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北朝鮮の制裁違反に対して警戒を高めるインド太平洋地域の提携諸国

フェリックス・キム(Felix Kim)

過去2年間に日本自衛隊(JSDF)が北朝鮮の国連安保理決議違反を複数回通報したことで、インド太平洋地域の防衛提携諸国が洋上の警戒監視活動を強化している。

2020年12月の日本防衛省の発表によると、2018年初頭から2020年3月までの間に自衛隊により確認された違反は24件に上っており、これには海上で船から船へ船荷を積み替える「瀬取り」も含まれる。核兵器や弾道ミサイル計画を理由に北朝鮮は国連から制裁を受けている。

北朝鮮籍タンカーと船籍不明の小型船舶が「東シナ海の公海で接舷している様子」が確認されたと報告した防衛省発行の英文広報パンフレット「JDFJapan Defense Focus」には、「日本政府の総合的な判断により、船舶が違法の『瀬取り』を実施していたことが強く疑われるとの結論に至った」と記されている。

日本外務省は国連安保理決議で禁止されている「瀬取り」が東シナ海で行われている事実を強調した。2020年1月にも、北朝鮮籍タンカーと船籍不明の船舶が上海の東約240キロの沖合で接舷している様子が海上自衛隊の補給艦により確認されている。両船舶は蛇管(ホース)を接続していた。この1ヵ月前には、上海の南東およそ290キロの公海上で別の北朝鮮籍タンカーが似たような小型船舶と接舷している様子が哨戒活動中の海上自衛隊のP-1哨戒機により目撃されている。(写真:2019年12月、瀬取りを行う北朝鮮籍タンカー「南山8号(Nam San 8)」)

こうした確認情報が防衛提携諸国の警戒監視活動の強化に繋がり、2020年10月からオーストラリア、カナダ、ニュージーランドの軍隊が自衛隊と協力して日本周辺海域の監視活動に従事している。

10月上旬には、カナダ海軍のフリゲート「ウィニペグ(HMCS Winnipeg)」が同海域に派遣された。カナダ軍の艦船がこの海上監視活動に参加するのは2018年以来これで4度目となる。2020年11月と12月には、カナダ軍用機も同取り組みに参加している。

10月、オーストラリア海軍も警戒監視活動のために同海域にフリゲート艦「アランタ(HMAS Arunta)」を派遣した。

10月と11月には、AP-3Cオライオン対潜哨戒機を3機展開したオーストラリア空軍と協力して、ニュージーランド空軍のP-3K2哨戒機が日本周辺海域の哨戒活動を実施している。ロイター通信が報じたところでは、ニュージーランド空軍が同様の任務を目的として同地域に初めて航空機を展開したの2018年9月のことで、この時もオーストラリア空軍と共に空中哨戒を実施した。

こうした多国間努力について、日本防衛省は、「(前略)すべての大量破壊兵器およびあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄を実現するため、(中略)国際社会と連携して取組む(後略)」と発表している。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者

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