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パンデミックによりインド太平洋地域の医療革新が進展

Felix Kim(フェリックス・キム)

最前線で働く医療従事者の新型コロナウイルス感染を防止し、患者を安全に輸送する必要性の高まりが原動力となり、インド太平洋地域の3ヵ国が技術革新を推進している。インド、マレーシア、韓国のメーカーが病院やウイルス検査センター、また輸送時などに使用できる隔離容器/ブースを製造している。

各隔離容器/ブースは伝染性のエアロゾルが侵入できないように加圧されている。インドの空輸用隔離救助装置(ARPIT/Airborne Rescue Pod for Isolated Transportation)は患者の空輸用で、韓国とマレーシアの隔離ブースは主に新型コロナウイルス検査を行う医療従事者を患者から隔離するために使用される。これらの容器やブースには高効率粒子状物質(HEPA)フィルタが使用されている。

インド国防省の説明によると、高所や遠隔地から感染症患者を避難させることを目的として、インド空軍が空輸用隔離救助装置を設計・開発した。容器は患者が横たわれるリクライニング式になっており、「グローブボックス」を備えているため、医療従事者は患者に直接接触することなく検査を実施できる。監視装置、換気装置、生命維持装置を取り付けることができる。

コリアン・ヘラルド(The Korean Herald紙が報じたところでは、新型コロナウイルス感染症の流行初期に、医療従事者が最小限の保護具を着用するだけで済む検査ブースのアイデアを韓国の医師が思い付いたことから、医療機器会社の高麗技研(Korea Kiyon)がこの着想を発展させ、開発したブースをイタリア、日本、マレーシア、フィリピン、タイに輸出した。

このポータブルの隔離ブースは陰圧の医療用テントの代わりに使用される。テントは2倍の費用がかかり、清掃がより困難である。高麗技研の説明によると、医療従事者がブースの内側から外側にいる患者の検査を実施することができる。検査センターの構成に応じて、その逆も可能である。

ニュースサイトのマレーメール(Malay Mailが報じたところでは、新型コロナウイルス検査用としてマレーシアで製造された「陽圧個人用保護ブース」であるCOVシールド(COV Shield)の開発の鍵となったのは地域社会による協力である。韓国製隔離ブースから着想を受けたCOVシールドの試作品は、マラヤ大学医療センターの医師2人と映画スタジオの小道具ビルダーの協力により開発されたものである。その後、報道機関の幹部であるケネス・リム(Kenneth Lim)氏がソーシャルメディアを使用して「メーカー共同体」を募集し、全国的なブース製造を推進した。(写真:COVシールド内の患者を治療する医療従事者)

このアクリルとアルミニウム製ブースは「個人用保護具の必要性を削減し、新型コロナウイルス感染症患者の検査時における医療従事者の安全性と快適性を高めるように設計されている」と、リム氏は述べている。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

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