インド太平洋の行方

インド太平洋の行方

 

読者の皆様

インド太平洋防衛フォーラムにようこそ。今号のテーマは
グローバルレジリエンスです。

インド太平洋地域の軍事・安全保障提携国は、権威主義政権や戦略的競争相手による脅威、自然災害や大量移民といった非伝統的な安全保障上の課題など、世界的な脅威に対抗するため、個々および集団的なレジリエンス(強靭性・回復力)を構築しています。

レジリエンスにはさまざまな形があります。本号の巻頭記事では、志を同じくする軍隊が、気候変動と潜在的な危険範囲がもたらす「存亡にかかわる脅威」に対して、どのように政府を挙げて備えを強化しているかを検証します。詳細な特集では、重要な鉱物の生産に大きく依存する世界的なグリーンエネルギー移行を可能にするために、国際協力と進化する持続可能性モデルがなぜ不可欠なのかを探ります。また、特に太平洋島嶼国(PICs)において、地域のレジリエンスを強化し、気候の影響から脆弱な国々を守るために、同盟国や提携国の軍隊や国がどのように協力しているかを紹介する記事もあります。米国国際開発庁(USAID)は2023年、サモアに対し、災害による混乱に耐える能力を強化するためのコミュニティ主導の取り組みに約2億2,000万円(150万ドル)を提供しました。今回の支援は、米国国際開発庁の「2022-27年太平洋島嶼国戦略的枠組み」の一環であり、太平洋島嶼国12か国におけるコミュニティのレジリエンス、民主的ガバナンス、経済成長を強化することを目的とした数十億ドル規模の官民イニシアチブです。

大規模なグローバル演習は、インド太平洋地域の軍隊がレジリエンスを築き、強固で永続的なパートナーシップを実証することを可能にします。本号の記事では、タイで実施されたコブラ・ゴールドやオーストラリアで実施されたタリスマン・セイバーといった多国間演習がもたらす安全保障上のメリットにも焦点を当てています。
こうした訓練は、合同部隊や多国籍軍が地域の安定、平和、繁栄に対する共通のコミットメントを強化する機会となっています。また、インド太平洋全域の同盟国や提携国との相互運用性の強化にもつながります。 

レジリエンスは抵抗力につながります。軍事政権がミャンマーの権力を掌握してから2年以上が経過した今、民間人を中心とする抵抗勢力連合は、その決意の強さを示しています。ダニエル・K・イノウエ・アジア太平洋安全保障研究所(Daniel K. Inouye Asia-Pacific Center)教授のミーミー・ウィン・バード(Miemie Winn Byrd)退役米国陸軍中佐は、民衆のレジリエンスが政権に対する転機に達することの意義について説明します。同氏は、抵抗勢力連合が国の支配権を完全に取り戻し、民主主義を復活させるためには、統一された司令体制とさらなる国際的支援が必要だと主張しています。

これらの記事が、インド太平洋諸国と軍隊にとってのレジリエンスの価値について、地域的な対話を促すことを願っています。読者の方々のコメントをお待ちしております。FORUM スタッフipdf@ipdefenseforum.com宛に皆様のご意見やご感想をお寄せください。

FORUMスタッフ

米インド太平洋軍司令官

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