共通の海洋領域認識の改善目標に取り組むバングラデシュ、米国、地域の組織

共通の海洋領域認識の改善目標に取り組むバングラデシュ、米国、地域の組織

ローレン・チャトマス(Lauren Chatmas)大尉/米国海軍・第7駆逐隊司令官

バングラデシュと米国の海軍が参加して、2020年協力海上即応訓練(CARATバングラデシュ)が実施された。これは、海洋領域認識(MDA)の改善を図ることで、海上危機に対処する際の協力体制を強化することを目的としている。

ウェブベースの訓練には、米国海軍の海洋領域認識専門家、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の非軍事専門家、そして不法移民、密輸、海上犯罪、自然災害などの課題に焦点を当てるバリ・プロセス地域支援事務所(BP-RSO)の間での知識交換が含まれる。(写真:2020年協力海上即応訓練(CARATバングラデシュ)の一環として、ベンガル湾で米軍の高速輸送艦「ミリノケット(Millinocket)」に合流するバングラデシュ海軍の艦船)

海洋領域認識とは、安保、安全、経済、環境に影響を与え得る世界海洋上の要因を認識することを目指すものである。第7遠征打撃群(ESG-7)を率いるフレッド・カッチャー(Fred Kacher)少将は、海洋領域認識の重要性、並びに地域の提携諸国や機関の共同の取り組みにより情報を共有することで、十分に保護された安全な海洋状態を維持することの重要性を強調している。

カッチャー少将は、「『自由で開かれたインド太平洋』を維持する上で、地域の提携諸国が協力して海上治安活動を実施することが不可欠である」とし、「米国海軍、バングラデシュ海軍、国連代表、志を同じくする組織が協力して今回の協力海上即応訓練で海洋領域認識の向上に取り組む姿勢は、今日の複雑な海上安保任務における我々の共通の目標を強調するものである」と述べている。

国連薬物犯罪事務所とバリ・プロセス地域支援事務所が米国とバングラデシュの協力海上即応訓練を支援したのは今回が初めてとなる。両組織の専門知識により、バングラデシュと米国の海軍は、複雑な海上安保任務における作戦上の課題に関連する国際的な規定や規範に対する理解を深化することができた。バングラデシュと米国の関係者は堅牢な仮想円卓会議を通じて、国連薬物犯罪事務所、バリ・プロセス地域支援事務所、海軍情報戦争センター(NIWC)太平洋(Naval Information Warfare Center Pacific)の職員がニーズに合わせて調整した特定の関心事項について協議している。海上で不意な脅威に遭遇した場合は、世界諸国が認める国際基準と法的義務に準拠して対応できる内部的能力を強化することの重要性が強調された。現在発生しているパンデミックにより、不法移民、密入国、人身売買、海上での強制労働といった海事問題が悪化する可能性がある。

1997年に設立された国連薬物犯罪事務所は、海上犯罪、人身売買、密入国への対応において地域に実践的な支援を提供している。国連薬物犯罪事務所バングラデシュ支部のマリーナ・ヤクニーナ(Marina Yakunina)プログラム責任者は、海上犯罪に対処する上で国際的な提携諸国と国連と強力な協力関係を構築することの重要性を強調している。

ヤクニーナ責任者は、「国連加盟国の強力な支援やその人員の献身的な努力のお陰で、人身売買や密入国といった海上犯罪対策として、国連薬物犯罪事務所は今後も引き続き地域間アプローチを通じて優れた技術的支援を提供することができる」と話している。

第7駆逐隊の海洋領域認識専門家であるジェイソン・フィゲロア(Jason Figgeroa)大尉の説明によると、バングラデシュと米国の安保協力関係において、海洋領域認識の改善は主要な目的となっている。これは、IUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)、人身売買、密輸、国際犯罪、環境破壊といった海洋における脅威に対抗する上で、両海軍共に海洋領域認識の重要性を認識しているからである。

フィゲロア大尉は、「国連薬物犯罪事務所とバリ・プロセス地域支援事務所がニーズに合わせて調整した事例と演習が含まれたシンポジウムで、バングラデシュ海軍関係者と密にやり取りしたことで、これに関与した全員が非常に特別な学習の機会を得ることができた。また、すべての人々が利用できる自由で開かれた海洋を維持するために、国際規範を遵守することの重要性をより良く理解することができた」と述べている。

ブルネイ王国軍が参加して南シナ海で10月上旬に実施された協力海上即応訓練(CARATブルネイ)に続き、2020年にバングラデシュが同訓練に参加したのはこれで2度目となった。第26回を迎えたこの年次協力海上即応訓練は、提携諸国が海上安保に関する共通の懸念に対処し、地域の海軍間の協力体制を強化することを目的としている。バングラデシュは2011年から同訓練に参加している。

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