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太平洋島嶼国の新型コロナウイルス感染症対策を支援するため、インド太平洋提携諸国が集結

太平洋島嶼国の新型コロナウイルス感染症対策を支援するため、インド太平洋提携諸国が集結

FORUM スタッフ

新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響が少なかった太平洋の遠隔諸島は、インド太平洋地域の提携諸国からの継続的な支援を受けて、今後もこの喜ばしい状態を維持しようとしている。

シドニー・モーニング・ヘラルド紙が報じたところでは、2020年9月下旬の時点で新型コロナウイルス感染症例が全く確認されていない国は世界でわずか12ヵ国で、そのうちの10ヵ国は太平洋島嶼国である。専門家等の見解によると、同感染症の発生を食い止める上で、太平洋諸島の都市封鎖(ロックダウン)措置は不可欠な手段であった。

しかし、現在も警戒を怠らないことが国としての義務である。各島の共同体間の距離が非常に離れた島嶼諸国の地形は、ウイルス蔓延対策には幸いしたが、医療や他のサービスの提供という点では大きな障害となる。

中国を震源地としてウイルスが発生して以来、世界各地で救援・支援の取り組みを先導してきた米国は太平洋諸島にも同様に手を差し伸べている。(写真:2020年4月、マリアナ諸島に対する新型コロナウイルス感染症救援活動の一環として、大型航空機「C-17グローブマスターIII」に医薬品と個人用保護具(PPE)を積み込むハワイのパールハーバー・ヒッカム統合基地・第535空輸飛行隊の米国空軍隊員等)

米国国務省によると、米国はオーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国、台湾、および太平洋諸島の共同体と連携を図っている。たとえば、米国国際開発庁(USAID)は太平洋諸島フォーラム(PIF)の太平洋人道パスウェイプログラム(PHP-C/Pacific Humanitarian Pathway on COVID-19)に5億円相当(500万米ドル)を拠出し、人道支援物資、医療用品、人員の遠隔地への空輸を支援している。

1971年に18の加盟国・地域(準加盟国を含む)により創設された政治・経済政策組織の太平洋諸島フォーラム(創設時の名称:南太平洋フォーラム)は地域の繁栄と安全の促進に取り組んでいる。

フィジー・タイムズ(The Fiji Times紙が伝えたところでは、2020年8月下旬、フィジーのフランク・バイニマラマ(Frank Bainimarama)首相は、「新型コロナウイルス感染症の流行と強力なサイクロン『ハロルド』の壊滅的な被害により目の前が真っ暗になるような思いになったこの地域で、太平洋諸島フォーラムが中心となって、ウイルスと気候変動のダブルパンチに見舞われた地域社会に人道支援・災害救援(HADR)を提供する重要経路としての役割を果たしてくれた」と述べている。

米国は太平洋諸島への新型コロナウイルス感染症救済資金として130億円(1億3,000万米ドル)以上を拠出している。同資金により、医療施設における疾病管理・予防から症例の追跡や衛生プロジェクトに至るまで、さまざまなサービスが支援されている。米国国際開発庁はまた、フィジー、キリバス、ナウル、パプアニューギニアに合計90台の新しい人工呼吸器を寄贈している。

他のインド太平洋提携諸国からの支援としては以下が挙げられる。

  • オーストラリアは地域全体に医療顧問、個人用保護具と医療用品、ラボ診断支援、症例管理サービスを提供している。
  • 日本は医療機器、公衆衛生啓発活動、技術的専門知識を提供するための資金をパプアニューギニアに提供している。
  • ニュージーランドは太平洋諸島に人工呼吸器、個人用保護具、隔離施設、他の医療機器を提供し、無料の新型コロナウイルス感染症検査を手配している。
  • 韓国はフィジーに新型コロナウイルス検査キット、移動式仮設診療所、個人用保護具、携帯型手洗場、および安全キャビネットを寄贈している。
  • 台湾はマーシャル諸島、ナウル、パラオ、ツバルにマスクと赤外線カメラを提供している。

太平洋地域の共同体内からも支援が提供された。ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、北マリアナ諸島、パラオからグアムに数千に上る新型コロナウイルス検査キットが寄贈されている。

同地域は都市封鎖によりウイルス拡散は抑制したものの、地元経済を支えている観光産業が破壊された。2020年9月15日、ワシントンDCに本部を置く米シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)のグレゴリー・B・ポーリング(Gregory B. Poling)上級研究員とアンドレイ・カナタレガワ(Andreyka Natalegawa)研究助手は、太平洋諸島は「パンデミックの下流の影響により打撃を受けている」と解説している。

インド太平洋提携諸国も諸島の国民の収入や政府収益の低下を軽減するための支援を提供している。

2020年9月中旬、米国国務省は「同地域の最も脆弱な共同体を支援することで新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波に対処する市民社会の能力を強化」することを目的として、5億円相当(500万米ドル)の資金を提供すると発表している。

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