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イノベーションと輸出の促進を目指す日本の防衛研究開発センター

フェリックス・キム(Felix Kim)

日本における防衛技術イニシアチブは、2024年に待望の研究開発(R&D)センターが発足することによって後押しされるだろう。 このセンターは、米国国防高等研究計画局(DARPA)などの機関をモデルに、官民の専門知識を取り入れ、日本の防衛分野におけるイノベーションを促進するものである。

自動運転車両や無人運転車両などの技術開発で中心的な役割を果たすだけでなく、防衛輸出、同盟国やパートナー諸国との協力も促進できるとアナリストらは指摘する。

日経アジア誌が報じたところによると、同センターは2024年4月に約100人の職員の募集を終了し、そのうち約半数は民間企業や大学からの採用だという。 プロジェクトでは、人工知能(AI)と画像認識技術を利用して、完全な暗闇でも機能する自律走行車を開発することや、素粒子と電磁波を利用した潜水艦探知能力を開発することに重点が置かれる。 さらに、極超音速兵器の開発も優先事項となる可能性がある。

日本の2023年版防衛白書によると、この研究開発センターは、最先端の民間技術を統合し、戦争戦略を変革する画期的な装備を開発するために2021年に構想された。

「そこでDARPAのような機関が大きな役割を果たすことになる。それは、彼ら自身の専門知識や技術を活用して、こうした高度なシステムを構築したり、ただ創造性を発揮して現代の戦争に対する新たな解決策を考えたりすることができるからだ」とランド研究所の国防アナリスト、ジェフリー・ホーナング(Jeffrey Hornung)博士はFORUMに語った。

また、博士によると、同センターは日本の防衛産業に、従来のレガシーシステムをサポートしながらも、革新的なプロジェクトを提供することになるという。 このようなサポートは産業界にとって極めて重要であり、外国からの軍事調達への依存を減らし、防衛輸出の増加に拍車をかけることができると考えられている。

ホーナング博士によれば、日本の防衛計画担当者は最近、国際的な武器供給国としての韓国の台頭に感銘を受け、自国の産業が世界市場に進出することを望んでいると語ったという。

日本は最近、防衛輸出規則を改正し、外国のライセンスに基づき製造された防衛装備品一式の輸出を可能にしたばかりだ。 だが日本国憲法に則り、今回の政策変更では、国内で製造された武器を戦争状態にある国々に送ることは認められていない。

技術と自動化の台頭、そしてまだ構想段階にある、またはまだ実用化されていない兵器システムの普及に伴い、志を同じくする国々の企業や政府間の協力が不可欠となってくる。

「世間で言われているように、将来の戦争が複雑で困難なものになるのであれば、当然、最も親しい同盟国と協力したいと思うだろう」とホーナング博士は語った。

防衛白書は、同センターの立ち上げを、システム開発の加速の必要性と結び付けている。特にAIなどの変革技術を含む新興分野での戦略的に重要な装備品や技術のためのシステム開発が求められているのである。 この白書はまた、日本の離島防衛における超高速滑空弾の持つ可能性についても強調している。

極超音速兵器については、今後予定されている日米の防衛・外務大臣会合で議論される可能性が高いと、ホーナング博士は語っている。

「誰もそういう技術を持っていないということで、そこが最適な場所のようだ」と博士は言い、 「誰もそれを実際に把握しているわけではないし、創造的思考の余地は大いにある。 だからこそ、彼らはそこに注目しているようだ」と述べた。

フェリックス・キムは韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

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