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日本の新防衛大臣が「自由で開かれたインド太平洋」への取り組みを再確認

フェリックス・キム(Felix Kim)

日本の新防衛相が、東南アジア諸国連合(ASEAN)、太平洋諸島諸国、欧米との外交を通じて自由で開かれたインド太平洋を推進する政府の姿勢を再確認した。

2022年8月に行われた就任後初の記者会見で、浜田靖一(写真)防衛相は、日米同盟を基軸として、宇宙・サイバー空間・先進技術交流における防衛協力を拡大すると述べた。

2008~09年に当時の麻生太郎政権で防衛大臣を務めた浜田氏が、北朝鮮、中国、ロシアの脅威が高まる中、国際社会が新たな危機の時代に突入したと述べたことを、2022年8月にジャパンタイムズ紙が報じた。

同紙によると、浜田防衛相は「国際社会全体が前回の戦争が終わって以来、最も困難な時期を迎えている。既存の秩序が深刻な挑戦に直面している」と述べている。

防衛省(MOD)によると、特に海上・空域における国際法の維持と、諜報・監視・偵察・捜索・救助におけるASEANの能力の支援は、ASEANとの防衛協力の指針である日本のビエンチャン・ビジョン(Vientiane Vision)の中心的要素となっている。 2016年にラオスで開催された第2回ASEAN・日本国防相非公式会合で発表されたこのビジョンは、地域の平和と繁栄を促進し、複雑化・多様化する安全保障問題に対処するための協力の枠組みを概説している。

2021年9月から2022年6月にかけて、日本政府はフィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムと防衛協定を締結した。 また、日本とシンガポールは、防衛技術、化学的・生物学的・放射能的・爆発的脅威、戦略的通信、海上安全保障に関連する防衛交流を増やすことで合意している。

一方、日本とベトナムは2021年9月に防衛装備品と技術の相互移転に関する協定を締結し、2022年5月に日本はタイと同様の協定を締結した。

2022年4月、日本政府とフィリピン政府による第一回外交・防衛閣僚会合(2+2 )では、 共同能力構築による防衛関係の強化、対等な港湾訪問、防衛装備と技術の移転の増加を含む、多くの決議に達した。

この枠組みに沿って、防衛相は南シナ海での紛争のリスクを低減するために海上行動規範を確定することの重要性を強調している。 また、気候変動をテーマにしたセミナーと、防衛当局向けのサイバーセキュリティ研修プログラムの、2つの共同イニシアチブの実施をASEANと共に発表した。 2021年2月のクーデター以来、軍が支配してきたミャンマーでの暴力の終結を求める姿勢においても、日本とASEANの足並みは揃っている。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

 

画像提供:ロイター通信

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