水素燃料により国防計画を強化する韓国

水素燃料により国防計画を強化する韓国

フェリックス・キム(Felix Kim

水素エネルギー戦略として、水素燃料バスや水素燃料電池ドローン(UAV/無人航空機)の開発と燃焼発電所の建設計画に取り組む韓国(ROK)国防部は、こうした新型の車両を補完するため、水素ステーション(水素スタンド)網を全国に拡張することを目指している。

2020年6月、同国防部は「韓国水素エネルギー社会(K-Hydrogen Economy)」の一環と見なされるいくつかのイニシアチブを発表した。韓国政府は2021年までに一連の水素燃料バスの購入、軍民両用の水素ステーションの建設、大韓民国国軍が使用する水素燃料「ドローンロボット(Dronebot)」戦闘システムの開発、軍民両用の水素燃焼発電所の建設を実現することを目標としている。

2020年6月16日、韓国の丁世均(Chung Sye-kyun)首相(国務総理)の監督の下、大田広域市に所在する合同軍事大学(JFMU)で水素利用の相互協力に関する業務提携が結ばれた。同協定に関与しているのは韓国の国防部、産業通商資源部、環境部、現代自動車(Hyundai Motor Company)社、斗山モビリティイノベーション(DMI/Doosan Mobility Innovation)社で、紫雲台に位置する大学校門付近への水素ステーション建設など、これにはいくつかのイニシアチブが含まれている。

丁首相は、「韓国で水素戦略を進展させる上で、まず軍隊から決意の見本を見せることが良好な出発点となるはずである。そうすれば、国民も軍を称賛することであろう」と語っている。

韓国政府系報道機関の聯合ニュース(Yonhap News Agency)が報じたところでは、現代自動車は2021年までに国防部に10台の水素燃料バスを供給し、紫雲台ステーションを建設する予定である。水素を燃料とする電池で発電して電動機の動力で走行する水素燃料バスから排気されるのは蒸気のみである。

同国防部の発表によると、この紫雲台ステーションは全国39ヵ所に追加され、将来的な計画に向けたプロトタイプとしての役割を果たすようである。同国防部は大田広域市が運用する車両285台に250台の水素自動車を追加することを予定している。

水素利用に関する協定が調印された日、丁首相は斗山モビリティイノベーション社開発の水素燃料電池ドローンのデモを視察している。同機は従来型の無人航空機よりも飛行時間が400%長いドローンロボットシステムのプロトタイプである。同国防部はドローンロボット(写真参照)について、「高度な科学技術を適用して開発されたドローンとロボットによる複雑なシステムで、戦闘、自然災害、警備といったさまざまな任務に利用できる」と説明している。

軍民両用の水素燃焼発電所の建設は2020年に開始され、2021年半ばまでの完成が期待されている。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

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