中国への対抗として、コロンボ港共同開発に合意したインド、日本、スリランカ

中国への対抗として、コロンボ港共同開発に合意したインド、日本、スリランカ

FORUMスタッフ

報道によると、2019年5月下旬、インド、日本、スリランカはイーストコンテナターミナル(ECT)として知られるコロンボ南港(新港)を共同開発することで合意した。

同開発により、港湾を通して輸送されるコンテナ量が増加するだけでなく、地域的な海上輸送も改善されることが期待される。日経アジアレビューが報じたところでは、同多国間協定は「自由で開かれたインド太平洋」への取り組みを推進し、中華人民共和国(中国)の拡大主義に基づく一帯一路(OBOR)政策に対抗することを目的としている。

フランス通信社(AFP)の報道によると、総工費500億円相当(5億米ドル)の大部分を中国資金で賄って同港に建設された「コロンボ国際コンテナターミナル(CICT)」という埠頭が物議を醸しているが、同深海コンテナターミナルはその埠頭の横に建設される予定である。

2013年に稼働したコロンボ国際コンテナターミナルは中国企業がその株式の85%を保有しており、スリランカ港湾局(SLPA)の保有分はわずか15%であると、フランス通信社は伝えている。

この中国の取引とは著しく対照的に、今回のインドと日本との取引においてはスリランカ港湾局がイーストコンテナターミナルの全所有権および同ターミナルを運営する企業の株式51%を保有することになる。ロイター通信によると、インドと日本が残りの49%を保有する予定である。また、契約条件については、次回の作業部会合同会議で問題点等が解決される見通しであると、ザ・ヒンドゥー(The Hindu紙が報じている。

ロイター通信の報道によると、総工費500億円相当(5億米ドル)と見積もられる同プロジェクトの資金については、猶予期間を10年に設定した金利0.1%の長期低利貸付(ソフトローン)を日本が提供することになる。

スリランカ港湾局は声明で、「MOC [協力覚書] はスリランカが国際的な提携国と協力しながら、国益を維持してさらに発展させる能力を有することを実証するものである」とし、「同共同プロジェクトには3ヵ国間における長年の親善と協力関係が反映されている」と発表している。

スリランカで最大かつ最も取扱量の多い港湾であるコロンボ港(写真参照)を経由する積替輸送の70%以上はインドの輸出入に関連するものであると、ザ・ヒンドゥー紙は報じている。

ザ・エコノミック・タイムズ(The Economic Times)紙に対して、同取引は日本と米国、および他のインド太平洋大国との協力関係にインドが意欲的であることを示すものであると述べたBrookings India(ブルッキングズ・インディア)のコンスタンチノ・ザビエル(Constantino Xavier)外交政策研究員は、「一帯一路政策に基づき中国が南アジアとインド洋地域への投資に取り組んでいることから、インド政府は中国の経済的影響力を抑制するために、中国の申し出よりも信頼性の高い手段を積極的に提供することを余儀なくされた」と説明している。

最近のスリランカとの取引は、中国投資の有害性を実証するものである。たとえば、2017年12月、スリランカが過重な中国融資の返済に行き詰まったことから、ハンバントタ港の港湾運営権を中国国営企業に貸し出す契約が締結されたと、膨大な数の報道機関が伝えている。2016年7月に発表された1,120億円相当(11億2,000万米ドル)の融資取引により、スリランカは瞬く間に中国の略奪的な罠に嵌ることになった。それから1年半も経たないうちに、同借金帳消しを条件として、スリランカはコロンボ港から南240キロの地点に位置するハンバントタ港の99年間の港湾運営権を中国企業に譲渡する事態に追い込まれた。

アナリスト等によると、中国はモルディブなどの他地域のプロジェクトにも同様の「借金地獄」戦略を適用し、支配権略奪を企てている。

アナリスト等の分析によると、インド、日本、米国を含む多くの国々は、中国が狙った国々を自国の衛星国にしようとする陰謀だけでなく、包括的な一帯一路戦略の一環として将来的に中国がこうした港湾を軍事化する可能性について懸念している。同一帯一路政策が無害なインフラ開発支援ではなく、むしろ中国の拡大主義による強制と支配を追求するものであることは明らかである。

コロンボ港開発契約の締結から1年にも満たない2014年、中国資本が運営するコロンボ国際コンテナターミナルに中国の潜水艦が寄港したことで、インドで抗議行動が発生した。ロイター通信によると、スリランカは再度の寄港を許可していない。

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