健康と医学連載記事

蚊よけ

デング熱は、その予防と削減の取り組みに関する協力が強化されたにもかかわらず、2019 年に世界中で急増した。世界保健機関(WHO)のデータによると、この病気が流行している東南アジアでは、症例数は前年の 2 倍以上に増えたという。アメリカインド太平洋軍(USINDOPACOM)の軍医局(Surgeon’s Office)によるとバングラデシュ、香港、インド、ネパール、スリランカ、東ティモールのほか、パラオ、ツバル、バヌアツなどの太平洋諸国も大規模な集団発生に見舞われた。

インド太平洋地域に配備された兵士らは、2020 年、このような蚊が媒介する病気から身を守るために警戒する必要がある。USINDOPACOM の軍医局によると、軍人が戦闘、訓練、人道支援活動に従事しているかどうかに関係なく、このウイルスによって軍人の健康と任務が危険にさらされる可能性がある。

米国陸軍公衆衛生局(U.S. Army Public Health Center)(APHC)の昆虫科学部門によると、「マラリアや、デング熱、ジカウイルス、黄熱病、西ナイル熱、リーシュマニア症、ペスト、ツツガムシ病、ライム病、その他多くのダニや昆虫が媒介する病気は、依然として世界中の軍隊に重大な健康上の脅威をもたらし続けている」とコメントしている。例えば、多剤耐性マラリアの症例も、2019 年に東南アジアで急増しており、インド太平洋地域の関係者に新たな脅威をもたらした。

この地域でデング熱が再び流行したのは多くの要因があるが、おそらく都市化が急速に進んだり、飛行機での旅行が増えたこと、劣悪な衛生状態や、蚊の新たな繁殖地が生まれる非生分解性プラスチックの使用と廃棄が増えたこと、蚊の個体数を増加させた気象パターンの変化などが考えられると、USINDOPACOM の軍医局は述べている。

USINDOPACOMは、米国国防総省(DOD)の防虫システムを利用し、昆虫に関連する病気のリスクや不快感を安全に減らすよう米軍兵士に奨励している。APHC によると、この DOD のシステムは、工場または現場でペルメトリン防虫剤による処理をユニフォームに施されなければならないという。すなわち、袖を下にしてユニフォームをきちんと着用し、ズボンをブーツの中に入れ、下着をズボンの中に入れる。露出した皮膚を DEET、ピカリジン、IR3535 の防虫剤で治療する。そしてペルメトリン処理済の蚊帳で寝るというのだ。米国疾病予防管理センター(CDC)は、DEET の有害性について根拠のない主張がインターネット上で広まっているにもかかわらず、DEET を安全でよく研究された製品として推奨している。詳細については、https://www.cdc.gov/malaria/toolkit/deet.pdf を参照のこと。

一部の昆虫媒介性疾患では、ワクチンと予防薬が承認されているものもある。APHC によると、たとえばマラリア感染地域に配備または駐留している軍人には、抗マラリア薬が処方される可能性があるという。適切な薬やワクチンについては、医療提供者に相談するべきだ。FORUM スタッフ

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