オセアニア自由で開かれたインド太平洋/FOIP

自由で開かれたインド太平洋とEEZの保護に向けた長期的なシップライダー協定

FORUMスタッフ

多国間の漁業の監視および法執行における取り組みとして、インド太平洋地域で成功を収めているシップライダープログラムであるが、その起源は太平洋諸島フォーラム漁業庁が加盟国に相互執行協定の締結を勧告した1980年代後半にさかのぼる。

2024年初めにフィジー、パプアニューギニア、バヌアツの地元警察、漁業機関、その他の当局者と連携して、良好な海事ガバナンスの模範を示し、能力を強化し、違法、無報告、無規制の漁業と闘う米国沿岸警備隊のカッターハリエット・レーンの乗組員。
動画提供:チャーリー・タウトフェスト(CHARLY TAUTFEST)上級上等兵曹/タイ・ロバートソン(TY ROBERTSON)兵曹/米国沿岸警備隊

1993年、南太平洋地域における漁業監視および法執行における協力に関するニウエ条約が施行された。 太平洋島嶼国6か国の首席公使を務めた元米国外交官のリチャード・プルーエット(Richard Pruett)氏は、「本協定の第6条は、シップライダープログラムの基礎である」とジョージタウン大学のオーストラリア・ニュージーランド・太平洋研究センターに最近寄稿した

同条に基づき、参加国は補助協定を通じて、他の締約国が自国の領海および群島水域に漁業の監視および法執行活動の拡大を許可できる。

本シップライダープログラムは、地域の安定と安全を強化することを目的とした米インド太平洋軍の戦域安全保障協力イニシアチブの一環であり、

クック諸島と米国は、2008年にインド太平洋地域で最初のシップライダー事業を設立した。 米国沿岸警備隊は現在、インド太平洋12か国と二国間漁業法執行協定を締結している。 本協定により、各国の軍や海上法執行官は相手国の船舶に乗り込み、排他的経済水域(EEZ)を含むそれぞれの水域で法を執行し、 非合法な海洋活動、特に違法で、無報告・無規制で漁業を行っている疑いのある船舶を停止、検査、拘留することが認められている。

シップライダー協定は、広大なEEZを適切に保護するための海事要員や資産が不足している可能性のある小さな島嶼国にとって、特に価値のある協定である。

本協定のインド太平洋地域には、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、サモア、トンガ、ツバル、バヌアツも参加している。 ミクロネシア、パラオ、パプアニューギニア政府も、それぞれの法執行官が乗船しなくても、米国沿岸警備隊が自国の法律を執行できるよう、協定を拡大している。

「私たちは地域の安全保障パートナーとして協力しており、 自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを後押ししている」と、アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官が2023年5月、パプアニューギニアが協定を拡大した際に述べている。

シッププライダープログラムは最近、中国が中国国旗を掲げた漁船は他国のEEZ内での取り締まりを免除されていると虚偽の主張をしたことで、再び注目を集めている。 実際、国際法に準拠したシップライダー協定により、バヌアツ警察と米国沿岸警備隊は、バヌアツの漁業法に違反している中国漁船6隻を発見したと、3月にロイターが報じている。

「排他的経済水域の保護に協力するため、我々を乗船に招待するホスト国の要請に基づいてこれらの乗船を行っている」 と米国沿岸警備隊の少将である マイケル・デイ(Michael Day)氏は記者団に語り、さらに次のように述べた。 「自由で開かれたインド太平洋は、国際的なルールや規範、法律に従うことを前提としており、沿岸警備隊はすべての国際法を遵守しており、これらが合法的な乗船であることを嬉しく思っている」

ベナール通信の報道によると、米沿岸警備隊の巡視船ハリエット・レーン(Harriet Lane)が、2024年1月から3月にかけてシップライダー協定に基づいてパトロールを実施し、その結果28隻の船舶に乗船したという。

また、米国沿岸警備隊は、2024年2月下旬に、巡視船オリバー・ヘンリー(Oliver Henry)とキリバス警察海上部の要員が、「ブルーパシフィック作戦(Operation Blue Pacific)」の一環として、キリバスのEEZ内において中国籍の漁船2隻に乗り込み、中国および他国の漁船を監視したと発表した。 この監視において、違反は見つかっていない。

アメリカ海軍協会の報告によると、中国の遠洋艦隊は4,600隻で世界最大であり、毎年公海よりも遠くまで到達しているという。 また、専門家は、中国漁船が頻繁に他国のEEZを侵犯していると指摘している。

プルーエット氏によると、中国はシップライダープログラムが南シナ海における中国の恣意的で拡張的な領土主張を拒否しているフィリピンやベトナムにも拡大することを懸念しているという。

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