フェリックス・キム(Felix Kim)
北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)実験・配備の脅威により、朝鮮半島内外の緊張が高まる中、同盟国の韓国と米国は、北朝鮮による大量破壊兵器の使用に対抗する長年の取り組みを増強させている。
安全保障アナリストによると、韓国と米国は、北朝鮮やその他の地域主体による核兵器、生物兵器、化学兵器の使用に対応するための前例のない能力を有している。
韓国国防省の関連機関である韓国国防分析研究所の安全保障戦略センターのパク・ヨンハンPark Yong-han)准研究員は、韓国軍と米軍は、北朝鮮がミサイル発射実験やその他の妨害行為を行う中、エイブル・レスポンスを中心とした訓練を通じて、WMD脅威に対抗するための作戦計画を強化してきたと述べた。
「エイブル・レスポンスは最も代表的な訓練であり、韓国は米国軍と韓国政府内のさまざまな組織を含む多層的かつ具体的な訓練を行っている」とパク氏はFORUMに語った。
同氏はさらに、韓国と米国で行われる合同演習は、大量破壊兵器使用の探知から、韓国の化学・生物・放射線防護司令部と米国陸軍の第20化学・生物・放射線・核・爆発物司令部など専門部隊間の協力強化まで幅広い活動を含んでいると述べた。
この取り組みは軍にとどまらず、警察や消防、韓国疾病管理予防院など文民政府関係者にも及んでいる。 これらの組織が一体となって、被害地域の一時的な隔離や除染など、大量破壊兵器に関する事態に迅速に対応することができる。 韓国政府はまた、 大量破壊兵器関連事態に備えた訓練を毎年行っている。
ランド研究所で北東アジアの軍事問題を専門とするブルース・ベネット(Bruce Bennett)博士は、危機の際の政府の継続性を確保するため、同盟両国は平時の指導拠点から離れた場所に、指揮統制を維持するために必要な通信やその他の設備を備えた移動施設を強化・移転したと、FORUMに語っている。 また、ビジネスやその他の重要な民間活動の継続性を維持するための緊急時対応策も存在する。
同様に、大量破壊兵器の脅威が高まった際の軍事資産の分散も重要だ、とベネット博士は言う。
北朝鮮による国外での大量破壊兵器の使用に対する同盟国の共同軍事的対応は、即時で、ターゲットを絞った、圧倒的なものになるだろう。 (写真:2023年2月、韓国上空で行われた訓練で、米国空軍のB-1B爆撃機、F-16戦闘機と編隊飛行する韓国空軍のF-35A戦闘機)
最も重要なのは、反撃能力、特にミサイル防衛だとベネット博士は言う。 さらに、「可能な限り、核兵器であれ、化学兵器であれ、生物兵器であれ、北朝鮮のミサイルが地上に落下したり、武器が展開されないようにしたい」と述べ、 「だから、それを最初にするということだ」と締めくくった。
フェリックス・キムは韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。
画像提供: AP通信