パートナーシップ東南アジア

フィリピン軍と米軍、日本を初オブザーバーとして迎え大規模なサラクニブ演習実施へ

FORUMスタッフ

フィリピン陸軍と米太平洋陸軍(USARPAC)が毎年行っている二国間訓練「サラクニブ」の2023年版に、日本が初めてオブザーバーとして参加する。

今年のサラクニブは規模も拡大し、2022年の2,200人の兵士に対し、3,000人がフィリピン軍と米軍から参加すると、ベナール・ニュースが2023年2月に報じた。

フィリピン陸軍司令官ロメオ・S・ブローナー・ジュニア(Romeo S. Brawner Jr.)中将は、2022年演習の終了時に、「フィリピン陸軍と米太平洋陸軍は、自由で開かれたインド太平洋を維持するという共通の目標を追求し、長年の二国関係を通じて結束を保ってきた」と述べ、共通のビジョンが、共に訓練を行うことで再び示されたと付け加えた。

ブローナー中将によると、志を同じくする他国がオブザーバーとして参加するフィリピンとアメリカの最大の軍事演習「バリカタン」のオブザーバープログラムの延長として、日本が招待されたという。 ブローナー中将は2023年3月、フィリピン・デイリー・インクワイヤラー(Philippine Daily Inquirer)紙に「陸上部隊としての相互運用性に役立つ」と語っている。

イロカノ語で「盾」を意味するサラクニブ演習は、戦術的相互運用性の開発を通じて、フィリピン軍と米軍の防衛態勢を強化することを目的としている。 「日本は、フィリピンと訪問軍地位協定を締結すれば、将来的にはより多くの部隊を派遣し、訓練に参加させることができる」とブローナー中将はインクワイヤラー紙に語った。 両国は先日、人道支援と災害対応に関する別の協定に署名し、このような協定の締結に一歩近づいたと、同紙は報じている。 当面、陸上自衛隊はサラクニブに「一握り」のオブザーバーを派遣する。 演習は3月中旬から4月上旬にかけて段階的に行われ、6月にも行われる予定だ。 (写真:2022年3月、フィリピン・サラクニブでのジャングル作戦訓練コースで、小川を渡る米国陸軍兵士とフィリピン陸軍兵士)

米国とその同盟国の二国間演習から多国間演習への拡大は、中国や北朝鮮のような地域主体による脅威や無責任な行動の増大に直面する国々が結束する中で、今後も続くと予想される傾向だとインクワイヤラー紙は報じている。

また、最近発表された協定に沿って、フィリピンと米国は、米国軍にさらに4つの軍事施設への立ち入りを許可し、軍事協力を加速している。 この計画は、米比同盟の強化、弾力性の向上、両国の統合軍事力の近代化の加速を目的とする「強化防衛協力協定」の一環だ。

サラクニブのような演習は、米国がフィリピンとのパートナーシップに価値を置き、両国の成功を確実にすることに注力していることを実証するものだと、米太平洋陸軍第25歩兵師団の司令官であるジョセフ・ライアン(Joseph Ryan)少将は、2022年のサラクニブ演習後に語っている。

米太平洋陸軍のニュースリリースによると、ライアン少将は「最も重要なのは、我々が、準備を整え、平和や戦争に関して米国がフィリピンの軍隊と並んで立ち、自由で開かれたインド太平洋を確保することを保証する、この永続的な条約に拘束されたパートナーシップにコミットしたことだ」とした上で、 「どこの誰であっても、そのコミットメントを疑ってはいけない。 それは鉄壁だ」と述べている。

 

画像提供: ダービ・コルソン(DARBI COLSON)特技兵/米国陸軍

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Back to top button