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日米豪印戦略対話加盟国がアラビア海で「マラバール2020」後段演習を完了

FORUMスタッフ

オーストラリア、インド、米国の海軍と日本海上自衛隊(JMSDF)が参加し、2020年11月17日から20日にかけてアラビア海北部海空域で実施された海軍「マラバール2020(Malabar 2020)」後段演習が完了した。通称「Quad(クワッド)」として知られる日米豪印戦略対話(4ヵ国戦略対話)に参加している同4ヵ国は、11月3日から6日にかけてベンガル湾での前段演習を実施したばかりである。

米軍第7艦隊の発表によると、空母打撃群の司令官を務めるジェームズ・A・カーク(James A. Kirk)少将は、「マラバールは最高級の訓練で戦略的提携体制の強靭性を示す重要な機会である」とし、「ニミッツ空母打撃群は、オーストラリア、インド、日本の軍隊と共に即戦力と相互運用性の向上に取り組む機会を得られたことを感謝している」と述べている。

1992年以来実施されてきた同年次演習は、参加国の高度な戦争戦術の計画、統合、採用を促進することを目指すものである。AP通信が報じたところでは、今年の演習には2007年以来初めてとなるオーストラリア海軍が参加している。(写真:2020年11月、アラビア海北部で実施された「マラバール2020」に参加するオーストラリア海軍、インド海軍、日本海上自衛隊、米国海軍の艦船)

米軍第7艦隊の発表によると、オーストラリア海軍のアンザック級フリゲート「バララット(Ballarat)」の艦長、アントニー・ピサニ(Antony Pisani)中佐は、「刻々と変化する海事や安保環境を考慮すると、緊密な提携諸国と協力して、自由で開かれ繁栄したインド太平洋の確立に向けた集団的利益を推進する必要性が強調される」とし、「マラバール演習に『バララット』が参加したことは、地域の安全、安定、繁栄への貢献に努めるオーストラリアの永続的な取り組みを実証するものである」と話している。

マラバール後段演習では夜間作戦、洋上補給訓練、砲撃演習などを実施したと、米軍第7艦隊が伝えている。Naval-technology.comが伝えたところでは、インド海軍の空母「ヴィクラマーディティヤ(Vikramaditya)」に搭載されたMiG 29K艦上戦闘機、米軍空母「ニミッツ」に搭載されたF/A-18(F-18)戦闘攻撃機とE-2C早期警戒機(愛称:ホークアイ)を用いて飛行甲板間移動や高度な防空演習も実施されている。

米軍第7艦隊は、「米国海軍は70年以上にわたり、インド太平洋地域で哨戒活動を行うことでその平和と安全を推進してきた。その海上安保を揺るがすさまざまな共通の脅威に対処することを目的として、マラバール演習を何年にもわたり実施しているが、経時的にその範囲と複雑性が拡大している。『マラバール2020』はこの一連の演習の中で最新の訓練である」と発表している。

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