インド太平洋の行方

P. S. Davidson Admiral, U.S. Navy Commander, U.S. Indo-Pacific Command

読者の皆様、

インド太平洋防衛フォーラム、影響と干渉に関するエディションへようこそ。

​本号では、この巨大権力の競争時代にインド太平洋諸国が行った影響力の網について探っていきます。有益な形の影響と害をもたらす形の影響とを区別し、後者がいつ干渉の閾値を超えるかを知ることは自由で開かれたインド太平洋と地域の安全と繁栄を確保するための鍵となります。​

一国家が他国の経済的、政治的、市民的なプロセスに影響を与えて地域の安全と安定を損なわせ、秘密裏に欺瞞的で強制的な活動を行うと干渉が発生します。監視や規制に応用される技術は、ますます影響や干渉活動の要素となってきています。我々は、同盟国およびパートナー国と協力し、国家主権を脅かすような他国の影響力と干渉に対抗しなければなりません。

本号のフォーラム誌は、地域と世界に害を及ぼす影響力と干渉活動そして中華人民共和国(中国共産党)との関わりを掘り下げていきます。冒頭の記事は中国共産党の政策に対する支持をさらに集めるために、共産党役員やその代理人が国際機関の主要な指導的地位を占めていることを明らかにしています。補足的な記事では、世界的にストーリーを統制しようとする中国共産党の活動が裏目に出て対象となる観客から党の信頼性に疑問を持たれたり、ハリウッド映画の製作者がなぜ中国共産党を前向きに描くよう圧力を受けているのかを検討しています。

本号では、中国共産党の敵対行為を抑制し、その影響力を行使したり、さらにその先の活動を抑制するための解決策も提案されています。研究員のアシュリー・タウンシェンド(Ashley Townshend)氏とデービッド・サントロ(David Santoro)博士は、オーストラリア、米国、その他の志を同じくするパートナー国が協力を強化することによって地域の抑止力と強制に対抗する取り組みがどのように強化されるかを探っています。また、インド太平洋諸国が将来の危機(疫病の世界的な大流行など)に対応する際に、中国のサプライチェーンへの過度の依存から脱却して回復力を構築する様子もご紹介します。

本誌が軍事技術についての地域の対話を活発にすることを願っています。ご意見をお待ちしております。FORUM スタ (ipdf@ipdefenseforum.com)宛に皆様のご意見やご感想をお寄せ ください。

よろしくお願いいたします。

フィリップ・S・デービッドソン(P. S. Davidson

米国海軍、大将

米インド太平洋軍司令官

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