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オ ーストラリア、F-35艦隊の能力を強化し、インド太平洋地域の軍隊と提携

トム・アブケ(Tom Abke)

オーストラリアは、F-35戦闘機の整備インフラを拡充することで、戦闘機の性能と耐久性を向上させるとともに、提携国のF-35戦闘機に対しても、広大な空域での整備や訓練のために施設を開放している。

F-35ライトニングII(F-35 Lightning II)は、制空権、対地攻撃、偵察など複数の役割を果たすように設計された第5世代ステルス戦闘機だ。また、日本、シンガポール、米国を含むインド太平洋空軍でも使用されており、ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)がノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)とBAEシステムズ(BAE Systems)とともに設計・開発した。

2023年9月、武士道ガーディアン演習に参加するオーストラリア空軍パイロットがF-35Aライトニングで離陸し、小松基地で離着陸を行った。
動画提供:CPL.キーレン・ホワイトリー(KIEREN WHITELEY)伍長/オーストラリア国防省

オーストラリア政府と産業界のパートナーたちは、シドニー北部のハンターバレー地域にあるニューカッスル空港を、オーストラリア空軍(RAAF)のF-35と他軍のF-35の整備拠点として整備を進めている。オーストラリア国防省(通称「ディフェンス」)によると、この拡張には、インド太平洋で増え続けるF-35の機体を整備するため、ニューカッスルの整備ベイを13か所に増やすことも含まれているという。

このアップグレードはBAEオーストラリアが中心となって進められ、オーストラリア政府は約211億円(約1億4,000万ドル)を投資する。パット・コンロイ(Pat Conroy)国防産業相は、オーストラリアは「3,000機以上に達すると予想される世界のF-35機のメンテナンスと維持サービスの重要な貢献者」であり、ニューカッスルの拡張施設を「F-35の修理とメンテナンスのインド太平洋ハブ」と表現した。

国防省によると、協力的な「F-35グローバル・サポート・ソリューション・プログラム(F-35 Global Support Solution program)」の下、オーストラリアの修理施設は、機体、エンジン、倉庫保管サービスを含む地域サポートを提供する。

オーストラリア政府を拠点とするシンクタンク、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が2024年3月に発表した記事によると、日本の航空自衛隊のF-35戦闘機2機が2023年8月、航空自衛隊戦闘機の配備試験としてオーストラリアに到着した。修理や整備を受ける以外にも、航空自衛隊のF-35はオーストラリアの広大な空域でオーストラリア空軍と一緒に訓練を行う予定だ。8月の配備は、2022年に両国間で締結された円滑化協定の最初の適用となった。

オーストラリア戦略政策研究所は、「将来、日本のF-35とその乗組員がオーストラリアでの演習に参加することで、両国軍の共同作戦能力が促進されるだろう」とし、「日本のF-35部隊がオーストラリアでの多国間演習に参加する際には、志を同じくするインド太平洋諸国との共同作戦も行われることになるだろう」と述べた。

航空自衛隊の戦闘機は、三沢基地からグアムの米国アンダーセン空軍基地を経由して、オーストラリアのノーザンテリトリーにあるオーストラリア空軍ティンダル基地まで6,400kmを飛行し、飛行中に航空自衛隊の給油機から給油を受けた。

オーストラリア空軍はまた、保有している63機のF-35のレジリエンスを強化しており、間もなく72機に増加する見込みだ。オーストラリア国防省が2024年2月に発表したところによると、飛行士たちは、アビオニクス、油圧システム、推進システムなど、さまざまなF-35Aシステム用の部品や消耗品が入ったコンテナ「配備スペアパック」を組み立てている。

このスペアパックは、補給能力が確立されるまでの間、サプライチェーンの回復力と展開中の作戦準備に不可欠であり、「空軍がどのような場所やシナリオでもF-35Aの作戦を維持することを可能にする」とニュースリリースは述べている。

トム・アブケは、シンガポール発信のFORUM寄稿者。

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