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平和と民主化への希望が、ミャンマーの抵抗運動を鼓舞

FORUMスタッフ

ミャンマーのさまざまな抵抗勢力が、民主主義国家というビジョンを共有し、それに向けて前進している。 2年前にミャンマーを支配した残忍な武装勢力の反対派が結集し、国際的な非難に行動が伴えば、追放された民主的に選ばれた政府が勝利する可能性がある、と多くの観察筋が口を揃える。

反体制の国民統一政府(NUG)と数十年にわたって国中のさまざまな場所で領地を統治してきた数十の民族集団は、2021年2月1日の軍事クーデター以来、これまでの非武力的不服従から武装抵抗へと戦術を変え、前進している。 非合法政権に対する国際的な批判も高まっており、強い言葉だけでは足りないとの声もある。 (写真: 2021年10月、ミャンマーとタイの国境近くのカイン州のキャンプで訓練を行う、ミャンマーの与党軍事政権に反対する国民統一政府の武装部隊「人民防衛軍」のメンバーら)

タイとミャンマーのヤンゴンに拠点を置く非営利人権団体「政治囚支援協会(AAPP:Assistance Association for Political Prisoners)」によると、タッマドー(Tatmadaw)とも呼ばれる与党軍事政権は、2023年1月末時点で、子どもを含む民主活動家など一般市民を2,800人以上殺害し、17,500人近くを逮捕した。 2022年12月上旬のニューヨーク・タイムズ紙の報道では、140万人以上が避難民となり、多くがジャングルのキャンプで暮らしている。 殺害、拷問、レイプ、村への爆撃などの残虐行為が行われる中、2022年7月末に政権が著名な民主化運動家2人を含む4人の政敵を処刑したことで、国内の反対派の勢いが高まるとともに、世界的な非難を引き起こした。

アントニオ・グテーレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、2022年11月中旬にカンボジアのプノンペンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)会合で、「国際社会全体が失敗し、国連も国際社会の一部だ」とし、 「ミャンマーの政治、安全、人権、人道的状況は、ますます深刻化しつつある」と述べた。

国連安全保障理事会は2022年12月中旬、暴力の即時停止、民主的に選出された指導者アウン・サン・スーチー氏を含む政治犯の釈放、人道的アクセスを妨げないこと、女性と子どもの権利の擁護を求める決議を採択した。 ロシアと中国は、共に同軍事政権に武器を提供しており、投票を棄権した。

ミャンマーの人権に関する国連特別報告者トーマス・アンドリュース(Thomas Andrews)氏は声明の中で、「今こそ、ミャンマーの人々が最も必要としているもの、すなわち行動を取ることによって、ミャンマーの人々とともに立ち上がる意思を持つ国々の連合体を作るべき時であることは明らかだ」と述べている。

国際的な専門家からなる独立したグループ「ミャンマー特別諮問評議会」の創設メンバーのクリス・シドッティ(Chris Sidoti)氏は、ニュースリリースで、国際刑事裁判所(ICC)を含む国際社会は正義を実現するための措置を講じなければならないと述べている。 オランダのハーグに本拠を置くICCは、大量虐殺、戦争犯罪、人道に対する罪について調査・訴追している。

軍事政権の指導者ミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)は、2021年4月にASEANの「5項目合意」を支持したにもかかわらず、繰り返しその実施を遅らせている。 この合意は、暴力の即時停止、和平交渉、その他の条項を求めるものだ。

抵抗勢力の希望は、軍によって設立された統治機関である国家行政評議会(SAC)を機能不全に陥れるための国際的圧力に依存している部分もある。 抵抗勢力は、2023年8月に選挙を実施するというミン・アウン・フラインの約束を、クーデター後の流血を止めるという彼の約束と同じくらい当てにしていない。

そんな中で、軍事政権の統制が弱まりつつあることがうかがえる兆候が存在する。 士気の問題とともに、国家行政評議会は弾薬、武器、食糧、新人の確保に苦労していると、戦略国際問題研究所は2022年12月初旬に報告している。 一方、抵抗勢力は国家行政評議会の支配地域に進出していると、同シンクタンクは述べている。

ハワイのダニエル・イノウエ アジア太平洋安全保障研究センターのミャンマー専門家、ミーミー・ウィン・バード(Miemie Winn Byrd)博士は、「軍は崩壊しつつある」とFORUMに語っている。 「もはやプロの軍隊ではない。 行動規範もない」

兵士の離反、国際的な圧力、内部からの支持の高まりは、抵抗勢力に有利な非殺傷的な要因だと、最近タイとミャンマーの国境付近で離反者と難民を訪問したバードは言う。

ニューヨーク・タイムズ紙が2022年12月初めに報じたところによると、権利団体は世界的な武器禁輸と、政権による航空燃料の輸入と外国歳入取引の阻止を要求している。 国民統一政府は同月末、米国がミャンマー亡命政府との直接交渉を認める法案を可決し、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が軍事政権に対抗する勢力に非殺傷的支援を提供できるようになったことを歓迎した。

「我々は圧力をかけ続けなければならない。 それがこの紛争から抜け出す唯一の可能な方法だ」と、欧州連合の外交政策責任者ジョセップ・ボレル(Josep Borrell)氏は2022年12月中旬に「ディプロマット」誌に語っている。

画像提供:APF/GETTY IMAGES

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