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ロシアによる2022年の一方的なウクライナ侵攻の数日前、中国の外交政策高官は、中国政府はウクライナを含むすべての国の主権と独立を尊重すると主張した。 しかしながらその数日後、中国はロシアのキーウへの攻撃停止を求める国連安全保障理事会の投票を棄権 した。
その10年前、中国は「ウクライナへの核兵器を使用した侵略または侵略の脅威が発生した場合には、ウクライナに対して相応の安全保証を提供する」と約束した。 これらの脅威が迫ったとき、中国は侵略者側に立ち、侵略を正当化しようとするロシアのプロパガンダを増幅させ、攻撃を阻止するための経済制裁を批判した。
50年以上前、中国政府は国連安全保障理事会の常任理事国となり、国際平和の維持に貢献することを約束した。 今日、世界の首脳たちは、中国をロシアの戦争努力の「決定的な支援者」として非難している。
ベルリンを拠点とするシンクタンク、カーネギー・ロシア・ユーラシア・センター(Carnegie Russia Eurasia Center)によれば、中国はロシアにとって、ミサイル、ドローン、戦車などの兵器に使用される商用品やデュアルユース部品の最大のサプライヤーであるという。
北大西洋条約機構(NATO)の同盟国は2024年7月初旬、中国政府によるロシア政府への軍事支援を非難し、安全保障同盟の32か国の首脳が承認した宣言の中で、「中国は自国の利益と評判に悪影響を与えることなく、欧州における近年の歴史上最大の戦争を可能にすることはできない」と警告した。
この宣言は、「ロシアの防衛部門に投入される部品、機器、原材料などの軍民両用物資の転用」を含む、ウクライナの民主主義を終わらせようとするロシアの取り組みへの支援を停止するよう中国に求めた。
中国は「ロシアに完全な兵器システムを供給しないようにという警告には従っていたものの、コンピューターチップや高度なソフトウェア、欠陥のある時代遅れの機器を量産していたロシアの防衛産業基盤を再建するために必要な部品の提供など、それ以外のすべてを行ってきた」とニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
NATOの宣言は、中国の行動に対する結果を明示していないが、米国は制裁を拡大することで、中国政府が世界市場から締め出される可能性を示唆している。
ジェイク・サリバン(Jake Sullivan)米国国家安全保障問題担当大統領補佐官は、「このような中国の支援が続けば、欧州全体の関係を悪化させることになり、米国は欧州の同盟国と協力して、この活動に関与する中国の組織や団体に制裁を課し続けるだろう」とニューヨーク・タイムズ紙に語った。
中国はロシアへの軍事援助を否定しているが、この権威主義的な隣国同士は緊密な関係を維持しており、中国共産党の習近平総書記とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、最近では2024年5月に北京で会談している。 メディアの報道によると、両政権はまた、北朝鮮の違法な核兵器を制限するための欧州との協力を放棄する一方で、軍事演習やその他の関与を強めているという。
2024年6月、中国は、ウクライナ和平会議にロシアが参加していないことを一つの理由として、会議への参加を拒否した。
NATOの声明はまた、中国による持続的な国際的サイバー攻撃、情報操作、威圧的な戦術を批判した。
オーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国は2024年NATO会合に参加した。これでインド太平洋諸国が3年連続で会合に参加することとなった。