特集

インド 太平洋地域 における抑止力の運用化

オーストラリア、米国、および価値観を共有する国家間の強力な同盟を通じ、中国の自己主張を低減させる

アシュレイ・タウンシェンド(Ashley Townshend)、デヴィッド・サントロ博士(Dr. David Santoro)

競争が激化しつつあるインド太平洋地域ではオーストラリア、米国、そして地域の同盟国、パートナーが競争空間のあらゆるレベルにまたがる無数の戦略的課題に直面している。中華人民共和国が同地域の支配的なパワーである米国に取って代わるという目的を追求するため、多元的な強制力を用いていることから戦略的競争の新時代が幕を開けている。米国の力と長年かけて構築されてきた規則や規範に基づくインド太平洋地域の秩序の安定性およびその性質は今や危機に瀕しており、これらすべてがますます不確実なものとなりつつある。

中国政府がこの地域に引き起こしている課題は複数の領域にわたり、中国共産党により国家全体の戦略として推し進められている。平和と戦争の間のグレーゾーンにおいて経済的強制、外国への干渉、政治的戦争に伴う市民民兵の使用などの戦術が中国政府にとって、戦略的状況の漸進的な移行を追求するため選択ツールとなっている。こうした取り組みは中国共産党の通常戦力増強と中国のインド太平洋における拡大的な行動によって、より複雑なものとなっている。これらはすべて中国政府の核戦力の近代化と、新たな戦略的技術における新たな競争上の優位性への挑戦の影が濃くなる中で行われている。

こうした課題に照らして地域の抑止力を強化するためには、オーストラリアと米国が個別に共同する、あるいは価値観を共有するパートナー国とともに
インド太平洋地域のためのより統合された戦略とそれを支援するために同盟を運用する上での新たな手法を確立することが求められている。オーストラリア政府と米国政府ではこの議題が広く支持されている。

しかし、米豪同盟内において抑止戦略の調整を強化することは容易なことではない。豪州政府と米国政府は戦略目的では一致しているが、その国益と中国を見据えた脅威認識においては同じであるとは言い難い。両国は能力、政策上の優先順位、コストとリスクの許容値という面でそれぞれ異なっている。抑止力を運用化するための努力は段階的に進められ、かつ強力な同盟上の対話に基づく必要がある。

ディフェンダーパシフィック(Defender Pacific)20-1 においてグアムのアンダーセン(Andersen)空軍基地近く、太平洋地域訓練センター(Pacific Regional Training Center)で実施された模擬発射に参加する豪空軍、米空軍、航空自衛隊のメンバー。ズェイド・ヴァドネス
 (ZADE VADNAIS)二等軍曹/米空軍

貢献の強化

豪州と米国は、競争が激化しつつあるインド太平洋における抑止と防衛への貢献を強化する必要がある。グレーゾーンにおける強制、政治戦争、経済的影響力、
軍事的脅威、核圧力を抑止するための統合的かつ複合的アプローチを構築することは、同盟の最優先事項であるべきだ。

地域の支配を追求するために強制を使用するという中国共産党の狙いは、すべての国が自由に主権を行使できる戦略的秩序を維持したいと考えるインド太平洋諸国と敵対するものである。

この競合は複数の領域で行われており、中国共産党はローエンドでは影響力のあるキャンペーン、情報運用、その他の形態の政治戦争を実施し、中間レベルでは
グレーゾーン戦術、経済的レバレッジ、サイバー攻撃、強制的な国家工作、そしてハイレベルでは通常戦力の軍事的脅威と戦略核のエスカレーションの影を用
いている。その根底にあるアプローチは、これらの強制のベクトルを組み合わせて戦略的現状を段階的に有利なものへと変換していく、というものである。

豪州または米国が中国に対抗していくための有効な戦略は、これと同じ範囲にわたり機能するものでなければならない。中国の政策立案者にその進行を一時停止する理由を与える最も確実な方法は、中国共産党が国内のレジリエンスを構築し、物理的および立法上の防御を強化し、信頼できる抑止の脅威を発することによって強制的なレバレッジを安価に獲得または行使する能力を否定することである。しかし、これは米豪両国の政府にとって国益、レッドラインおよびコストとリスクの許容範囲について難しい決定を迫るものである。

米豪政府間には、より大きなリスクを受け入れ、中国のグレーゾーン強制を阻止するため率先して取り組む必要があるという幅広い合意が存在する。これには、
北京が非軍事的レバレッジを獲得するためにどのように影響力を構築するかを理解し予測すること、およびこの力学を中和または反転させる措置を講じることも含まれている。その後者を達成するために同盟国側は、中国共産党のグレーゾーンアクションのより多くの帰属の考察、悪質なアクターの対象を絞った禁止または起訴、および対抗するグレーゾーンオペレーションの使用を検討することが可能である。

インド太平洋における有利なパワーバランスを維持するという戦略目標達成のためには、共有された抑止目標に関して、通常戦力を調整する米国とその同盟国の能力への依存度がますます高くなるであろう。豪州と米国は、戦闘の概念を共同構築して技術開発と実験を強化し、能力、相互運用性および力が相対する目標を組み合わせて進化させることにより、集団的抑止目標を段階的に追求してゆく必要がある。

中国との戦略的競争が勢力圏間の争いとして理解されるべきか、それとも相互に有利なパワーバランスの探求として理解されるべきかは依然として不明である。
冷戦期とは対照的に、米国政府は中国による周辺国支配を認めないという修辞的なコンセンサスが高まってはいるが、実質的な中華勢力圏というものは、現実的な可能性として存在している。その現実化を回避するという行為は、長年にわたる安定性、規則、制度、秩序の維持という米国の広範にわたる地域的な魅力を損なうものであってはならない。

グローバルセンチネル(Global Sentinel)19 において、バージニア 州サフォーク(Suffolk)のロッキード・マーティン社イノベーションセンターにあるバーチャル宇宙作戦センターを運用する英国及び豪州のオペレーター。J.T. アームストロング(ARMSTRONG)二等軍曹/米空軍

グレーゾーンの強制に対する抑止と防御

中国共産党によるグレーゾーンの強制は、インド太平洋地域において日増しに戦略的競合の現実問題となりつつある。現代の政治戦争の形態として、グレーゾーンの強制は、時間の経過とともに地政学的な利点を生み出すために中国が地域均衡の漸進的な変化を追求することを特徴としている。中国の戦術は決して新しいものではなく、非軍事的強制、汚職、隠密活動等が広く含まれているが、グローバリゼーションによる関係性の変革は、自由民主主義の柔らかい下腹部-急所-を露呈させグレーゾーン行動の範囲と影響を拡大させている。これは法的または倫理的制約に阻害されない中国共産党のような権威主義体制にとってアンバランスな利益をもたらし、彼らは国全体のリソースを動員してグローバリゼーションが開いた新しい強制と影響力のベクトルを活用することが可能となる。

しかし、グレーゾーンの強制に対抗することに関しては抑止の枠組みを適用するかどうか、またはどのように適用するのが最善かについてのコンセンサスが存在しない。中国共産党の活動の流動的、永続的かつ分野横断的な性質のため、抑止や防御よりもリスクの軽減と回復力の構築がより適切なアプローチになる、と多くの人が主張している。一方で、拒否 (denial)による抑止が様々なタイプのグレーゾーン強制に対抗するための戦略を構築するための有用なフレームワークであると主張する人々も存在する。拒否のロジックにはリスクを軽減し、回復力を構築することによって防御を強化する取り組みも組み込まれているだけでなく、米豪が相手をおびやかすまたは相応のコストを課すことによってグレーゾーンの強制(またはそのより悪質な形態)を阻止するために取り組むことができる、戦略的根拠も提供する。

こうした異なる考え方が存在するのにかかわらず、米豪両政府間にはグレーゾーンの強制を阻止するために以下に焦点を当てる必要があるという幅広い合意が存在する:コストとリスクを喜んで受容する。より積極的になる。社会全体のアプローチを強化する。地域の他のアクターともに同盟のアプローチを構築する。

中国のグレーゾーン強制を阻止するには、豪州と米国が負担して維持しなければならない政治的コストとリスクが存在する。隠密裏の対外干渉を犯罪とする法律、対外直接投資のスクリーニング、中国への経済的依存を減らす努力など国内のレジリエンスを強化するための措置は、短期的には財政的および政治的にコストがかかる可能性があり、立法、規制、および中国によって扇動され悪用されうる国内世論などを伴う。中国に行動を強いるおよび/またはコストを課す行動、例えばサイバー攻撃の責を問う、制裁措置の発動、グレーゾーンにおける対抗措置の採用などは、両国政府にとってよりリスクの高いものとなりうる。中核的な国益、レッドライン、優先行動方針を事前に明確に定義することは、米豪両国がこうした不可避の負担に備える上で有用である。これらの取り組みには、国内の支援を強化するための率直な公共的会話とシグナリングが必須なものとなる。正統性は、民主主義が権威主義システムに対して保持する最も重要なアドバンテージであるため、豪州と米国は対抗グレーゾーン戦略がリベラルな規範に根ざし、少なくともメディアや市民社会および政治制度などの民主主義空間である「典型的に政治戦争が行われる場所」に損害を与えないようにする必要がある。

北マリアナ諸島、テニアン(Tinian)島のキャンプ・ベイカー(Baker)で実施された、人道支援/災害救援作戦中、日本の 航空自衛隊隊員と握手するコープ・ノース(Cope North)20 の
多国籍タスクフォース司令官、マーク・ラーター(Mark Larter)豪空軍大佐(中央)。カート・ビーチ(CURT BEACH)二等軍曹/米空軍

米豪両国はまた、中国のグレーゾーン強制を抑止する上で主導権を握ることができるようより積極的な姿勢をとる必要がある。最近まで、両国は何らかの事実の後に問題に対処することにフォーカスしすぎていた。このことが中国を勢いづかせ、米豪を挑戦という行為が有するダイナミックな性質に対処できるだけの準備が整っていない、反応的な姿勢に追いやってしまった。より積極的なスタンスに移行するには、中国政府が非軍事的なレバレッジポイントを獲得するためにどのように影響力を構築するかを理解、予測すること、およびこの力学を中和または反転させるための具体的な措置を講じる意志が必要である。ファーウェイを 5Gネットワークから排除するという豪州の決定は、国家がグレーゾーンの脅威を先制的に中和する手法の一例である。力学を反転させ、中国を不利な立場に追い込むには、中国による望ましくない行動のコストとリスクを高めることで、事態をエスカレートさせることの負担を中国政府に負わせることが必要となる。

中国による強制を阻止して対抗していくためには、政府が一丸となりまとまりあるアプローチが不可欠である。しかし、非政府部門の脆弱性と能力を考慮すると、対抗措置を効果的にするためには、政府のみならず社会全体でのアプローチにまで拡大する必要があるだろう。いずれの戦略も自由民主主義にとっては困難なものであり、特に後者は厄介な国家社会の課題を提起する。豪州は、国家安全保障上の考慮事項を説明するための、外国投資審査委員会 (Foreign Investment Review Board)の意思決定プロセス改革や、インド太平洋インフラストラクチャーの資金調達に関する部門間の調整など、政府全体のアプローチの実施に成功している。社会全体の連携を強化する努力、例えば外国からの干渉に関して大学とインテリジェンスコミュニティの間の連携を促進すること、は存在しているが、これには継続的な努力や新たな規則、そしてより良い情報共有が必要となってくる。

最後に、豪州と米国は彼らの集団的利益がどこで脅威にさらされているかを理解し、同盟の枠組みの中で、国力のすべての手段を使用したより大きな抑止力を追求する必要がある。これには断固とした努力が必要 である。豪州と米国の利益はすべての点でシームレスに一致しているわけではなく、中国のグレーゾーン 活動の性質、重大度、および影響に関する同盟的な視点 は、しばしばクリティカルなレベルで異なってくる。新たな二国間インド太平洋同盟調整メカニズムは、 こうした相違を管理し、共通の目標に集団的アクションを集中させるために役立つ可能性がある。さらに広く見れば共通の利益、価値観、法の支配に対する相互
コミットメントは、インド太平洋において米豪同盟がその他の志を同じくする友好国との間で運用化されるのを裏付けるものでなければならない。豪州政府と米国政府が安全保障パートナーとしての地位を固めることを選択した場合、地域諸国を関与させる努力は単に中国の強制に対抗するだけではなく、さらにその
先を行くものになるということを意味している。

2020 年 7 月にフィリピン海で実施された平和、安定および自由で開かれたインド太平洋を支持する 3 か国共同演習に参加するロナルド・レーガン(Ronald Reagan)空母打撃群、日本の海上自衛隊および豪国防軍からのユニット。コーディ・ソウル(CODIE SOULE)二等兵曹/米海軍

核および戦略的抑止要件

中国は、紛争のスペクトルに沿って米国およびその同盟国との競争を激化させているが、核兵器を抑止や紛争終結のための手段としてではなく自国の活動に重要
な影を落とすものと見なしている。そしてその戦略は、効果を上げている:米国政府とその同盟国はかつて享受していた決定的な利点をもはや有していない。
この傾向が継続するとすれば、米国とその同盟国の離間も可能性として現実のものとなってくるであろう。

中国(そしてロシア、北朝鮮)による強制の最前線に立つこれら米国の同盟国は、新たな抑止の要件の策定を推進している。インド太平洋の同盟国がとりわけ声高に発言している。日本は、その一部として米国政府が米中戦略関係の基礎として相互の脆弱性を受け入れるべきではないと主張している。これは、そのことが
中国政府をより積極的な対日行動に向かわせる恐れがあるものとみなしてのことである。日本はまた、米国の拡大的抑止策においてより積極的な同盟国になることを選択した。既に米国政府は、日本政府および韓国政府により大きな権限拡大の感覚を与えるべく、両者との 拡大的抑止対話と作戦運用をすでに大幅に強化しているが、日本と韓国は北東アジアにおける NATO のような防衛コミットメントを米国に求めている。豪州でも、豪州政府が戦略的抑止への貢献を増やすべきかどうか、そしてどのようにすべきかについて新たに考える動きが出始めている。米国戦略軍による構造化された透明で意図的なコミュニケーションは、現在のレベルの米豪安全保障と抑止協力の構築に大きく貢献してきた。

米国の同盟各国は、こうした長年の取り決めの外、または反対を選択せずあくまでも同盟の枠組みの中でそれぞれの抑止の要求や議論を進めてきた。これは各国が米国政府との関係をどのように見ているかを証明するものであり、また米国が彼らの防衛にとって重要な位置を引き続き占めているという事実を示す。

中国が構築してくる新たな概念や能力に対応するための最善の方法についてはさまざまな見解や意見の相違が存在するが、豪州政府と米国政府の間には、同盟のコンテキストの中でこれらの問題をより深く反映し、効果的な集団的対応を構築してゆくための野心的な知的努力が必要であるというコンセンサスが存在する。そこには中国側の進化する軍事戦略と勝利の理論について、より協調的で深く掘り下げた体系的な分析が含まれる必要がある。

集団的抑止と防衛のための同盟の最適化

米豪政府間には、両国間の同盟がますます争われているインド太平洋における集団的抑止と防衛への貢献を強化する必要があるという幅広い合意が存在する。リンダ・レイノルズ(Linda Reynolds)豪州国防相は、2019 年11 月のワシントンでの演説で、「抑止は共通の目的に対する共同責任であり、米国でさえも単独で引き受けることはできない」と述べた。これは合意の視点を要約するものであった。しかし、抑止のためにどの程度の調整が必要か、あるいは各国で何が政治的に実現可能かについてのコンセンサスが存在しないため、その目的の実現というものは、継続的な課題となるであろう。

中国の冒険主義を抑止するためには、能力の集約と抑止目的に特化した統合的な政策計画への移行が必要であり、これは時間の経過とともにインド、インドネシア、日本、シンガポール等、他の緊密な安全保障パートナー諸国を引き寄せることになるはず、という議論も一部には存在する。また、この種の調整が強力な抑止信号を送ることには同意するが、実際には無数の法的、運用面および官僚主義的な障害に遭遇することになる、との意見も存在する。重要なことであるが、それは根本的に中国共産党によるリスクテイクと軍事拡大に関する厄介な問題について共通の立場を確立する米豪両政府の能力に依存することとなるであろう。いずれの政府もそのような意思決定に束縛されることは望まないため、両者はより大きな協力、調整、相互運用性の道標に従うことによって集団的抑止の目標に段階的に近づいてゆく必要がある。

ハイエンドの紛争スペクトルにおける集団的抑止と防御を強化するためのいかなる措置に関しても、米国は現在のそれよりもはるかに早い段階においてその軍事計画について豪州の存在を織り込む必要があるであろう。これは容易なタスクではない。米国の2018年国防戦略では同盟国に焦点が当てられているが、この種の統合(integration)は、それぞれ独立した計画に基づいて行動する、自立した統合軍を展開するという、国防総省の伝統的な選好と対立するものである。それには非常に高いレベルの外交的信頼や豪州政府からの支援に対する深い確信、そして豪州に戦闘ではないにしても、重要な役割を任せるという政治的意志が必要となる。また、それは同時に少なくとも特定の事前に定義された不測の事態の前後において、豪州政府の米軍計画への関与を作戦レベルにまで高めようとする
豪州側の意欲にもかかっている。

抑止力に対する同盟というものの貢献強化の動きには米国、豪州、その他の安全保障パートナー諸国間の適切な役割分担に関する議論が含まれていなければならない。これには役割と責任についての明確な決定と、さまざまな同盟国が特定の任務と不測の事態に参加する条件についての共通の理解が必要である。レッドラインの共有を強化する上で、これらすべてが同盟コミットメントの信頼性の中核をなすものであるが、こうした問題のいずれも米豪同盟内において指導者層から充分な注目を得ているとは言い難い。重要な要件として、戦略的な分業に関する決定は軍の構造と投資の優先順位に大きな影響を与えるため、事前によく検討しなければならないことが挙げられる。

集団的抑止のために米豪同盟を最適化するための最も有望な方法の1つは、軍事面での相互運用性と防衛産業の協力を強化することである。米豪双方は、ソフトウェアの移転に対する米国の障壁を緩和し、豪州のプラットフォームが米国のプラットフォームと同一の軍事システムを使用可能とすることで利益を得る。これにより、戦場での一貫性と有効性が確保されることとなる。より具体的には米国議会と米国務省は同盟国やパートナーとの間で、米国の技術共有と移転の慣行を取り巻く実際的、法的、およびライセンスの制限を取り除くための措置を講じるべきである。このような障害は豪州が国家の技術および産業基盤をフルに結合することを妨げ、両国が互いの高度な技術部門を活用する能力を制限してしまう。米豪両政府は、将来のハイエンドシナリオに向けて連携のシナジーを構築するため、新たな概念の共同構築を優先して技術実験を主導して能力開発、相互運用性、地域の姿勢について詳細な議論を行う必要がある。

上記すべての交渉において、豪州は率直な同盟国であり、同盟の方向性またはインド太平洋の戦略的環境についてクリティカルな問題を提起することを躊躇するものではない。特に政治的不透明性の時代において米国は豪州をはじめとする同盟国が、より大きな指導的役割を果たすことを歓迎するであろう。 

最終的な分析として中国による勢力圏確立を阻止するためには豪州、米国、その他の同盟国およびパートナー国が、もはや全方面にわたる軍事的支配を享受できないことを認めつつ地域秩序を守るためのコミットメントを高めてゆく必要がある。

本誌が 2020 年 4 月に出版された報告書、「インド太平洋における抑止力の運用 (Operationalising Deterrence in the Indo-Pacific)」アシュリー・タウンシェンド (Ashley Townshend)およびデヴィッド・サントロ博士著より本記事を抜粋、編集 した。この報告書は米国研究センター( United States Studies Centre)と太平洋フォーラムの共同出版物である。全文は: 

https://www.ussc.edu.au/analysis/operationalising-deterrence-in-the-indo-pacific

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