フィリピン政府、スカボロー礁を巡る人民解放軍の攻撃的動きを非難
ロイター
フィリピンは、南シナ海における緊張を緩和するよう中国に強く求めた。これは、両国が海洋紛争の管理改善に合意した後に、人民解放軍(PLA)の戦闘機が「非常に危険な」行動を取ったとフィリピンが述べたことによる。
2024年8月初旬、スカボロー礁上空で通常パトロールを行っていたフィリピン空軍機に対し、人民解放軍の戦闘機2機が危険な飛行を行い、フレアを投下したと当局者が発表した。
フィリピンのギルベルト・テオドロ(Gilberto Teodoro)国防相は、敵対的な動きは南シナ海における主張と存在を言い立てる中国による「継続的なパターン」の一部であると述べた。
「この動きには我々も慣れておくべきだ」とテオドロ国防相は述べ、中華人民共和国に国際法を順守し、フィリピンやその他の国々の訴えに耳を傾け、行動を抑制するよう呼びかけた。
フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、この侵略行為を非難し、フィリピンの国家安全保障会議は中国に対して「あらゆる挑発的かつ危険な行為を停止する」よう要求した。
国際法廷が2016年に下した裁定で、領有権主張に法的根拠がないとの判断が下されたにもかかわらず、中国はスカボロー礁を含む資源豊富な南シナ海のほぼ全域を領有権を主張している。 中国の主張は、他国の排他的経済水域(EEZ)を侵害している。
「彼らは、国際的な支援は一切ないにもかかわらず、その主張を貫くだろう」とテオドロ国防相は述べた。 「彼らの味方となっているのは暴力と強さと権力だけだ」
フィリピンの軍事最高責任者であるロメオ・ブラウナー・ジュニア(Romeo Brawner Jr. )将軍は、人民解放軍の演習を「非常に危険」と評したが、排他的経済水域内の海域のパトロールは今後も継続するとしている。 そして「それは我々の権利だ」と述べた。
フィリピンが、中国の海軍や中国海警局ではなく、中国人民解放軍の航空機による危険な行動を非難したのは、2022年にマルコス大統領が就任して以来初めてのことである。
フィリピンと中国は、2024年7月に、セカンド・トーマス礁のフィリピン軍前哨基地への補給任務に関する暫定合意に達した。 中国船がフィリピンの船舶に繰り返し嫌がらせや妨害を行った後、両国は緊張を緩和し、相違点を管理することで合意した。