北東アジア違法活動

韓国と同盟国、北朝鮮のGPS電波妨害に対抗

FORUMスタッフ

北朝鮮は10年以上にわたり、GPSとして知られる衛星や受信機器のネットワークからの信号を妨害する能力を開発し、断続的に試験を行ってきた。GPSは自動車から航空機、多くの軍艦を含む船舶に至るまで、地球上のあらゆるもののナビゲーション、測位、時刻合わせに使用されている。

2024年5月下旬、北朝鮮政権は妨害への取り組みを再燃させ、韓国北西部の国境諸島付近で少なくとも5日連続で航行信号が違法に妨害された。

韓国の聯合ニュースによると、 北朝鮮が主に黄海の北方限界線(韓国と北朝鮮の間の事実上の西海境界線)を狙ったことを韓国軍関係者が明らかにした。 軍艦の航行に支障はなかったが、電波妨害により漁船や旅客船の航行システムに不具合が生じたと、同軍の関係者は述べている。

聯合ニュースによると、韓国外務省のイム・スソク(Lim Soo-suk)報道官は6月、韓国は北朝鮮が繰り返しGPSを妨害していることについて、国際電気通信連合(ITU)、国際民間航空機関(ICAO)、国際海事機関(IMO)に新たな懸念を表明したと述べた。

ロイター通信によると、国際社会は電波妨害を敵対行為であり、電子戦の一形態と見なしているという。

韓国の統合参謀本部のリー・ソンジュン(Lee Sung-jun)報道官は、「北のGPS電波妨害は国際法違反にあたるため、国際レベルでの措置が期待される」と述べた。

送信機のジャミング(電波妨害)は、GPS受信機の衛星間信号の区別を不能にさせ、GPS信号が効果的にかき消され、受信機の位置の特定を不能にする。

一方、スプーフィングとは、敵の航空機や船に偽のGPS信号を送り、その機能を損なうことである。 このような活動は、貿易、民間航空機、船舶のGPS受信機にも影響を与え、船長、パイロット、航空管制官を混乱させ、乗客や貨物を危険にさらし、遅延を引き起こす可能性がある。

聯合ニュースによると、北朝鮮のGPS電波妨害攻撃やその他の宇宙空間を利用した脅威に対抗するため、韓国と米国は2024年4月に2週間の合同宇宙軍事演習を実施した。

両国の軍隊は、衛星通信への妨害を抑止し、潜在的な北朝鮮の脅威に対するGPSシステムの回復力を向上させるためのシミュレーションを行った。 聯合ニュースによれば、両国軍はまた、そのような攻撃の発信元を特定し標的にする訓練も行ったという。

GPS信号の妨害は、他の国連加盟国の通信を妨害することになり、ITU憲章に違反する。 また、GPS電波妨害は、船舶や航空機の安全航行に関するICAOとIMOの条約にも違反している。

イム報道官は、「我々はこれまでも同様の事案が発生した場合、国際機関に必要な措置を講じるよう要請してきた」と述べている。

聯合ニュースによると、2016年4月、韓国は北朝鮮が国境付近でGPS信号を妨害していると非難する声明を国連安全保障理事会に送っているという。 2か月後、ICAOはGPS妨害を行わないよう北朝鮮政府に警告した。

IMOは2016年11月、船舶の航行を脅かしたとして北朝鮮を非難した。

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