北大西洋条約機構との防衛関係強化を目指す韓国

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フェリックス・キム(Felix Kim)

韓国と北大西洋条約機構(NATO)の間の防衛関係は、陸・海軍の共同展開や公式な提携関係の締結、また政策や技術における多くの共同取り組みに示されるように近年一段と強化されつつある。

北大西洋条約機構の軍事委員長を務めるオランダ海軍のロブ・バウアー(Rob Bauer)大将は2022年4月上旬に訪韓した際、韓国は「北大西洋条約機構の重要なグローバルパートナー」であり、「平和、民主主義、人権などの中核的な価値観」を共有していると述べた。韓国国防部(MND)のニュースリリースによると、バウアー大将は訪韓中に韓国の徐旭(Suh Wook)国防部長官および韓国統合参謀本部議長を務める元仁哲(Won In-choul)大将とそれぞれ個別に会談した。(写真:2022年4月、韓国ソウルで北大西洋条約機構のロブ・バウアー軍事委員長と会談する韓国の徐旭国防部長官[左])

北大西洋条約機構が声明を通して発表したところでは、軍事交流の強化策に関する協議を目的として訪韓したバウアー大将は、志を同じくする民主主義の提携国と協力を図ることの重要性を強調し、北大西洋条約機構の軍隊と大韓民国国軍の相互運用性の改善について意見交換している。協議では大量破壊兵器、サイバー防衛、情報共有など、現在だけでなく、将来的な安全保障の懸念や課題に焦点が当てられた。

韓国がウクライナに人道支援を提供したこと、また主権国家への侵攻に関する対ロシア制裁において国際社会に同調したことなど、バウアー大将は現在のウクライナ危機に関連する韓国の貢献に感謝の意を表した。

同大将は、「加盟・同盟・提携諸国は自由と民主主義という国際社会全体の利益を保護することに取り組んでいる」とし、「生涯の目標とも言えるこの任務により、目に見えない絆が構築される。この絆は戦争や世代、さらには大陸をも超越する」と話している。

韓国国防部の発表によると、30ヵ国の加盟国で構成される政治・軍事同盟の北大西洋条約機構と今後も引き続き協力を図ることを誓約する一方で、朝鮮半島の平和と繁栄に向けた韓国の取り組みに関して同軍事同盟からのさらなる支援を打診した元仁哲大将は、「国際安全保障において協力を図る提携国として両国の協力関係をより強化したい」と述べている。

バウアー大将はまた、米韓連合司令部と在韓米軍(USFK)の司令官を務めるポール・ラカメラ(Paul LaCamera)米国陸軍大将とも会談した。

今回のバウアー大将による訪韓には、2021年7月に韓国国会・情報委員会の金炅侠(Kyung-Hyup Kim)議長、11月に元仁哲大将が北大西洋条約機構・軍事委員会を訪問したことに対する返礼の意も込められている。北大西洋条約機構によると、昨年に両者が軍事委員会を訪問した際も、共通の安保課題および韓国政府と同機構の提携関係に重点をおいて協議が行われた。

2005年に北大西洋条約機構と「積極的な関与」を開始してそのT2(ティア2)国となった韓国は、2019年11月に協力と政治的議論の枠組を確立する公式のパートナーシッププログラムに署名している。長年にわたる優先事項には、サイバー防御と大量破壊兵器の不拡散に関する課題が含まれる。

2010年から2013年にかけて、北大西洋条約機構が主導する国際治安支援の一環として、大韓民国国軍はアフガニスタンのパルヴァーン州で470人で構成される軍民地方復興隊を率いた。大韓民国海軍も2009年から2016年にかけて、アデン湾で海賊行為対策活動に従事する北大西洋条約機構「オーシャンシールド作戦(OOS)」に参加し、アフリカの角沖を航行する商用船舶の護衛任務を務めている。

韓国はまた、高度な技術、テロ対策、化学兵器・生物兵器・放射能兵器・核兵器の防衛に焦点を当てた北大西洋条約機構の「平和と安全保障のための科学(SPS)」プログラムに参加している。この他にも、韓国と北大西洋条約機構の科学者は共同イニシアチブとして、公共空間で爆弾や他の兵器を検出できるセンサー融合システムを開発している。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

 

画像提供:韓国国防部

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