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日本は台湾の現状維持を推進

フェリックス・キム(Felix Kim)

中華人民共和国(中国)の脅威に直面している台湾に対して日本は一貫して支援を表明している。公文書や政府声明による日本政府の支援文言には軍事的に台湾を防衛するという誓約は含まれていないが、日本の立場は従来よりも具体的かつ頻繁に表明されている。

アナリストによると、中国の攻撃がインド太平洋地域全体に広がっている現在、台湾に対する中国の脅威を日本政府が懸念していることを台湾と中国に示している。

日本は、台湾に近接する南シナ海と東シナ海の両海域、およびヒマラヤにあるインドと中国の国境沿いの地域の現状を一方的に変更しようとする中国の試みに公式に反対すると表明している。2021年6月に発表された日本の直近の防衛白書では、30年ぶりに台湾の名前を挙げている。同白書には、「台湾情勢の安定は、わが国の安全保障や国際社会の安定にとって重要」と記載されている。

戦略的には台湾は日本経済への主要な半導体サプライヤーとして日本にとって不可欠である。ブルームバーグの報道によると、台湾の南にあるルソン海峡は日本国内の電力供給に必要な燃料タンカーにとって重要な輸送経路である。台湾は独自の民主的に選出された政府によって統治され、独立した軍隊を維持しているが中国は台湾を自国の領土と主張している。

AP通信の報道によると、中国は2021年10月初旬に台湾南西岸付近で149回の軍事飛行を実施し、台湾の防衛軍はスクランブル発進を繰り返した。2021年6月の同様の活動を受けて、岸信夫防衛大臣は台湾の平和と安定は「日本に直接関連している」と述べ、同省は中国と台湾の関係を定期的に監視している。

岸防衛大臣は、李登輝(Lee Teng-hui)前総統の追悼式に出席するため2020年9月に台湾を訪問した。岸防衛大臣は、台湾に最も近い日本の島である与那国島を訪問した際、中国が同島を侵略する可能性について懸念を表明した。2021年6月に開催されたハドソン研究所のイベントで、中山靖秀防衛副大臣は日本と台湾を「本当に親しい」間柄の「兄弟」である表現した。(写真:2016年に台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統を訪問する岸信夫防衛大臣(左)。)

ランド研究所の日本防衛アナリストであるジェフリー・ホーナン(Jeffrey Hornung)博士はFORUMに対して、「日本政府は新疆ウイグル自治区、インド、香港そして南シナ海での中国の活動を注視しており、すべての場所で中国の活動が活発であることが確認され、特に台湾に対する中国の行動が本格的に強化されていることを確認しています。今までと違うのは、台湾が日本の安全保障にとって重要であると公言して意思表示をしている点です」と述べている。

ホーナン博士は、この言葉遣いの変更は高度で十分な装備を備えた軍事力を持つ米国の同盟国が台湾の現状を維持することの重要性を自国の安全保障として認識していることを中国政府に知らせるものだと説明した。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

 

画像提供:台湾総統府

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