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フィジー軍とニュージーランド軍が永続的なパートナーシップを再確認

ニュージーランド国防軍

新型コロナウイルス感染症による渡航制限の緩和を受けて、新兵、ミュージシャン、工場オペレーターの訓練から、ニュージーランド船舶へのフィジー人船員の配置まで、ニュージーランド国防軍(NZDF)は活動を再開し、フィジー共和国軍(RFMF)との長年のパートナーシップを再確認することが可能になった。

国境が再開された現在、フィジー軍の隊員は訓練のためにニュージーランドに渡航し、ニュージーランド軍はフィジー軍の訓練コースを支援するためにフィジーに複数の教官グループを派遣している。また、ニュージーランド軍と多国籍軍の演習のために、ニュージーランドから125人以上の要員がフィジーに向かった。

作戦や演習のためにニュージーランドから派遣される全軍の司令官であるジム・ギルモア(Jim Gilmour)准将は、フィジーとのこうした活動の再開は地域の安全保障を強化するものだとし、

「太平洋地域の安定と繁栄は、太平洋の近隣諸国と強固な個人的関係を維持し、指導者を育て、国民を訓練し、互いに学び合う機会を提供し、危機の際に共に行動できるようにし、国際ルールベースの秩序を支えることと直結している」と述べた。

ニュージーランド海軍のサラ・バムフィールド(Sarah Bamfield)中佐は、国防アドバイザーとしてフィジーに赴任し、太平洋諸国の関係強化に貢献している。スバのニュージーランド高等弁務官事務所を拠点に、バムフィールド中佐は両軍間、およびニュージーランド国防省とフィジー国防・国家安全保障・警察省間の調整を担当している。

同中佐は「パンデミックによる数年の困難な時期を経て、フィジーとの防衛協力関係は、COVID以前のレベルまで回復している」とし、「国境や健康上の制約が変化する中、困難がなかったわけではないが、2022年に達成できたエンゲージメントの幅と規模は驚異的だ。人と人とのつながりは、常に我々の活動の中心にある。だからこそ、我々全員が再び一緒に旅をし、仕事をすることができるようになった今、従来の関係が再燃し、新しい関係が生まれるのは素晴らしいことだ」と語った。

フィジーでの最大の任務のひとつは、ニュージーランド士官候補生学校の訓練活動である「ヴェイリウタキ(Veiliutaki)」演習だ。ニュージーランド軍隊員90名、フィジー軍隊員72名、トンガとフィジーの学生がジャングルとバトルクラフトを組み合わせた総合訓練を行い、士官候補生は最小限の装備と食料のないジャングルでのサバイバルなど、指揮・リーダーシップ能力を評価される。

イリモタマ・ラカボノ(Ilimotama Rakavono)は、ニュージーランド士官候補生学校のコースに所属するフィジー人学生2名のうちの1人で、このヴェイリウタキ演習に参加した。タイレブ出身の彼は、フィジー軍に入り、経験と訓練を深めるためにニュージーランドによる委託コースに登録した。フィジーに家族を残してくるのは大変なことだったが、子どもの頃からニュージーランドに行きたいと願っていた彼は、コースを心待ちにしていた。

彼は「誰もがこのような機会を得られるわけではないため、知識を得てフィジーに戻れることは良いことだと思う」と語った。

2022年9月の「カートウィール(Cartwheel)」演習では、ニュージーランド陸軍が約30年ぶりに81mm迫撃砲の実演を行った。フィジーと米国が主導したこの戦術的野戦訓練は、フィジーのナウソリ高地で行われ、オーストラリア国防軍、英国陸軍、ニュージーランド軍、フィジー軍、米国太平洋陸軍の要員が参加した。また、ニュージーランド軍の隊員は、持続射撃機関銃、セクション攻撃・奇襲攻撃、敵の間接射撃への対応、倫理的判断のシナリオを実演した。(写真:2022年9月にフィジーで行われたカートウィール演習に参加するニュージーランド軍とフィジー軍の隊員たち)

2022年、ニュージーランド海軍の艦船「マナワヌイ(HMNZS Manawanui)」がフィジーに2回入港し、ニュージーランドへ戻る際に6名のフィジー人船員を受け入れたほか、艦船「マタタウナ(HMNZS Matataua)」がフィジー共和国海軍水路局と共同でヌクラウ航路の水路調査を実施した。8月には、艦船「ウェリントン(HMNZS Wellingtonは)」が海上警備パトロールを行い、フィジーの漁業担当者を乗船させ、「マヒ・タヒ作戦(Operation Mahi Tahi)」の一環として、違法・無報告・無規制の漁業を監視した。一方、ニュージーランド空軍は、フィジーの排他的経済水域内外で、捜索救助支援と海上認識を継続した。

また、ニュージーランド軍は10月にオークランドで第1回女子インターナショナル・ディフェンス・ラグビー・チャンピオンシップを開催し、フィジー軍チームは銅メダルを獲得している。この大会には、オーストラリア、フランス、トンガ、イギリス、そしてパプアニューギニアとバヌアツの合同チームが参加した。

ニュージーランド軍の隊員は、2023年初旬に「トロピック・アストラ(Tropic Astra)」演習や、マヒ・タヒ作戦やその他の太平洋地域の近隣諸国との活動のために再びフィジーを訪れる予定だ。

 

画像提供:ニュージーランド国防軍

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