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中国工場での強制労働を目的として、新型コロナウイルスのリスクを省みず新疆ウイグル自治区当局がウイグル人を移送

中国工場での強制労働を目的として、新型コロナウイルスのリスクを省みず新疆ウイグル自治区当局がウイグル人を移送

ヘッドライン | Mar 11, 2020:

ラジオ・フリー・アジア(RFA

新疆ウイグル自治区(XUAR)当局が数百人に及ぶウイグル人を中華人民共和国(中国)の他地域に強制移送し、2019新型コロナウイルス急性呼吸器疾患(COVID-19)の影響が確認されている工場で就労させた事態を受け、同措置は中国で「ウイグル人の命が軽視されている」ことを示す証として批判の声が高まっている。

世界保健機関の発表によると、2020年2月25日までに34ヵ国と一部地域で8万200件を超える症例、および少なくとも2,700人の死者発生の要因となった新型コロナウイルス拡散防止を目的として、中国政府が全国的な隔離措置と旅行・移動制限を発令したことで、同国における生産能力が急停止した。

最近、公式報道機関が示唆したところでは、中国でますます厳格なウイルス対策措置が実施される中、新疆ウイグル自治区当局は潜在的な感染リスクを省みず、ウイグル人を湖南省、江蘇省、江西省、浙江省に所在する工場へ強制移送した。これは、生産性強化対策の一環と考えられる。(写真:AP通信のビデオ経由で放映された中国中央電視台による動画映像からキャプチャした画像。中国北西部の新疆ウイグル自治区和田(ホータン)地区に所在する和田職業教育訓練センターの縫製工場で働くイスラム教徒研修生を写した撮影日不明の映像)

中国新疆ウイグル自治区の公式報道機関である新疆日報(Xinjiang Daily紙と中国国営通信社の中国新聞社(Chinanews.com)が最近報じたところでは、2020年2月22日から23日にかけて「400人の若年者が湖南省、浙江省、江西省に移送」された。

このうち、新疆ウイグル自治区阿瓦提(アーバード)県阿克蘇(アクス)地区出身の114人は2月23日に江西省九江市へ、阿克蘇市出身の100人は2月22日に同じく九江市へ、和田地区出身の171人は湖南省長沙市へ移送されたと報告されているが、長沙市への移送に関しては正確な日付が伝えられていない。

中国新聞社はまた、2月26日午前11時、135人の労働者が「夏期労働」への参加を目的としてアクス空港から浙江省武義県へ飛行機で移動したと報じているが、詳細は提供されていない。

新疆ウイグル自治区の公式ニュースポータル「Tianshan.net」のウェブサイトに掲載された別の記事によると、2月27日正午、喀什(カシュガル)市および同市の沢普(ポスカム)県、葉城(カルギリク)県、英吉沙(イェンギサール)県出身の労働者242人がカシュガル空港から中国南方航空B787機で湖南省長沙市に移動している。

同記事によると、労働者の大半は1990年以降の生まれで、レンシー・テクノロジー(Lansi Technology Co)での就労を目的として長沙市に移送された。

Tianshan.netのまた別の記事には、2月25日、隔離措置が進行中であるにも関わらず、和田地区当局は3万人以上の労働者を同地域の企業299社の仕事に強制復帰させたと記されている。

ミュンヘンを拠点とする世界ウイグル会議(WUC)のドルクン・エイサ(Dolkun Isa)総裁は、「[中国政府が] 数百万人に及ぶ国民に隔離措置を施し、企業は新型コロナウイルス感染への恐れから生産活動を停止しているこの時期に」、新疆ウイグル自治区政府が何百人ものウイグル人労働者を中国の他地域へ移送して工場で働かせているという事態は「衝撃的」であると述べている。

エイサ総裁は、「中国政府がウイグル人を危険に曝していることは明らかである。中国ではウイグル人の命などどうでもよいのだ」とし、「移送されたウイグル人等が生きて帰れる保証はない。ウイグル人を本土に強制移送して、新型コロナウイルスの脅威の下で安価に労働させるという行為を中国政府は止めるべきだ」と語っている。

ニューヨークに拠点を置くメメト・イミン(Memet Imin)ウイグル医学研究員は、ウイルスが流行する現状の中、生産目標の達成に苦労している中国他地域の企業にとって、ウイグル人は理想的な労働力であると説明している。

イミン研究員は、「ウイグル人には当局に抗う手立てがないため、中国政府はウイグル人を移送する。ウイグル人は安価な労働力として強制労働させられる可能性があり、たとえ新型コロナウイルスのためにウイグル人が発症または死亡しても、雇う側の会社が責任を問われることはない」とし、「これは、ウイグル人が置かれている状況が非常に不安定であることから、(こうした労働者のいずれかが死亡したとしても)中国政府はその死を至極簡単に労働者の両親に説明できるためである」と説明している。

ラジオ・フリー・アジアが最近伝えたところでは、2020年2月27日時点で新疆ウイグル自治区では76人のウイルス感染者と2人の死者が確認されているが、同地区におけるCOVID-19拡大防止対策として地方当局が実施した隔離措置により、同地区住民は十分な食料や物資がない状態で放置されている。

2017年4月以降、新疆ウイグル自治区では「強力な宗教的見解」や「政治的に間違った考え」などを非難の理由として180万人近くのウイグル人や他のイスラム教徒少数民族が強制収容所に拘留されているが、現在、クズルス・キルギス自治州の阿図什(アルトゥシュ)市といった特定地域では、隔離措置実施中に許可なく外出したことが確認された住民は、同地域の強制収容所に15日間拘留されるという脅威に直面している。

さまざまな報道によると、意志に反して強制収容された拘留者等は政治的な教化の対象となっているだけでなく、日常的に監督者等から手荒な扱いを受け、過密した施設における貧しい食生活と不衛生な環境に耐えている。最近、専門家等が発した警告によると、こうした環境はウイルス流行に繋がる可能性がある。

当局における透明性の欠如により、新型コロナウイルスが中国湖北省武漢市を起点として広がったとして、世界では批判の声が高まっている。結果的に中国政府は2020年1月に武漢市を封鎖している。

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