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中国共産党とロシアがインド太平洋における空中軍事演習再開で強硬姿勢を示す

FORUMスタッフ

20225月下旬、中国共産党とロシアの合同軍事演習がインド太平洋上空で行われた。これは202111月以来4回目の空中訓練であった、と日本政府関係者は述べている。ただし、20222月のロシアによるウクライナ侵攻以来としては、初の合同軍事演習となる。

最新の空中訓練は、世界の多くがロシアによる侵攻を非難しているにもかかわらず、両独裁政権が依然として「制限のない」友好関係と戦略的パートナーシップの拡大にコミットしていることを示している、と西側指導者は述べている。

東京で開催された日米豪印首脳会談(クアッド)が終盤に差し掛かる頃、中国共産党のH-6爆撃機とロシアのTu-95爆撃機が日本海(別名「東海」)、東シナ海、フィリピン海上空を13時間にわたり飛行した。日本と韓国は演習の爆撃機を追尾するために戦闘機をスクランブルした。(写真:2022525日、中国共産党とロシアの軍事演習を受けて日本海上空を飛行する航空自衛隊のF-15型機3機(手前)と米軍のF-16型機4機)

日米豪印首脳会談にはオーストラリア、インド、日本、米国の指導者が参加し、諸々の議題に加え、ウクライナで進行中の紛争についても話し合った。観測筋からは、ロシアのウクライナ侵攻が、中国共産党が領土として主張する台湾に侵攻する前兆となる可能性があるとの声も上がっている。

ロイター通信によると、過去2年間にわたり中国軍機が台湾の反応を見極め、台湾の部隊を消耗させることを目的に、台湾の防空識別圏に繰り返し侵入しており、台湾は中国の侵入を監視するために日常的にジェット機をスクランブルしていると台湾は述べている。

日本の岸信夫防衛相は、最新の共同軍事演習について、それが北京とモスクワによる挑発の可能性が高いとした上で、日本政府は中華人民共和国とロシアに「重大な懸念」を伝えたと述べた。

これに対し中国国防部は、この作戦は「年次軍事協力計画」の一環であると回答した。

観測筋によると、軍事演習が日米豪印首脳会談期間中およびジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領の5日間の訪韓と日本訪問の終了時に行われたのは偶然ではない。中国は、日米豪印クアッドが「アジアのNATO」に相当すると主張しているものの、このグループは相互防衛条約を締結していない。

非営利団体シンクタンクのアトランティック・カウンシル(Atlantic Council)のグローバル・チャイナ・ハブ(Global China Hub)でシニア・ディレクターを務めるデイビッド・O・シュルマン(David O. Shullman)氏はワシントン・ポスト紙に対し、「日本で日米豪印首脳会談が開催され、ウクライナでの事態が続く最中に、中国とロシアがこの演習を実施するに至ったことは、両国のパートナーシップの深さを示しており、今後数か月でさらに深まると見るのが妥当だ」と述べている。

日本の防衛省によると、20223月までの1年間に、自衛隊は外国機(多くは中国機)の侵入に対応して1,000回以上航空機をスクランブル発進させている。

ロイター通信によると、ロシアは2019年に長距離空中哨戒を含む別の軍事訓練を中国政府と共同で行っている。20218月には、中国国内で1万人以上の兵士を動員した演習を行っている。

中国はロシアのウクライナ侵攻を非難していない。

日米豪印クアッドの指導者たちは、ウクライナについての議論と併せて、「民主主義の価値観に支えられ、強制による制約のない」国際法に根ざした、自由で開かれた、包括的で健全なインド太平洋を求めた。

画像提供:AP通信

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