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イスラム国系の武装集団からの夫婦救出に成功したフィリピン軍

FORUMスタッフ

複数の報道によると、2019年11月下旬、地元のイスラム国(ISIS)系過激派集団に拉致されていた英国国民の男性とそのフィリピン人の妻をフィリピン軍(AFP)が救出した。

71歳のアラン・ハイロンズ(Allan Hyrons)氏と59歳のウィルマ・ハイロンズ(Wilma Hyrons)氏は、2019年10月に同夫婦が所有するフィリピン南部のビーチリゾートでアブ・サヤフ(ASG)の武装集団に拉致された。ワシントン・ポスト紙が報じたところでは、アブ・サヤフは身代金目的の拉致を繰り返している。同過激派集団はイスラム国の前はアルカイダと関係を持っていた。

アブ・サヤフは今も3人のインドネシア人を拘束していると述べたフィリピン軍地区軍司令官のシリリート・ソベハナ(Cirilito Sobejana)中将は、フィリピン部隊の救出作戦の成功は、住民の支援によるところが大きいと発言している。

ソベハナ中将は声明を通して、「住民が貴重な [情報] を提供してくれたお陰で、当部隊は武装集団のアジトを見つけることができた」と述べている。

(写真:2019年11月25日、フィリピン南部のスールー州ホロ町に所在する軍事基地内で、英国人のアラン・ハイロンズ氏とフィリピン人の妻、ウィルマ・ハイロンズ氏と話すフィリピン軍のコルレート・ビンルアン(Corleto Vinluan)少将)

フィリピン国防省は、今回の救出成功は「アブ・サヤフに対する当国軍の徹底した作戦の結果であり、地上戦における当部隊の勇気と献身の証となるものである」と発表している。

専門家等によると、同地域における過激派イデオロギーの根絶を目的としてフィリピン南部で継続されている過激派対策作戦では、次々に出現する課題が浮き彫りとなっている。

イスラム教徒集団に関して広範にわたる著書を持つフィリピン人安全保障アナリストのロンメル・バンラオイ(Rommel Banlaoi)博士は、ワシントン・ポスト紙に対してアブ・サヤフの規模は「縮小しているが、ミンダナオ島でさまざまな犯罪に関与する新たな武装集団の出現により、回復力が増している」とし、「今回の救出作戦の成功は、外国の提携国の支援および現地の地上における成功要因を合わせて効果的な特別軍事作戦を策定することがいかに重要であるかを強く実証するものとなった」と語っている。

ワシントン・ポスト紙によると、3日間にわたって実施されたハイロンズ夫婦の救出作戦により、6人の過激派戦闘員が死亡し、その中にはマレーシア東部のサバ州周辺の水辺における拉致事件を主導した容疑がかかっていたシビ・ピシ(Sibih Pisih)の顔があった。2014年にスールー州で発生した民間人22人の殺害事件との関連もあり、フィリピン軍はピシ容疑者を捜索していたと、同紙は報じている。

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