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ウイルス流行の克服に必要な保護具を大韓民国国軍が輸送

ヘッドライン | Apr 10, 2020:

Felix Kim(フェリックス・キム)

2020年3月18日、新型コロナウイルス流行の克服に取り組む中、緊急に必要となった手術衣8万枚を自国に搬送することを目的として、韓国(ROK)大韓民国国軍の軍用輸送機2機がビルマに向けて飛び立った。

調査会社「スタティスタ(Statista)」の統計によると、2020年3月23日時点で韓国で確認されている新型コロナウイルス感染症例8,961件のうち7,667件が大邱広域市(大邱)と慶尚北道(慶北)で発生している。この最も被害の大きい地域ではウイルス検査に手術衣が不可欠となる。最近、韓国政府は両地域を「感染症特別管理地域」に指定している。

2020年3月9日に韓国保健省からの委託により物資を搬送する予定になっていた大韓航空の民間ジェット機のフライトが新型コロナウイルス感染症に対する懸念によりキャンセルされると、韓国国防部(MND)が直ちに介入し、物資輸入のための軍用輸送機2機を手配した。

韓国政府は民間航空機を利用してタイのバンコク経由でビルマから韓国に物資を輸送する選択肢を検討したが、遅延を考慮して同案は取り下げられた。

この使命を遂行するには、外交手腕と創造的なプロジェクト管理能力が必要とされる。

ウイルスの蔓延を警戒するビルマ当局は、大邱と慶北からの乗客や乗務員が自国に入国することをはなから望んでいない。韓国国防部によると、他地域在住の韓国人はビルマに入国できるが、公共の場に立ち入るには14日間の隔離期間を経る必要がある。韓国側とビルマ側の外交官同士の交渉により、到着した韓国人員が最初に健康診断結果を提出すること、そして飛行場から外に出ないという条件の下、韓国機のビルマ飛行場への着陸と物資の受け渡しを許可するという妥協案が成立した。

ビルマを離陸してから約20時間後に同輸送機はソウルの金浦国際空港に着陸している。(写真:切望されていた手術衣を韓国に搬送した「C-130J」軍用輸送機と同型の軍用機)

韓国国防部はニュースリリースで、「さまざまな悪条件の中、国防部と外交部の緊密な協力により、この不可能な状況を打開することができた」と発表している。

同国国防部の発表によると、新型コロナウイルス感染症拡大阻止の取り組みの一環として、広範にわたる地域で大韓民国国軍の隊員が活動しており、兵士等は公共の場の殺菌や国の隔離措置の支援に尽力している。

韓国政府系報道機関の聯合ニュース(Yonhap News Agency)が報じたところでは、今回輸送された手術衣は韓国各地の病院や診療所、また他の医療施設での使用を目的として、ビルマで運営している韓国企業により製造されたものである。

フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

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