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グアム島北部の海兵隊基地キャンプ・ブラズは、歴史に培われ、インド太平洋のパートナーシップによって強化されており、地域の安全保障と集団防衛において重要な役割を果たすと、米国軍指導者と地域の同盟国は2023年1月の再開・命名式で述べた。
「前向きで持続的なプレゼンスは、インド太平洋地域の安全保障と安定の鍵だ。 海兵隊キャンプ・ブラズ基地は、そのための重要な役割を担っている」と、海兵隊司令官のデビッド・H・バーガー(David H. Berger)大将は述べた。
マリアナ諸島の先住民として初めて海兵隊大将の地位を得たビセンテ・トマス・ガリード・ブラズ(Vicente Tomas Garrido Blaz)大将にちなんで名付けられたキャンプ・ブラズ(写真)は、過去70年間に建設された唯一の米国海兵隊基地であり、 日本との同盟関係、そしてグアムという領土に対する米国のコミットメントを示す証となっている。 2012年に日本政府と米国政府が合意した、沖縄から米海兵隊を移転させるための基地の一部として、この場所は選ばれた。 2020年10月、新型コロナウィルスのパンデミックにより規模を縮小した式典が行われ、基地の運営が始動した。
日本政府は、キャンプ・ブラズで進行中の建設に約393兆9,000億円(30億ドル)を拠出したと、1月の式典で木村次郎防衛大臣政務官(写真)は述べた。 「日米両政府はインド太平洋の平和と安定のために肩を並べて取り組んでいる」と述べ、海兵隊のグアム移転が太平洋の侵略を抑止する上で極めて重要であると指摘した。 木村防衛政務官はさらに、「二国間の成果が地域の平和と安定の礎となり、同盟がさらに深化することを期待している」と述べた。
米国海兵隊によると、米西戦争中の1898年に米国軍がグアムに上陸して以来、海兵隊はほぼ継続的にグアムに駐留している。 「グアムの未来は、より広範なインド太平洋の未来と不可分であり、海兵隊の成功は、グアムの人々の成功と不可分だ」と、1月に基地で開催された式典に参加した軍関係者、日米の関係者、ブラズ准将の子孫を前にルード・アフラグ・レオン・ゲレーロ(Lourdes Aflague Leon Guerrero)知事は述べ、 さらに「我々は島と海を一つにしている。 力を合わせることで、常に良くなり、常に強くなる」と語った。
米国海兵隊はキャンプ・ブラズの建設にあたり、保護対象の動植物やその生息地の保護など、環境と文化のスチュワードシップを最優先してる。 また、海兵隊は、島の史上最大の森林再生活動の一環として、キャンプ内の苗床で栽培された在来種の植物を増やし、400ヘクタールの森林強化プロジェクトに植林を提供したと述べている。
キャンプ・ブラズの海兵隊員は、2019年からグアム大学と提携し、外来植物の除去、森林生息地の復元、連邦政府保護種のマリアナ・エイトスポット・バタフライなどの動物個体数の回復に取り組んでいる。 環境回復の方法の中には、鳥やコウモリを使って、外来種の樹木の上に在来種のイチジクの種を撒くというものがある。 鳥やコウモリはイチジクの実を食べ、種を散布する。 イチジクの木は下に向かって成長し、最終的には外来種の宿主となる木を枯らしてしまうと、研究者のジム・マコンネル(Jim McConnell)氏は米国海兵隊に語っている。
文化資源チームは、建設予定地で数百本の在来種の樹木や植物を確認し、地元の芸術家や伝統医学の実践者に寄贈したと、海兵隊は報告している。
グアム州歴史保護局が重要視する地域では、考古学者が工事を監督し、注目すべき遺物が出土した場合は工事を中止する。 2020年に発見された埋葬地には500〜1000年前の墓が含まれており、現在はキャンプ・ブラズのサボナン・ファダン・メモリアルに保存されている。 このメモリアルは2023年1月にグアムの人々に奉献され、基地完成後は一般公開される予定だ。
献辞の中で、海兵隊太平洋施設司令官スティーブン・リゼウスキー(Stephen Liszewski)少将は、「国家の主要な戦闘組織であるという海兵隊の使命に忠実であるのと同様に、我々の管理下で文化的資源を保護し、保存するという義務に忠実であり続ける」と述べた。
画像提供:ギャレット・ジレスピー(GARRETT GILLESPIE)/米国海兵隊