トム・アブケ(Tom Abke)
2023年11月、東ティモール国防軍(F-FDTL)の女性隊員が、オーストラリア国防軍第1戦闘工兵連隊(1CER)の隊員とともに、オーストラリアのノーザン・テリトリーで訓練を受け、水上艇の安全プロトコルや模擬・実弾射撃技術などの能力を披露した。
「東ティモールのパートナーとの協力は非常に重要だ」と、第1戦闘工兵連隊司令官のダリエル・コープス(Darielle Corpuz)中尉はオーストラリア国防省のニュースリリースで述べ、 「オーストラリア国防軍と東ティモール国防軍の女性達にとって、スキルを共有し、自信をつけ、互いに力を与え合う絶好の機会だ」と語った。
訓練では、文化交流やオーストラリア国防軍北西機動部隊(North-West Mobile Force)による能力説明も行われた。 東ティモールの隊員は、オーストラリア国防軍の陸軍戦闘術プログラム(Army Combatives Program)に参加した。このプログラムでは、射撃技術を含む近接戦闘のための殺傷性と非殺傷性のスキルを学び、兵士が戦い、生き残るために必要な考え方を身につける助けとなる。
「この継続的な協力関係は、東ティモール国防軍の能力と専門性を強化する上で極めて重要だ」と、東ティモール国防軍11名のオーストラリア訪問に同行した在東ティモール・オーストラリア大使館のジェンマ・マルコム(Jemma Malcolm)国防担当官は述べた。
オーストラリアと東ティモールは2022年9月、海洋分野を中心に安全保障関係を強化する防衛協力協定に調印した。 オーストラリアはまた、2024年に東ティモールにガーディアン級哨戒艇2隻を供与し、運用・保守支援も行うことを約束している。
東ティモールは東ティモール島の東半分を占める人口150万人近くの国民からなる国家で、2002年に独立した。 ティモール海を挟んでノーザン・テリトリーの北西約600キロに位置する。
マルコム国防担当官は、東ティモール国防軍の開発において、オーストラリアの防衛協力プログラムが重要な役割を果たしていると述べた。 さらに、「このようなプログラムは、協力を促進するだけでなく、両国が共有する防衛目標へのコミットメントを強調するものだ」とニュースリリースで述べた。
11月の活動は、東ティモール国防軍ジェンダー開発プログラムの一環であり、女性軍人に見識と実地経験を提供するものだ。 東ティモール国防軍は、東ティモール女性が訓練に参加し、才能を開花させ、国の成長に貢献することを奨励している、と同軍ジェンダー部長のマルキータ・ダ・クーニャ(Marquita da Cunha) 中尉は言う。
タトリ(Tatoli)通信が報じたところによると、クーニャ中尉は2023年3月の国際女性デーを記念して、「女性兵士として、組織に奉仕し、家族のために働き、特に子供の世話をするためには、強力で効果的な時間管理をしなければならない」と述べ、 「家族からの支援もまた重要であり、陸軍組織と家族の両方に対してバランスの取れた任務を提供するために大いに必要だ。 あらゆる努力によって、女性兵士はキャリアにおいて大きな進歩を遂げることができる」と語った。
2023年7月には、オーストラリア国防軍のチームが東ティモールでジェンダー平和と安全保障に関する女性のためのウォーク活動に参加した。この活動は、リーダーシップ・スキルとジェンダーに関する議論を育むことを目的としている。
トム・アブケは、シンガポール発信のFORUM寄稿者。