パートナーシップ北東アジア

G7、中国にロシアに ウクライナでの戦争終結要求と台湾の地位尊重を求める

AP通信

先進7か国(G7)は、中国に対し、戦略的パートナーであるロシアにウクライナ戦争を終わらせるよう圧力をかけるよう促すとともに、領土問題を平和的に解決するよう呼びかけた。

G7首脳は、2023年5月に広島で開催されたサミットで発表した共同声明で、中国政府との「建設的で安定した関係」を求めていることを強調し、「中国と率直に関わり、我々の懸念を直接表明することの重要性を認識」していると表明した。

声明は、「中国に対し、ロシアが軍事的侵略を止め、直ちに、完全かつ無条件にウクライナから軍隊を撤退させるよう圧力をかけることを求める」とし、 さらに、「中国に対し、領土保全と国連憲章の「原則と目的」に基づく包括的、公正かつ永続的な平和を支持するよう促す」と述べている。

中国との協力は、その世界的な役割と経済規模から必要であるとし、気候変動、生物多様性、脆弱な国の債務と資金ニーズ、世界保健と経済安定などの課題に対して協力することを訴えた。

一方で、首脳陣は東シナ海と南シナ海の状況について「深刻な懸念」を表明した。 南シナ海では、中国は軍事的プレゼンスを拡大し、かつて一度も中国に属したことがない自治国台湾を自国の領土と主張し、武力による占有も辞さない姿勢を見せている。

G7首脳は「平和的解決」を呼びかけた。 声明は「南シナ海における中国の拡張的な海洋権益の主張には法的根拠がなく、この地域における中国の軍事化活動に反対する。

国際的な法治に則って成長する中国は、世界の関心事となるだろう」と述べている。

カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国で構成されるG7はまた、チベット、香港、新疆を含む中国の人権に懸念を表明することで一致した。 (写真: 2023年5月、広島で開催されたG7サミットに集まった7か国首脳)

この声明はまた、G7が中国のグローバルパワーとしての台頭を阻止しようとしているとの非難に異議を唱え、

「我々の政策アプローチは、中国に危害を加えようとするものではなく、中国の経済的進歩と発展を妨げようとするものでもない」と述べている。 そして、製造業のサプライチェーンを多様化し、戦略的に重要な鉱物やその他の資源への安定的なアクセスを確保するための取り組みは、世界第2位の経済大国である中国との貿易関係を解消することを目的とするものではないという共通認識を強調している。

また「我々は切り離しを進めたり、内向きになったりしているわけではないが、 同時に、経済の回復力にはリスクの回避と多様化が必要であることを認識している。 個々として、そして集団として、経済的活力に投資するための措置を講じる。 重要なサプライチェーンにおける過度な依存を減らしていく」と述べている。

そして、G7加盟国は「経済的強制」に立ち向かうことを誓い、「違法な技術移転やデータ開示などの悪質な行為に対抗する」と同時に「貿易や投資を不当に制限する」ことを避けると述べた。

中国外務省は声明で、G7が「中国を中傷して攻撃し、堂々と中国の内政に干渉しようとしている」と非難した。

一方、台湾はG7の支援に謝意を示している。

台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は記者会見で、「台湾は世界の民主主義国家や地域社会とともに立ち上がり、リスクの解消に協力する」とした上で、 「両国の問題は平和的な方法で解決されなければならないというのが、いまや世界中のコンセンサスだ。 戦争という選択肢はない」と述べた。

画像提供:APF/GETTY IMAGES

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