ロイター
太平洋の島国パプアニューギニアがオーストラリアと米国との防衛関係を強化する中、世界で最も新しい空軍のひとつがステルス戦闘機とともに演習に参加した。
パプアニューギニアのパイロット訓練生たちは、オーストラリア北部で行われた20か国が参加したピッチブラック演習で、米国のF22ラプターやオーストラリアの統合打撃戦闘機と共に離陸の列に並んだ。 P-750ターボプロップ機3機を操縦する6人のパプアニューギニアのパイロットの1人、ランダル・ヘポタ(Randall Hepota)少佐は、「これは、小さな空軍である我々の学びになり、空軍の育成にも役立つ」と語った。
ニュージーランド製のこの航空機は短距離で離着陸ができ、危険な山岳地帯に物資や部隊を輸送する。
ピッチブラックは、オーストラリア最大の多国間空中戦訓練活動であり、 7月中旬から8月上旬にかけて実施される。 約140機の航空機と4,000人以上を動員したした2024年の訓練は、この演習の43年の歴史の中で最大規模だった。
オーストラリア国防省によると、参加者は世界最大級の軍事訓練空域で最新の航空機と戦闘システムを使用し、複雑なシナリオで訓練を行ったという。
このほか、初参加となるイタリア、フィリピン、スペインの航空機と隊員、ブルネイとフィジーの部隊が参加した。 さらに、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、日本、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、英国の航空機と、カナダとニュージーランドの部隊が参加した。
パプアニューギニア航空団司令官ダグラス・ヴァヴァール(Douglas Vavar)中佐は、ピッチブラックはパプアニューギニアの要員に世界最高のパイロットと触れ合う機会を提供し、大規模な連合軍との統合方法を学ぶのに役立ったとし、
「パプアニューギニアでの飛行は必須である。 人口の8割が農村部に住んでいるため、アクセスするには飛行機を使うしかない」と述べている。
同中佐はまた、2024年5月、パプアニューギニアの航空機は、エンガで発生した壊滅的な地滑りの現場に、王立オーストラリア空軍(RAAF)の大型機よりも近い場所に着陸することができたと語り、
「我々は、数年前からRAAFと訓練を行ってきたが、エンガの地滑りで初めて出動することになった」と述べている。
パプアニューギニアは、2023年にオーストラリアおよび米国と防衛協定を結び、この協定には、島国の備え・対応能力を強化する支援が含まれている。 ノーザン・テリトリーのRAAFティンダル基地でオーストラリア国防軍の上級将校を務めるフィオナ・ピアース(Fiona Pearce)氏は、「パプアニューギニアは、この地域における我々の重要な同盟国の一つであり、 彼らの生存と我々の生存は相互に依存している」と述べている。