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太平洋地域で「ふれあい」作戦を展開する日本

ヘッドライン | Mar 1, 2020:

FORUMスタッフ

日本自衛隊(SDF)は太平洋地域において好意を高め、大戦時の過去により生み出された不信感を軽減することに懸命に取り組んでいる。

外交関係の改善努力の一環として日本政府が提示した「自由で開かれたインド太平洋」戦略は、法の支配、航行の自由、自由貿易等の普及・定着、経済的繁栄の追求、平和と安定の確保が3本柱となっている。

2020年2月、ローウィー研究所(Lowy Institute)で太平洋の援助・外交を担当するアレクサンドル・ダヤント(Alexandre Dayant)研究員はシドニー・モーニング・ヘラルドに対して、「海洋大国、太平洋大国として、日本は太平洋地域への関心を高めており、同地域での展開を増加しないまでも、現状を維持することに取り組んでいる」と述べている。

日本は中国の一帯一路(OBOR)政策を牽制しながら、自由で開かれたインド太平洋を維持して擁護するために「最善を尽くす」と、ダヤント研究員は付け加えている。

日本はすでに太平洋地域での取り組みを開始している。

自衛隊はパプアニューギニア(PNG)を訪問し、パプアニューギニア軍と共に訓練を実施しただけでなく、軍楽隊育成を目的とした音楽教育を提供している。日本防衛省はこうした交流を「ふれあい」援助と表現しており、人的交流を通じて信頼性を構築することを目指している。

シドニー・モーニング・ヘラルド紙が報じたところでは、中国の一帯一路政策がインフラと貿易に焦点を当てているのに対し、日本は港湾、道路、学校といったハードインフラだけでなく、法制度の改善や健康、医学、教育などの社会サービスを含む「ソフト」インフラについても支援することを計画している。

同紙によると、日本はパプアニューギニアの空港改築を支援し、サモアに港湾改修資金を全額融資している。

2019年12月、日本は麻疹が流行したサモアの児童等の治療を目的として、専門医療隊を派遣している。同月、日本はバヌアツの保健・医療・衛生サービス向上のための支援として、供与限度額6億円の無償資金協力案を発表している。

専門家等の見解によると、特に中国抑制という面で、日本の親善活動により同地域に改善がもたらされている。

ダヤント研究員とローウィー研究所のマイケル・グエン(Michael Nguyen)元研修員は、「中国に焦点を絞りすぎると、日本政府が持つ広範な関係により中国政府の地位が相殺される可能性を過小評価することになり兼ねない。特に日本がアジア地域に強力なネットワークを構築していることを考慮すると、物質的なものではなく、他国との関係において日本には競争上の優位性があると言える」と記している。

現在、世界貿易の支配、太平洋地域での影響拡大、迅速な利益獲得を試みる中国が注目を集めているが、日本は透明性が高く、より持続的な効果が発揮される代替案を提供しながら、目立たないように中国の勢力を徐々に削いでいる。

ダヤント研究員はシドニー・モーニング・ヘラルド紙に対して、「長期的な視線で計画を策定する国が、最終的には太平洋地域で最も影響力のある国と見なされる可能性が最も高いと考えられる」と語っている。

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