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パシフィック・パートナーシップ24-1(Pacific Partnership 24-1)は先日、医療や歯科治療、土木工事、人道支援・災害救援(HADR)などを提供するパラオでの16日間の任務を完了した。
米国主導のパシフィック・パートナーシップは、2004年12月に東南アジアの一部に壊滅的な被害をもたらした津波に対応するために発足し、直接的な救援からパートナーシップの強化へと発展してきた。 このミッションは、インド太平洋地域最大の年次多国間人道支援・災害救援任務となっており、ホスト国や提携国と協力して相互運用性と災害対応能力を強化し、地域の安全保障と安定を高めている。
パラオでの任務には、オーストラリア、ドイツ、日本、英国、米国から、航空兵、沿岸警備隊員、水兵、兵士、自衛隊員が参加した。
「パシフィック・パートナーシップの基本的な目標は、現地の提携国と手を携えて、医療と受け入れ国の能力を構築することである」と任務を指揮した米国海軍ブライアン・クイン(Brian Quin) 大尉はニュースリリースで述べた。 大尉はさらに、「パラオの人々と我々の任務チームが短時間で成し遂げた仕事を誇りに思う」と語った。
この任務の主役はコロール沖に停泊したマーシー(USNS Mercy)号だ。 この病院船には、12の手術室、1,000床の患者用ベッド、放射線サービス、歯科クリニック、医療検査室、薬局、検眼施設、CTスキャン装置、酸素製造施設がある。 「アイランド・タイムズ(Island Times)」紙は、「無数のパラオの人々の希望の避難所となった、海に浮かぶ驚異の医療施設」と報じた。
2024年1月に任務が終了するまでの間、パシフィック・パートナーシップの要員は、検査、抜歯、フッ素治療を含む1,802件の歯科処置を行い、1,419件以上の処方眼鏡と1,442件以上のサングラスを配布したほか、マーシー号とコロールのベラウ国立病院で80件の手術を行った。
「これらの医療処置や支援、特に手術は、個人なら数百ドルから数十万ドルの費用がかかっただろう。 ほんとうにありがとう」とパラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア(Surangel Whipps Jr.)大統領府はフェイスブックに投稿した。
今回の任務は、人口約2万人の北太平洋の島国パラオへのパシフィック・パートナーシップ4度目の訪問で、医療ケア以外にもさまざまな活動が行われた。 ベラウ病院でのトレーニング・セッション、コロール州動物保護施設での獣医療、そして人道支援・災害救援ワークショップが行われた。
一方、米国海軍のシービーは、住民が新鮮な卵を食べられるように共同の鶏小屋を作った。 さらに、海洋科学技術者二名、海事法執行の専門家、渉外担当官を含む米国沿岸警備隊チームがパラオの4つの州を訪れ、パラオ州レンジャー、漁師、ボート乗組員と安全ワークショップを行った。 参加者には安全チェックリスト、ホイッスル、シグナルミラーが支給された。
日本陸上自衛隊、オーストラリア海軍、米国海軍の音楽隊を含む「米太平洋パートナーシップ・バンド(U.S. Pacific Partnership Band)」は、クリスマス・イブの演奏を含む7回のコミュニティ・コンサートを行った。
また、パシフィック・パートナーシップの要員は、住民との3対3トーナメントに先立ち、パラオ国立オリンピック委員会の屋外バスケットボール・コートの表面の塗装を行った。
「バスケットボールは、文化や言語の壁を越えた国際的なスポーツだ」と、パシフィック・パートナーシップ24-1の多国間作戦センター責任者、エリック・ツィマーマン(Eric Zimmermann) 上級上等兵曹はニュースリリースで述べた。 このイベントは、「船員と地元のパラオ人の間に永続的なつながりと友情を築く機会を作り出した」という。
パラオは、19回目を迎えるこのミッションにおける直近の訪問地となった。 パシフィック・パートナーシップ24-1は、マーシャル諸島、ミクロネシア、ソロモン諸島も訪問した。