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フィリピン、南シナ海での中国との衝突を受け国防費を増額

ロイター
フィリピンは、対外防衛の近代化と強化に伴い、2025年の国防費として2024年の予算より6.4%増の約6,570億円(43億8,000万ドル)を計上すると発表した。
南シナ海における中国との緊張が高まる中、国防費の増額が提案された。南シナ海の大半は中華人民共和国が領有権を主張しているが、国際法廷はその主張を退けている。
国防予算は、7月下旬に議会に提出された政府の2025年歳出計画案の4%を占めている。
予算省によれば、国防予算の約80%は陸・空・海軍の防衛計画に充てられ、残りの大部分は、国内防衛から対外防衛へのシフトを反映したフィリピン国軍の近代化計画改定に充てられる。
アメナ・パンガンダマン(Amenah Pangandaman)予算長官は、国防支出は「わが国の主権と領土保全を維持するため」だと議員に語った。
フィリピン政府は、セカンド・トーマス諸島に駐留する部隊へのフィリピンからの補給任務について中国と「暫定的な取り決め」に達した後も、南シナ海での権利を主張し続けるとしている。 中国船は、物資を運ぶフィリピン船に嫌がらせや妨害を行った。
フィリピンが提訴した裁判で、常設仲裁裁判所は2016年、南シナ海における中国政府の広範な主張には国際法上の根拠がないとの判決を下した。 しかし、中国はこの判決を無視し続け、戦略的水路において違法な、そして強圧的で攻撃的かつ危険な行動を続けている。
フィリピン政府の2025年予算案には、南シナ海でのパトロールや補給任務の護衛を行うフィリピン沿岸警備隊への6%の増額が含まれている。