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韓国の軍事改革:軍隊の開発と再編が鍵

ヘッドライン | Apr 5, 2020:

フェリックス・キム(Felix Kim

軍隊開発の取り組み、兵力構成の調整、個々の部隊の再構成という3つの重要目標に焦点を当てた大韓民国(韓国)の軍事近代化プログラムが2年目に突入した。

進化する脅威状況と労働人口の変化に直面している韓国国防部(MND)は、2019年初頭に「国防改革2.0」として知られる近代化と構造改革を含む一連の改革を開始した。実装開始から1年を経た韓国国防部は、これまでの進捗を審査するために専門家委員会を編成している。

韓国国防部からのニュースリリースによると、結果を見直し、2020年の方向性を協議することを目的として国防部職員と外部顧問で構成された国防改革諮問委員会(DRAC/Defense Reform Advisory Committee)の会議が、2020年2月20日に韓国のソウルで開催された。

同国防部が説明したところでは、これは徴兵対象人口の減少を相殺するために、軍隊を「先端科学技術を基盤とした軍事構造」に改革する計画である。「平和、革新、公平性、包括性」に向けたプロセスとしての取り組みを概説し、防衛部門内の慣行の改革も国防改革2.0の中心に置かれていると、同国防部は付け加えている。国防改革の「推進力を維持する」ために、これから韓国政府は法令の制定や改正といった改革を実施すると考えられる。

韓国の環太平洋戦略研究所(Pacific Rim Institute for Strategic Studies)上級研究員の金在烨(Kim Jae Yeop)博士によると、大韓民国国軍は内外部の課題に直面している。外部的な課題は、北朝鮮で進んでいる「新しく精巧な兵器システムの開発」への対策を韓国政府が策定しなければならないという問題である。これにより、韓国の「防衛が複雑化し、混乱が発生する可能性」がある。さらに、中国からの潜在的な脅威も考慮する必要がある。内部的な課題としては、現在59万人の常備兵力を2022年までに50万人に削減するという計画への取り組みが挙げられる。

金博士は同国防部が今後数年間で取り組む予定の3つの改革分野について説明している。

同博士の説明によると、第一は軍隊の開発である。これには、諜報、監視、偵察、長距離火力、陸海空軍の機動性、ミサイル防衛などを含む新たな防衛システムの導入が関与する。こうしたシステムでは、集合的に第四次産業革命と呼ばれるロボット工学や人工知能の使用が基盤となる。(写真:竹島(韓国における呼称:独島)での軍事演習に参加する大韓民国海軍(ROKN)特殊戦旅団)

「こうした調達を支えるため、韓国政府は防衛費を意欲的に増大している」と説明する同博士は、同政府は調達工程における透明性と説明責任も重視していると付け加えている。

第二の兵力構成では、徴兵対象人口が減少している現状を踏まえ、大韓民国国軍総隊員数における士官と下士官の割合を現在の34%から40%に増加させることを目標に据えている。同博士の説明によると、従来的な非戦闘分野の軍事支部と部門の職位を代替する民間人材がより大きな役割を担うことになる。

第三の部隊の再構成では、常備兵力の縮小に対処する別の手段として、部隊、特に陸軍の編成が再構築されることになると、同博士は説明している。

同博士は、「たとえば、師団級の部隊は解体され、装甲部隊や機械化部隊を含む多くの新しい旅団級の部隊に再編成される」とし、「昨年、大韓民国陸軍(ROKA)はその野戦軍2隊を単一の陸上戦隊に統合した」と述べている。

国防改革2.0は「より精巧な兵器システム、より有能な人材、より機敏な部隊構造を駆使して、少ない常備兵力で防衛体制を維持することを目的とするものである」と、金博士は締めくくっている。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者

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