デジタル の 自由を勝ち取る

デジタル の 自由を勝ち取る

民主主義的支配と権威主義的支配の戦いを支える 情報技術エコシステムの覇権争い

FORUM スタッフ

2021年7月、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、政府が食糧や医薬品などの必需品を提供しないことに抗議する数千人のキューバ人が街に溢れた。共産党政権は数日のうちに国内のインターネットと電話通信を遮断し、広範な不満が外部に伝わるのを数日間ブロックした。キューバは、中国共産党の国民統制の手法を借用しただけでなく、キューバの通信インフラを構築した中国の技術と企業がこの種の検閲を可能にした。

主要な安全保障関連のシンクタンクによると、キューバなどの抑圧的な政権は国内外の人々を操り、その権威主義的な統治形態を促進するために国内の監視や検閲を行うことができるデジタルツールを提供する中国にますます期待を寄せている。

新疆ウイグル自治区で少数民族を統制するために最も顕著に用いられた中国政府のハイテク弾圧の要素は、中国の他の地域にも設置され、アフリカ、ラテンアメリカ、東ヨーロッパ、東南アジアの数十ヵ国に輸出されていることが報告書で詳細に述べられている。2019年のカーネギー国際平和基金(Carnegie Endowment for International Peace)の報告書によると、少なくとも50ヵ国が中国企業ファーウェイ(Huawei)の提供する技術に支えられた監視システムを開発しているという。

2021年7月12日、キューバのハバナで行われた大規模な 反政府デモ発生後に街を歩く機動隊。AFP/GETTY IMAGES

アリーナ・ボリアコヴァ(Alina Polyakova)博士とクリス・メセロール(Chris Meserole)博士は、2019年のブルッキングス研究所の報告書『Exporting Digital Authoritarianism: The Chinese and Russian Models(仮 訳:デジタル権威主義の輸出:中国とロシアのモデル)』の中で、ロシアの比較的ローテクな偽情報ツールは国内の反対勢力を抑圧し、海外の民主主義国の内紛を煽るために数十ヵ国に輸出されていると述べている。

エロール・イエボク(Erol Yayboke)氏とサム・ブラネン(Sam Brannen)氏が戦略国際問題研究所(CSIS)の2020年の報告書『Promote and Build: A Strategic Approach to Digital Authoritarianism(促進と構築:

デジタル権威主義への戦略的アプローチ)』で指摘するように、セルビアやウガンダのような民主主義国家や穏健な政府でさえ、これらの長期的な使用による影響にも関わらず、約束された制御力に惹かれている。

報告書が出てからその傾向はますます加速している。現在CSISの脆弱性とモビリティに関するプロジェクトのディレクターを務めるイエボク氏はFORUMに対して、「権威主義体制の国は、国民を抑圧するためにデジタル手段を行使し続け、しばしば新型コロナウイルスのパンデミックを口実にさらに厳しい管理を実施している」と述べた。「例えば位置情報やウイルス検査のデータは、公衆衛生上の理由から収集されているが、政府が国民をより密接に監視するための手段としても利用できる。しかし、私が最も懸念するのは表向きは非権威主義を掲げる国々にこうした傾向が現れていることだ。特に、データローカライゼーションというツールは、『プライバシー』や『国家安全保障』を口実により頻繁に使われるようになっている」

これらの技術を利用する動機はさまざまだが、「多くの場合、民主主義国や部分的民主主義国は最も安価で、時には利用可能な唯一の技術であるため、これらの技術(その多くは中国やロシアなどに由来する)に目を向けている」また、特にパンデミック時には、市民についてより多くの情報を集めるこが重要だと感じる人もおり、さらには、こうした管理強化策は緊急時に実施される一時的なものだと自分自身を納得させることさえあるだろう」とイエボク氏は述べている。「この種の管理の強化は、たとえ本来は短期的で非操作的な理由であったとしてもリーダーにとっては手放しがたいものであることを歴史は示している」

デジタル権威主義の広がりに対抗するため、同盟国、提携国、志を同じくする国々が協力して、デジタルガバナンスの競争的民主主義モデルを打ち出すために協力しなければならないというのが専門家の意見である。ブルッキングス研究所人工知能・新興技術研究副部長のメセロール氏と、現在欧州政策分析センター(Center for European Policy Analysis)会長兼最高経営責任者のポリアコヴァ氏は、システムはセキュリティを強化
しつつも市民の自由と人権を保護し、確立された行動規範のもとに導入する必要があると主張した。

2021年7月12日、キューバのハバナで数千人のデモ隊が 「独裁政権を倒せ」と叫びながら街頭に出た翌日に国家議事堂を通過する車。AFP/GETTY IMAGES

軍隊はデジタル民主主義の確立と保護において重要な役割を果たすことができると他の専門家は主張しているが、一部の国はデジタル権威主義を永続させるために軍隊を配備している。専門家は、情報の操作と管理に関する国民の意識を高めることも解決策の重要な要素であると考えている。

「民主主義国は、21世紀を支配するデジタルガバナンスモデルをめぐる地政学的な戦いの中にいることを認識しなければならない」と、2020年9月に非政府組織(NGO)のフリーダムハウス(Freedom House)、CSIS、アリゾナ州立大学マケイン国際リーダーシップ研究所が設立した米国の民主主義と権威主義に対抗するための戦略に関するタスクフォース(Task Force on U.S. Strategy to Support Democracy and Counter Authoritarianism)による2021年6月の報告書を結論づけた。

台湾の事例

例えば、台湾は議会改革の目標に基づいてデジタル民主主義の先進的なモデルを構築している。2021年7月、オンライン雑誌『ザ・ディプロマット(The Diplomat)』の報道では、そのモデルは透明性、開放性、参加、デジタル化、識字率向上を促進するために新技術の活用に努めている。

Ttcatとしても知られるミンシュアン・ウー(Min Hsuan Wu)氏は、デジタル民主主義はシビックテック、つまりテクノロジーを使って民主主義を作り出し、市民に投票権を与えることで成立すると、同誌に説明している。彼は民主主義に対する脅威を研究し、それに対抗する方法を考案するために2019年にダブルシンク・ラボ(Doublethink Labs)という組織をを共同で設立した。一方、デジタル権威主義は、監視、スパイ、サイバー攻撃、検閲、社会的または選挙的操作といった抑圧や破壊のためのツールや、デジタルインフラ、インターネットサービスシステムの制御、データローカライゼーションを可能にする技術などの戦略的競争のためのツールまで、さまざまなツールに依存しているとイエボク氏は指摘する。

オードリー・タン(Audrey Tang)台湾デジタル大臣は、「北京が社会信用システムや国家検閲などのデジタルツールを使う一方で、台湾では社会部門が積極的にデジタルインフラを作り、日常的に市民が政策改革について提案したり意見を述べたりできるようにしている」とザ・ディプロマット誌に語った。「デジタル民主主義における透明性とは、国家の透明性を国民へ高めることであり、デジタル権威主義のもとでの「透明性」の意味とは、国家が国民を監視しやすくすることだ」。

台湾政府を改革するための教訓と開発された技術は、他の民主主義国家にも容易に転用することができる。
イエボク氏は、どの新興モデルも完璧ではないが、デンマークとエストニアも他国と共有することが可能なデジタル民主主義の良いモデルを構築していると述べた。

「中国にとって唯一確かであろうことは、彼らが長年にわたり行ってきたプロパガンダのシナリオ(民主主義はアジアに向いていない)が、台湾の進歩によって魅力的ではなくなったということだ」とTtcatは同紙に語っている。

中国西部の新疆ウイグル自治区のカシュガルで警備員を見守る住民たち。当局は、ウイグル人やこの地域の他のイスラム教徒の少数民族に対し拘置所とデータに基づく監視を利用し、警察国家を強制している。AP通信

民主主義の擁護

競争モデルとともに、制裁措置や輸出規制など、デジタル権威主義を可能にする技術の供給を制限するアプローチも、こうしたシステムの展開を抑制するのに役立つと、複数のシンクタンクの報告書は示唆している。しかし、監視経済が成熟していることもあり問題は複雑である。中国は監視システムの最大の供給国だが、フランス、イスラエル、ロシア、イギリス、アメリカなどの国も人口規模のコントロールを容易にするために使用できる高度な技術を供給していると、メセロール氏とポリアコヴァ氏は指摘する。

ブルッキングスの報告書が述べているように、米国や多くの欧州諸国は、主に欧米諸国で生産され続けている大量監視システムを実現する高度なプロセッサーやセンサーの輸出を制限する措置を講じている。例えば、ドナルド・トランプ米大統領(当時)政権は2020年5月にファーウェイへのグローバルチップ供給をブロックし、同社の事業拡大を阻害したとロイターは報じている。報道では、中国の半導体自給率向上はほとんど上がらず、半導体プロジェクトに対する多額の補助金も成果をあげられなかったこともあり、こうした措置が大衆監視システムの普及を遅らせている可能性があるという。2021年5月の日経アジアサイトの記事では、2025年の中国の半導体自給率は19.4%にとどまる見通しであることが報じられた。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、この問題を浮き彫りにしただけでなく、欧米やインド太平洋地域の企業の間で中国企業との技術協力に関連するデータセキュリティやプライバシーリスクへの懸念を高め、欧州、北米、その他の地域は、中国へのサプライチェーン依存を減らすためのスケジュールを加速させた。例えば、インドは2021年1月に59個の中国製アプリを国内市場から追放したと報道機関は報じている。しかし、パンデミックが起こるずっと前から、オーストラリアを含む多くの国がすでにファーウェイによる5Gネットワークの供給をブロックしている。

米国は、デジタル権威主義に対抗するため経済的制限を課すだけでなく、米中経済の切り離しを図る取り組みを通じて競争力を高める複数のイニシアチブを開始した。米国の国防高等研究計画局(DARPA)はデジタル権威主義の理解を深めるため、人工知能(AI)研究に資金を提供しており、オンラインでの誤報やディープフェイクの検出から情報操作キャンペーンの分析まで、さまざまなプロジェクトが行われている。議員たちは、マイクロエレクトロニクス生産を刷新し、米国の技術競争力を強化するためのいくつかのイニシアチブを推進している。2020年3月、中国などの権威主義的政府の新興技術への影響に対抗するため、米国上院に米国国務省の新たな事務所を中心とした国際的なパートナーシップを構築する法案が提出された。国防高等研究計画局は、彼らの目標に沿って国際的な技術基準を設定するための道筋を作る。

サイバー政策担当米国国防次官補であるミーケ・エオヤン(Mieke Eoyang)氏は、デジタル権威主義に対抗するためには協力することが重要だと述べた。エオヤン氏はNextgov.comに、「同盟国が自国の技術の購入を検討しているときは、必ず代替案を提供し、同盟・提携国がそのような技術購入を決めた際には、発生する可能性のあるリスクや脆弱性を共有するためのより良い対策を講じる必要がある」と語った。

ワシントンD.C.に本拠を置く独立系政策シンクタンクの情報技術・イノベーション財団(ITIF)は、2021年6月中旬に米国が中国にも対抗できる国家技術戦略を推進する独立機関を設立するよう求める報告書を発表した。提案された産業技術総合研究所(National Advanced Industry and Technology Agency)は、年間80億ドル(約9,785億円)以上のアメリカ国立科学財団と同等の予算を持ち、5つの部門(データと分析、先端産業、新興技術、イノベーションシステム、機関横断的および政府横断的な連携)を有する。

ITIF会長で報告書の著者であるロバート・アトキンソン(Robert Atkinson)氏は2021年6月の声明で、「中国に対抗するために議会と政権がとるべき手段は数多くあるが、今までの流れを完全に変える最良の方法は、集中した使命と十分な資源を持ち、先端技術産業の競争力を強化する専門機関を設立することだろう」と述べた。

また、デジタル権威主義に対抗するためには、民主主義を強化することが重要であると主張する人もいる。米国のような先進民主主義国は、選挙への外国の介入を排除し、自由で公正な選挙を支援し、平和的な権力移行を約束し、誤った情報や陰謀論の拡散を制限することで国内機関への信頼を強化する必要があると、イエボク氏とブラナン氏は戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書で主張している。

2021年6月のフリーダムハウス主導のタスクフォースによる報告書はさらに踏み込んだ内容になっており、次のことを推奨している。「米国は『民主主義外交』を受け入れ、民主主義と権威主義への対抗を米国の外交関与の優先事項とするべきである。その優先順位は、権威主義の脅威に対抗し、民主的な統治を強化するための国際的な連合を促進することが含まれるべきである。政府、市民社会組織、大学、民間企業、市民が連携・連帯して、共にこれらの課題に立ち向かうことが基本的なアプローチである」。2021年12月に開催されたジョー・バイデン米大統領による「民主主義のためのサミット」は、まさにそのための理想的な機会を提供したとタスクフォースは指摘している。

また、同盟・提携国は海外で民主主義や人権の原則を推進し、オンラインでの自由な表現と安全なコミュニケーションを促進する必要があると、メセロール氏とポリアコヴァ氏は提言し、「民主主義社会における外国の影響力に対する抵抗力を高めるために、各国政府は情報操作に関する国民の意識を高めるために投資すべきである」と記している。「これには、青少年のデジタルに対する批判的思考能力を育成する教育プログラムへの資金提供も含まれるべきである」。

軍隊の役割

しかし、国防高等研究計画局(DARPA)のプログラムマネージャーであるジョシュア・バロン(Joshua Baron)氏は、国防総省の指導者やセキュリティ専門家は他の政府が行動するのを待つべきではないとFORUMに語った。同氏は、「デジタル権威主義の概念は、外交政策サークル内だけの問題ではなく、国家安全保障サークル内の問題でもある」と述べている。

デジタル権威主義を可能にする技術は、そのような環境での活動を同盟国や提携軍にとってより困難なものにしている。例えば、リアルタイムの監視やインターネットの遮断を容易にするツールは、運用上のセキュリティを弱める可能性があると同氏は指摘する。「米国防総省がインターネット上で行う操作の全てにおいて、デジタルフットプリントが残る。各国がその環境をコントロールする能力を高めれば、我々にも影響が及ぶだろう」

例えば、人口規模の監視技術に多額の投資をしている国は、防衛共同体が歴史的にそれを武器と見なしてこなかったことから、米国の同盟・提携国に影響を与えるために使用することが有利になる可能性があるとバロン氏は述べている。2021年6月にDefenseOne.comの記事でデジタル権威主義に関連するその他のツールについて、「修正主義政権に対する国民の支持を強化し、米国の聴衆に対して同様の活動を行うことを奨励するような、国内の影響力と統制力のある作戦を可能にする」と説明した。

国防高等研究計画局(DARPA)は、軍と市民が現場で実際に起きている真実を理解するのを助けることによって、そうした能力に対抗するツールを作成するためのいくつかのプログラムに資金を提供していると、バロン氏はFORUMに語っている。例えば、紛争環境下での攻撃に強いモバイル通信ネットワークの開発を進めている。RACE(Resilient Anonymous Communication for Everyone 仮訳:一般向けで回復力のある匿名通信)と呼ばれるこのプロジェクトは暗号化とプロトコル埋め込み戦略によって、大規模な敵の攻撃からユーザーを回避することを可能にすると、プログラムを監督する同氏は述べている。また、RACE技術はDoS攻撃を軽減し、プライバシーを保護することも可能だ。

DARPAはまた、MICE(Measuring Information Control Environment 仮訳:情報統制環境の測定)と呼ばれるプログラムを立ち上げ、権威主義政権が検閲、ブロッキング、スロットリングを通じてインターネット上で大規模に国民を抑圧する方法を測定するAI技術を開発していると同氏は述べている。DARPAによると、「MICEが開発した技術は、各国がどのように国内情報統制を行っているかを包括的かつリアルタイムに把握するために継続的に自動的に更新され、理解しやすいダッシュボードに継続的かつ自動的に更新また反映される」という。

監視、検閲、ハッキング能力による国家や軍隊の安全保障上のリスクは増大し続けている。例えば、一部の政府はデジタル権威主義の延長として、民主主義と人権を制限するためにデータローカライゼーション政策を採用している。「国境を越えたデータ流出に対する規制強化は、新たな懸念材料だ」とイエボク氏はFORUMは語った。同氏は2021年7月のCSIS方針説明会で、データを領土化することで、政府は表現の自由、プライバシー、人権に対する弾圧をより効果的に実行できると説明した。

「多くの場合、こうしたデータローカライゼーションは、個人のプライバシーやセキュリティを『保護する』という名目で実行されるが、真逆の結果になることがよくある。Googleマップの検索からInstagramの「いいね」、TikTokの投稿までの市民のデータがローカルサーバーに保存されるようになると、政府はこれらのデータを使い民衆をより強く支配する機会を得ることになる。バングラデシュから中国、ロシアやその他の国で、この操作は現代のデジタル監視と検閲国家を強化また充実させる」とイエボク氏は「The Real National Security Concerns over Data Localization(仮訳:データローカライゼーションにおける実際の国家安全保障上の
懸念)」と題した報告書の中で記している。

また、データローカライゼーションは国境を越えたアクセスを遮断することで軍事、法執行機関、情報機関、その他のセキュリティ専門家間のコラボレーションを制限する可能性がある。「ソーシャルメディアによる情報操作や不正な金融活動などのグレーゾーン戦術をローカライゼーション要件の対象となるプラットフォーム上で実行する行為者に事実上安全な避難所を提供することになり、ターゲットとなる国々がこれらの犯罪と戦い、調査し、場合によっては関連する犯罪の加害者を起訴する能力を制限する」と同氏は記している。

「米国の友好国や同盟国がより厳しいデータのローカライズ要件を採用すれば、すでに煩雑で時代遅れの相互司法援助条約システムがさらに複雑化し、国境を越えて流出したデータに関わる事件の増加で法執行の障壁が高まる可能性がある。これは現在の情報共有ルートや企業の報告義務を弱め、情報収集の方法や犯罪捜査に影響を与えることになる」

デジタル戦略の必要性

このような活動が盛んになるにつれ、統一的なデジタル戦略の必要性がより高まり、これは同じ考えを持つ国々の間で原則に基づいたアプローチの基礎を形成するものであると専門家は考える。「要するに、デジタル権威主義のツールは制御と操作に力を発揮する。例えば、選挙で有利になるように巧妙に表現された虚偽の情報を利用した偽情報キャンペーンなど、国内外の悪質な行為者が民主主義の原則と根本的に食い違う方法で利用できる」と同氏はFORUMに語った。「しかし、こうした行為者の多くは、実際の直接的な操作ではなく選挙、市民社会団体、独立した専門家などの民主主義制度に不信感を植え付けることを基本的な目標としている。この点でデジタル権威主義のツールは他に類を見ないほど有効である」

これらの理由から米国とその同盟・提携国は中国の技術とロシアの戦術よりもデジタル統治と監視の選択肢を提供する必要があると専門家は認めている。同盟・提携国は、プライバシーを提供しインターネットの自由を保証し、影響力のあるキャンペーンに対抗するツールを開発する必要がある。志を同じくする国々は、メセロール氏とポリアコヴァ氏が提言したように、テック企業や非政府組織と協力して個人データの管理に関する行動規範を策定し、プラットフォーム間で共通基準を確立し、ソーシャルメディア操作に対処する必要がある。

各国は両氏が提唱したように、多国間連合の構築を含むデジタル権威主義に対抗するための研究戦略と政府全体のアプローチを共同で開発する必要がる。例えば、国連の国際電気通信連合や世界貿易機関などの国際的な技術基準設定機関に、継続的な参加と民主的利益の代表を確保できるよう国家は産業界と協力するべきだと提言している。

DARPAのバロン氏は、「防衛の専門家は、デジタルな競争の場を理解し、デジタル戦場における自軍の優位性を強化するためのツールを開発することで道を切り開くことができる」と述べている。「世界の治安部隊は、デジタル技術を駆使してより高度に進化している。より効果的かつ効率的にデータを収集また評価し、ネット上で発生する脅威を現実のものとして取り締まることができる」とイエボク氏は賛同している。

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