な南シナ海における実質的かつ効果的な行動規範の交渉を進める必要性を強調した。
フェリックス・キムは韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。