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マラバール海事演習で「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を強調

FORUMスタッフ

オーストラリア、インド、日本、米国の海軍による軍事演習「マラバール2022(Malabar 2022)」が11月8日より、東京のすぐ南に位置する横須賀沖で始まる。 11月18日まで開催されるこの演習は、相互運用性と参加者間の親睦向上を目指すものだ。

ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)紙によると、この多国間演習では、米国海軍の空母USSロナルド・レーガンが主導する対潜水艦スキル、迅速展開、監視および戦力投射の訓練が行われる。

インド軍とアメリカ軍は、1992年にインド南西沖で最初のマラバール演習を行った。 その後、現在は永続的メンバーであるオーストラリアと日本が参加するようになり、フィリピン海、ベンガル湾、アラビア海などの場所で演習が行われてきた。

日本が主催するこのマラバール2022には、自由で開かれたインド太平洋を確保するために定期的に訓練演習を実施している日米豪印戦略対話(クアッド)の加盟国の軍隊が参加する。 日本の海上自衛隊とインド海軍は、2022年7月にマレー半島沖のアンダマン海で海上演習を実施した。 インドは2022年8月と9月にオーストラリア空軍が主催する「ピッチブラック(Pitch Black)」演習に参加し、2022年6月下旬から8月上旬にかけては米国が2年ごとに主催する最大規模の国際海上演習「リムパック(RIMPAC)2022」に参加した。

米国インド太平洋司令部によると、オーストラリア、インド、日本、米国の海軍はインド太平洋地域で日常的に協力して、「地域の安全と安定に向けた協力的なアプローチを促進」している。

(写真: 2021年のマラバール演習でベンガル湾を通過するオーストラリア、インド、日本、米国の海軍)

クアッド諸国の共同利益を裏打ちしているのは、北朝鮮と中華人民共和国に対する懸念の高まりだ。 中国軍とインド軍との間で現在も続き、時には死傷者が出ている国境紛争、中国共産党によるオーストラリアに対する内政干渉の試み、中国海警局と漁船が東シナ海の日本の排他的経済水域に恒常的に存在していること、北朝鮮による核挑発と核兵器の放棄の拒否などの問題が存在している。

オーストラリアのシドニー大学にある米国研究センター責任者のマイケル・グリーン(Michael Green)氏によると、この地域の民主主義国のグループ(クアッドと、オーストラリア、英国、米国のAUKUS協定)は北朝鮮と中国に対する強力なシグナルを発している。 2022年10月、グリーン氏は東京の戦略国際問題研究所/日経シンポジウム(Center for Strategic and International Studies/Nikkei Symposium)でパネルディスカッションを行った際に、「クアッドとAUKUSは、地域の秩序と安全保障への課題が高まれば、政府が同盟間のつながりを持ち、より協力する意欲を持つということを教えてくれている」と述べた。 さらに、「これは(中国にとって)重要な懸念材料だと思う。中国の強硬的な姿勢なしには、AUKUSとクアッドは不可能だったからだ」と語った。 この地域の摩擦は、世界最大の軍事力を持つ国々を巻き込んでいる。2022年4月に報告されたマーケットデータウェブサイト「スタティスタ(Statista)」によると、米国は軍事費で第1位、中国は第2位、インドは第3位、イギリスは第4位、日本は第9位、オーストラリアは第12位である。 中国政府が学ぶべきことは「我々を押せば押すほど、我々は集団安全保障に向かう」ということだ、とグリーン氏は述べた。

画像提供:ジャスティン・スタック(JUSTIN STACK)兵曹/米国海軍

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