仮想通貨事業の停止命令を維持するパラオ

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太平洋島嶼国のパラオは同国消費者に対し、同政府が仮想通貨事業の推進を支持しているとの主張は偽情報であり、同国における仮想通貨事業の停止命令は依然として有効であると警告を発している。

2019年11月20日、パラオの財務省歳入関税税務局と金融機構委員会(FIC)は共同声明を発表し、以前に取得した営業許可に基づき、後に無効になった営業許可を含め、仮想通貨取引を行う個人または企業は法律違反に値すると一般に警鐘を鳴らした。

あるオンライン仮想通貨企業が自社の投機事業はパラオ政府後援である宣伝したことから、2019年3月に金融機構委員会が仮想通貨事業の一時停止命令を発令した。パラオに本拠を置くオンライン通信社「パシフィック・ノート(Pacific Note)」が報じたところでは、パラオ・コイン(Palau Coin)という名称のこの企業は、「パラオ共和国政府主導のパラオ観光環境保護基金(Palau Tourism Environmental Protection Fund)のブロックチェーン技術に基づく分散型デジタル通貨」と自社の事業を宣伝している。ブロックチェーンとは、公的にアクセス可能なネットワーク内で共有できる金融取引などの記録のデジタルデータベースである。

同金融機構委員会の説明によると、同国政府機関が仮想通貨事業を管理できる法規制を制定できるようになるまで、仮想通貨事業の一時停止命令は有効のままとなる。一方で、共同声明を通じて、政府は「一般市民、投資家、潜在的投資家に対して、パラオ共和国政府当局による認可を得ていると主張する事業体または企業体にはより厳格なデューデリジェンスを実施することを奨励する」と、両機関は通告している。

仮想通貨事業が太平洋島嶼国に進出し、スタートアップ企業やオンラインベンダーが世界中の投資家との仮想的な接続により観光に依存する島嶼諸国の経済を刺激することを約束するという事態が発生していることから、仮想通貨は物議の種となっている。

マーシャル諸島では仮想通貨を自国通貨にする計画が進んでいる。「マーシャルソブリン(SOV)」と呼ばれるこの通貨は、政府発行のデジタル通貨となる。このマーシャルソブリンが法定通貨となった後も、現在マーシャル諸島で国の通貨として使用されている米ドルは引き続き流通される予定である。

2018年9月に発せられた国際通貨基金(IMF)からの警告に耳を貸すことなく、マーシャル諸島は仮想通貨計画を着々と進めている。提携するコルレス銀行が米系銀行1行しかないマーシャル諸島について、同行との契約が切れる可能性を含め、国際通貨基金は他多数のリスクを特定している。マーシャル諸島は海外送金や決済をこの米系銀行に依存している。国際通貨基金はデジタル通貨の導入により外国からの対外援助が滞る可能性も指摘しており、これにより同国で自然災害や極端な気象現象が発生した場合に深刻な問題が発生する可能性がある。国際通貨基金理事会の「マーシャル諸島の経済政策に関する報告書」には、デジタル通貨導入によりもたらされる利益は、導入計画によりもたらされる「経済的、評価、ガバナンスのリスク」よりも小さいと記されている。

仮想通貨取引所が驚くべき速度でハッキングされている現状など、専門家等はデジタル通貨における多くの欠点を指摘している。ニュースサイトのコインデスク(CoinDesk)によると、最近発生した韓国の仮想通貨取引所「アップビット(Upbit)」のハッキング事件は、2019年の仮想通貨取引所に関連する主要ハッキング事件7件のうちの1つである。2019年11月、アップビットは不明な仮想通貨口座に資金が振り込まれ、約51億円(約5,100万米ドル)に相当するイーサリアム(ETH)を損失したと発表している。

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