国際社会:一連の北朝鮮ミサイル発射実験を非難

国際社会:一連の北朝鮮ミサイル発射実験を非難

FORUMスタッフ

専門家等の見解によると、2022年1月に入って北朝鮮が4回にわたり実施したミサイル実験には、国際法の遵守ばかりか、朝鮮半島非核化交渉の再開も引き続き拒否するという同国政権の姿勢が如実に表れている。相次ぐ発射実験を受け、米国は大量破壊兵器(WMD)と弾道ミサイル関連兵器の開発を推進する北朝鮮の金正恩(Kim Jong-un)総書記の軍事計画を支援した容疑で北朝鮮とロシアの関係者7人とロシア企業1社を新たな経済制裁の対象にすると発表した。

2022年1月中旬に同経済制裁を発表した米国財務省テロ・金融情報局(TFI)のブライアン・E・ネルソン(Brian E. Nelson)次官は、「DPRK[朝鮮民主主義人民共和国]の大量破壊兵器と弾道ミサイル計画阻止に向けた米国の継続的な取り組みの一環である今回の制裁措置は、兵器関連物資の違法調達を目的として海外の関係者を継続的に利用する手段を封じることを目標としている」とし、「最新の北朝鮮による一連のミサイル実験は、国際社会が促す外交と非核化を同国が無視し、禁止されている兵器開発計画を継続的に前進させている証拠に他ならない」と述べている。

韓国の軍事アナリスト等の分析によると、1月17日に北朝鮮が日本海(北朝鮮名称:朝鮮東海)に向けて発射した2発の短距離弾道ミサイルは、高度42キロで380キロを飛行して海域に落下した。(写真:北朝鮮が戦術誘導ミサイルと主張する兵器が2022年1月17日に発射されたときの画像)

複数の報道によると、北朝鮮は1月5日と11日にも極超音速と称したミサイルを1発ずつ発射している。ABCニュースが報じたところでは、北朝鮮外務省の報道官はミサイル発射が国連制裁違反に当たることを認めながらも、同実験は「国防力の近代化に向けた取り組みのほんの一端」と主張している。

1月11日の実験を受け、アルバニア、フランス、アイルランド、日本、英国、米国の代表として共同声明を発表したリンダ・トーマスグリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)米国連大使は、「こうした一連の発射実験により、誤解や問題深刻化のリスクが高まり、地域の安定性に重大な脅威がもたらされる」とし、「[国連]安保理決議に従い、これ以上不安定化を誘引する行動の停止、禁止されている大量破壊兵器と弾道ミサイル計画の放棄、そして完全非核化という共通の目標に向けた有意義な対話の再開を北朝鮮に対して要請する。朝鮮半島の恒久的な平和体制を構築するにはこれ以外に道はない」と述べている。

北朝鮮政権は発射実験について極超音速ミサイルの開発成功を豪語しているものの、専門家等の見解では西側諸国ではすでに達成されている極超音速技術を北朝鮮が習得したとは考え難い。

米国国防総省に勤務した経歴を有するシンガポール国立大学リークアンユー公共政策大学院(LKYSPP)のドリュー・トンプソン(Drew Thompson)客員上級研究員はCNNニュースに対して、「高度ミサイル防衛システムでもほぼ検知できない極超音速ミサイルに核弾頭が搭載されれば、これは既成の概念を変える兵器となる」と語り、続けて「『保有している』と『保有したい』では全く意味が異なる。しかし、もし北朝鮮が実際に同兵器を保有したのであれば、これは一大事である」と警告している。

米公共ラジオ局(NPR)の説明によると、従来型ミサイルよりも非常に優れた速度と精度を備える極超音速兵器には、標的に向けて発射できる弾頭を搭載した誘導弾道ミサイル、打ち上げたロケットから分離して超高速で目標に到達する極超音速滑空体(HGV)、吸入した空気を圧縮して加熱し燃料を燃焼させることで超音速に達するラムジェット・エンジンを搭載した極超音速巡航ミサイル(HCM)の3種類がある。

CNBCニュースの報道によると、韓国国防部(MND)は、「極超音速ミサイルの射程とその能力に関して1月6日に北朝鮮が発表した内容は誇張であると考えられる」とし、「[北朝鮮が]極超音速ミサイルと主張した兵器は、実際には改良された精密技術を搭載した弾道ミサイルである。当国防部は独自の評価に加えて、米国と日本から提供された情報に基づいて分析した」と発表している。

ロイター通信によると、米インド太平洋軍(USINDOPACOM)は北朝鮮の発射実験により米国やその同盟国に差し迫った脅威がもたらされることはないとしながらも、「一連のミサイル実験により、不安定化を誘引する[北朝鮮の]違法兵器計画が継続されている実態が浮き彫りとなった」と述べている。

米国国務省は声明を通して国際社会が強力かつ統一した姿勢を維持することで、北朝鮮に対して挑発行為の停止、国連安保理決議に基づく義務の遵守、そして完全非核化を促すよう求めた。

米国国務省は、「当国の北朝鮮政策に変化はない」とし、「引き続き対話と外交による解決に向けて取り組む構えである。北朝鮮が不安定化をもたらす活動を控え、対話と外交という米国の提案に肯定的に応答することを期待している」と発表している。

画像提供:ロイター

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